映画「奇跡」

   

是枝裕和監督の「奇跡」を観てきました。九州新幹線全線開通をネタにした作品なのですが、やはりJR九州とのタイアップ作品らしい。この監督の作品から商売の匂いがするのは嫌だなぁと思ったのですが、九州新幹線自体は笑っちゃうくらい一瞬しか出なくて、その辺は作品として独立していて良かったです。

大阪で育った兄弟が、両親の離婚で福岡と鹿児島に分かれて生活するも、兄は再び家族4人で暮らしたいと願う。一方で奔放な弟は、マイペースながらもたくましく日々を過ごす。そんなある日、兄は「九州新幹線全線開業の日、博多から南下する「つばめ」と、鹿児島から北上する「さくら」の一番列車がすれ違う瞬間を目撃すれば“奇跡”が起こる」という噂を学校で聞き、友達や弟を誘ってその瞬間を目撃する旅に出るというお話。



物語の舞台は兄が住む鹿児島、弟が住む福岡、そして新幹線がすれ違う熊本の「川尻」というところです。福岡は普通の都会という感じで、一方で熊本は平凡な田舎…程度の描写しかされてなかったのは少々残念。一方鹿児島は繰り返し迫力ある桜島が登場し、兄が火山灰にうんざりする感じなんかがとてもリアルで良かったです。せっかく地方ネタを扱ってるのだから、この辺はもう少し濃く描かれてもよかったかなと。

お話は、正直なところかなり荒削りな印象を受けました。特に兄がもう小学校6年生なのに「そりゃないな」という願いを新幹線にかけるのがどうも。旅の過程もその他ももろもろ結構無茶してます。理屈っぽい人は見ない方がいいです(笑)。

でもね、私は筋がおかしいのはどうでもいいや、と思えるくらい、やはりこの監督の画面の作り方や人の描き方、そして脚本の言葉にいたるまでがとても好きです。少し悲しくなるような、でもリアルな「人」や「人の生き方」というものをこの監督はさりげなくちゃんと描いてる気がする。

最初から最後まで、笑ったり、だらだらと涙が垂れ落ちるのは、一つ一つのシーンが大事にされてると感じるからだと思います。私は兄が最後に見つけたもの、弟がすでに見つけていたものが何なのか、うまく言葉にはできないのですが、それでもほんのり共感して、生きるってこういうことだよな、と改めて思うのでした。

それにしても、兄弟役がお笑いコンビの「まえだまえだ」なんですが、兄貴の演技が素晴らしいです。NHKの朝ドラでもいい芝居してるな、と思いましたが、スクリーンでも見事な存在感。この子、役者になるのかな。弟も自分の役をきちんと演じきってたと思います。

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