本「沈黙」

   

遠藤周作の「沈黙」を読みました。久しぶりにむさぼるように夢中になった本でした。このところ中途半端なビジネス書や自己啓発本ばかり読んでいて、読後感に虚しさが残るのが嫌で読書欲がそがれていたのですが、名作と呼ばれる作品の力を改めて実感しました。

「沈黙」は、キリスト教弾圧の時代に日本を訪れ、棄教を迫られるポルトガルの宣教師ロドリゴのお話です。あまりに有名な作品だし、キリスト教についての理解の有無で奥深さが変わってくる作品なので感想を書くのは嫌なのですが、素直にクライマックスのロドリゴの思いに深く心を打たれました。また、日本の役人側の弾圧は冷酷を極めるのですが、その説得の内容に自分の中で強い反発を感じないのもひっかかりました。

神の存在。神が望んでいることが何なのか。宣教師という立場の人がすべきことは何なのか。奥深くて答えがない問答を、澄んだ、深い信仰の中にいるロドリゴの心を通じて、考えさせられます。

あまりに良かったので気になるところをもう一度読んだ後、甥っ子にあげました。もう中学生だし、十分理解できると思います。

ところで、この「沈黙」はマーティン・スコセッシ監督でハリウッド映画化されるそうです。来年から撮影が始まるというニュースがネットに流れています。ぜひ宣教師、日本の役人、日本の信者、それぞれの気持ちや考えのバランスがとれた作品を期待しています。

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