「運用3号」問題
先週くらいにNHKで特集していて、結局制度凍結でニュースになった年金の「運用3号」問題。意外と関心を持っている人以外が知らない問題で、世間はもっと怒った方がいいと思いました。(私もNHKで見るまで知らなかったですが。)
「運用3号」問題とは何か。たとえば会社員や公務員(第2号被保険者)の妻(被扶養者)は、第3号被保険者として保険料の支払いをせずに年金を受け取れるのですが、旦那が会社を辞めて独立して第1号になったときや離婚したときなど、妻も第1号への切り替えと保険料の支払いが必要になります。しかし、その切り替えが必要だと知らずに、もしくは知ってても意図的に切り替えなかった人たちは、受給資格を満たせず年金を受け取れない可能性があるのです。
そういった人たちが、なんと数十万人以上いるとのこと。年金を受け取れない人たちが大量に出ることによる混乱を避けるため、厚生労働省は今年の1月からそういう人たちを「運用3号」として、2年さかのぼって保険料を支払えば未納期間は目をつぶるというトンデモ制度を始動させたのです。
ありえーん!
世間では共働き夫婦の方が増えていて、ただでさえ3号の存在自体がおかしいと思ってるのに、1号になってその保険料未納の人が年金を受け取れるってどういう発想なんでしょう!共働きの人だけでなく、独身の私も、3号や未納1号の年金を負担させられるロジックが理解できません。そもそも厚生年金と国民年金で払ってる保険料がえらい違うのに、旦那が1号になった後、被扶養者がそのまま3号なワケがない。(会社員のみなさん、自分の支払ってる厚生年金保険料の高さをを自覚してますか?)
NHKでは、この制度の賛成派と反対派がそれぞれの意見を述べてましたが、どう発想を切り替えても賛成派の意見は弱かったと思います。不公平の一言に尽きます。そして反対派の荻原さんの「不公平を許す=年金制度自体の不信を招く」というロジックは本当にその通りだと思いました。
そんなこんなでひと騒ぎあったのですが、結局24日に制度が凍結されたそうです。
無年金で生活できない人には生活保護というセイフティーネットがあるだろう、と思ったのですが、生活保護はこれまた税金であり、結局社会が相互扶助である以上、何かしらの痛み分けは発生します。そこはお互いさまだし、生活保護には車を持てないとか、受給に一定のルールがあるだろうし、運用3号よりはましなのかな、と個人的には思います。
この問題にどう対処するかはこれから議論されるそうです。
はぁ。いろいろダメですね。行政は。