中年ママの「高ハードル」転職活動の話

   

「いずれ就活の模様も記事にしたい」と過去記事に書いたのを目にして、私の出産後の転職活動の話を書こうと思いました。

転職活動なんて、本人のステータス、ライフステージや世情によって本当に条件が変わるので、カウンセラーでもない限り自分の体験以上のことは書けません。

ただ、中年無職だった女性が、子持ちの状態で転職活動をするハードルの高さは、それなりに想像してもらえるでしょうし、似た環境で関心がある方もいるのではないでしょうか。

……単なる日記の域を出ないかもしれませんが、読んでいただけたら幸いです。

転職活動までの経緯

まず、転職活動にいたるまでの経緯を簡単に。

私は2015年〜2017年にシンガポールに住んでいました。そして、帰国後に娘を授かりました。

シンガポールで働いていたので、その会社を帰国時に退職しています。そして帰国後、転職活動真っ最中に妊娠が発覚しました。

妊娠初期に出血があり、当時通っていた病院からは一度(妊娠の継続は)難しいかもしれない、と言われましたが、その後娘は順調に育ってくれました。

そして、母子手帳を受け取った頃に、転職活動をやめました。転職直後の妊娠では退職せざるを得なかったので、いろいろタイミングが良かったように思います。

つまり、私は妊娠前に退職し、その後1年以上無職になりました。

そんなわけで、シンガポール帰国後から1年以上、無職で妊娠、出産、そして子育てをしてきました。

子どもが早産児だったので、働くことは難しいかもしれないと思っていました。しかし、娘は幸い順調に成長し、1歳前に服薬を卒業。このとき、改めて「働く」という選択肢が頭に浮かんできました。

正確には、「自分が働きたい」という前に、子どもの発達のために「子ども保育園に入れて集団生活をさせたい」という気持ちの方が大きかったです。

周囲の医師やその他の人が保育園を積極的にすすめることはなかったのですが、「子どもは子どもにしか関心がない」といった話は度々聞き、児童館に通いながらも保育園に通わせたいという気持ちが強くなったのです。

無職の状態での保育園入園のハードルは、非常に高かったのですが、本当に運がよいことに、預けることができました。

そして、保育園に通わせながら転職活動をし、その後私も仕事復帰することができました。

中年無職+子持ちの高ハードルコンボ

さて、ここからが本題です。

転職活動、本当に大変でした。しんどかったです。

私の場合、「中年無職」というすでに普通の転職活動ですら大変な条件を抱えているのに、そこに「子持ち」という、残念ながらあまり就活にプラスにならないステータス(詳細は後述)が加わりました。

まず、世間は人手不足だなんだいいつつも、いまだ転職市場は年を取れば取るほど不利になる人が多いように感じます。

特に私の場合、若い人たちにも人気の職種なのか、募集する側も30歳前後を想定しているだろうと感じる求人を多々見かけました。(20代、30代活躍中!平均年齢30歳など…。)

ここまでですでにハードな転職活動なのですが、さらに「子持ち」で次の条件が加わりました。

子持ちで加わった条件

  • 時短
  • 遅刻、早退、休み多い
  • 近距離

時短は、3歳未満は法定通りで、これは権利としてあるものです。家事偏差値の低い私には、譲れない条件でした。

遅刻、早退、休み多い、は、防ぎようがない起こりうることです。病児シッターなんて手段もありますが、高額で給料がなくなってしまいます。

そして近距離については、加わった…ではなく、私が加えたというのが正しいかもしれませんが、未満児育児をしながらでかなり譲れない条件でした。

こうなると、もう、そもそも案件がない、あっても応募できない…の渦の中…。

本当は「まだ保育園決まってない」という超巨大ハードルもあったのですが、それがなかっただけましだったのかもしれません。いずれにしても、非常に前途多難な就活でした。

優先度を整理して探すしかない

門前払いばかりの転職活動
門前払いばかりの転職活動

じゃあどうすればよいのか、ということに関して、私の答えは「優先度を整理して探すしかない」でした。

まず、転職活動において当たり前のことで、条件の優先順位を決めました。休みが多く時短を希望することは譲れない条件の上位だったため、優先度を下げたのは「勤務地」と「給与」です。

勤務地は当初、自転車圏内で探していました。(だいたい区内)

しかし、途中から範囲を「公共交通機関でドアtoドア30分」にまで広げました。これにより、選択肢はそこそこ増えました。

ちなみに、児童館通いしていた際、育休中だったお母さんが、通勤時間が片道1時間かかるので復帰が不安だと言っていました。気持ちはとても良くわかります……。フルリモートでもない限り、近ければ近いほうがいいに決まっています。

そして「給与」。お給料なんて良ければ良いほうがいいのですが、夫がフルタイムで働く環境で、持ち家や車はないものの、とりあえずローンもなく、妥協できる点ではありました。

そもそも、出産前に「フルタイム+残業+時間外に自習」で働いていたときほどのパフォーマンスが出ないのは明らかで、勤務時間だけでなく、どうしても時間あたりの価値も下がると自覚があったのです。

今思うと、このあたり冷静に自分の能力を見られていたのは良かったと思います。出産前との待遇のギャップに苦しむ人たちを目の当たりにしたからです。

ただ、そうは言っても、良さそうだった案件でパート契約、最低時給(1,100円くらい)を提示されたときは……受け入れられませんでした。

私のことを知らない会社が私の希望を受け入れつつ提示してくれたものの、未経験の仕事ではないのにそれまでのキャリアをゼロにされたような気分になったからです。また、その仕事から次の仕事に移る際に、給与交渉がしづらくなる懸念もおおいにありました。

優先順位を決めつつも、その中でのせめぎあいに苦しんだ転職活動でした。

そして出会った仕事も一度失敗

そもそも条件に合致する案件が少ないのに、門前払いが続き、面接にこぎつけてもうやむやになったり、お断りだったり。

途中で心が折れて、諦めても良いのではと思える状況でしたが、なぜ続けられたかを今振り返ると、やはり子どもを保育園に入れてよかったと思うことと、ダメだ、と思う直前に仕事が決まったことでした。

ぼろぼろになっていた頃、ようやく仕事が見つかりました。小さいベンチャー企業でした。

すでに子育て中のお母さんが働いており、理解ありとのこと。時短OK。ドアtoドアでギリギリ30分。頑張れば自転車でも行ける距離。

給与は希望額に届きませんでしたが、試用期間終了時に相談しましょうという話でしたので、納得できる条件でした。

今振り返っても、大苦戦の末の内定だったため、申し分ないと思います。

しかし、結果的にはこの会社での仕事はうまく行かず、1年もたたない短期間で離職することになりました。形としては自己都合退職でしたが、私の気持ちとしてはクビになる前に辞めたと思っています。

なお、この会社での失敗は、書きかけの記事がありますが、愚痴っぽいので公開は未定です。

転職活動の再開と内定

再び無職に戻り、ハードな転職活動を再開させた私。条件は変えられないままだったので、引き続き苦しい状態は変わりませんでした。

ただ、一つ変えた作戦がありました。以前いたことがある会社の元上司に相談をしたのです。

柔軟な働き方ができること、そういう人が働いていることは知っていました。そして、辞めたことで迷惑はかけていたのですが、人間関係はよく、円満退社だった会社なので、思い切って相談ができました。

その会社からは、困ったら来てもいいよと言っていただけました。保険というのは失礼ですが、これでだいぶ気持ちが楽になったのは大きいです。

同時に通常の転職活動も続けており、最終的には別の会社から時短正社員の内定をいただき、現在はその会社で働いています。

現在の会社は、小さい会社ですが、働きやすい環境構築を経営目標の一つに加えており、時短や子育て理由の遅刻・早退・欠勤には寛容です。時短正社員の採用も初でした。また、ほぼ自己完結するポジションのおかげで、仕事の穴は自分で埋める必要がある一方、誰にも迷惑をかけないので気持ち的にも楽です。

この会社に出会えたのは、時期や運があったように思います。就職偏差値が高い人はともかく、私のようなハードルだらけの人は、こつこつと情報を集めながら時を待つ、といった姿勢も大事なのかなと思いました。

わが家は夫の仕事の都合で引っ越しの可能性があり、また転職活動が必要になる可能性はゼロではありません。今後の転職活動にも、この「時間をかけてでも出会いを待つ」といった気持ちは、役立つだろうと思います。

まとめ

シンガポールから帰国後に妊娠。運良く娘の保育園は決まったものの、中年無職+子持ち(もろもろの希望条件あり)という状況で、転職活動に非常に苦労しました。

ぼろぼろになっていた頃にようやく内定が出たものの、会社が合わず1年経たずに退職。出産後二度目の転職活動で、子持ちでも働きやすい現在の会社に出会えました。

長く苦しい時期がありましたが、これら一連の経験で学びもあり、特に「時間をかけてでも出会いを待つ」という気持ちは今後も活きると思っています。

出産後の転職活動は、振り返ると、自分の市場価値を知るよい機会でした。年齢とともに下がっていく市場価値。それは十分な経験を積んでこなかった自己責任でもあります。

これは今回の転職エピソードの後日談でもありますが、今の仕事では自分が出した結果、アウトプットをかなり重視しています。

それは社内への自分のアピールだけではなく、今後続く時短正社員の人たちへの足場づくりです。私が結果を出さないと、会社は「子持ちの時短正社員」の新規雇用を躊躇する可能性がありました。

そして、これが一番大事なのですが、今の仕事の結果は、今後また転職活動が必要になったときに必要な武器になります。

時流、時の運は絶対存在すると思います。なので「時間をかけてでも出会いを待ちつつ」も、それに振り回されない自分づくりにも、今は真剣に取り組んでいます。

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