「高専ロボコン2008」観戦レポート

   


11月23日に、両国国技館で「高専ロボコン全国大会2008」を観戦してきました。遅くなりましたが、そのときの観戦レポートです。結果も書いてあるので、12月30日の放送まで結果を楽しみにしている人は読まないほうがいいかな?

今年の高専ロボコンは、初の「二足歩行」が課題でした。「ROBO-EVOLUTION 生命大進化」と題し、ロボットが多足歩行から二足歩行に変形するというダイナミックなテーマ。フィールドは3つに分かれており、フィールド1では多足歩行でパイロンを一周。高さ20cmのハードルを越えた後、2で変身パフォーマンス。ここで多足歩行から二足歩行に変わり(もしくは二足歩行のロボットを切り離し)ます。3は二足歩行でのレース。1回戦は直線ですが、決勝ではパイロンが追加されました。


レースの全体的な印象ですが、最初のパイロンをまわるのも大変そうでした。タイヤを使えない大変さが伝わってきました。早いチームは、小さな足をたくさんつけ、細かく回転速度をあげることでスピードを出していたようです。

多足から二足への変形は、分離型が圧倒的に多かったです。つまり、多足歩行ロボットから二足歩行ロボットを分離して歩かせる形。なので、一体で変形したロボットは印象的でした。私の記憶が正しければ、富山商船高専と阿南高専だけです。特に阿南高専の変形の工夫にはみんなはっとしてました。あめんぼのように歩いてたロボットが、ハードルを越えた後、半身立ち上げて二足歩行に変形。ごてごてしたロボットが多い中、スマートな見た目も目立ってました。

近年の高専ロボコンと大学ロボコンとの大きな違いの一つに、見た目が楽しいロボットがたくさん出るという点があります。以前はもっとメカちっくなロボットばかりでしたが、テーマのせいなのか、ロボコン大賞を意識した傾向なのか、とにかくにぎやか。今年も色んなキャラクター続出でした。

かわいかったのは、大分高専のめじろんちゃん。変形ゾーンでかぼすから登場です。大分国体のキャラクターだそうで。見た目もさることながら、「♪めーじろん、めーじろん」という脱力系BGMが頭から離れませんでした。めじろんちゃんはデザイン賞を受賞です。

外装の制作に時間がかかった、というだけあって立派な造型を作り上げてきたのは鹿児島高専。篤姫の登場です!きらびやかなカゴでの移動が多足歩行で、ハードルを越えた後、厳かにかごの中から二足歩行の篤姫が現れました。いやー、スピードはなかったけど、一番キレイなパフォーマンスだったと思います。きちんとゴールもできたし、すばらしい。アイデア賞と安川電機賞を受賞していました。ちなみに篤姫が歩いているフィールドの横で、生徒がひれ伏してるのがかなりウケました。気づいた人はどれだけいるかな(笑)。

ややショックだったのが徳山高専の「ツヨシ猿回し」。徳山高専&ロボ名から想像できるとおり、ツヨシはあのマレークマのツヨシのこと。おお!と期待に胸膨らませてみていたら、変身ゾーンでぱかーん!とツヨシが縦に二つに割れました・・・。がーん。ツヨシを割るな~。

残念ながら地区予選で敗れたものの、エキシビジョンで呼ばれたのが小山高専のザウルス君。恐竜の骨ロボットなのですが、見た目もよく出来てるし、食事をしてしゃべるところとか、キャラクターまで出来上がっててすばらしかった。「イチゴ、おいし~」って、とちおとめ?

1回戦は13試合行われました。最後の岐阜高専が、対戦相手がいなかったのですが、なんとアシモが反対ゾーンに登場して会場をわかせました。岐阜高専の二足歩行ロボ「ZiN」はまさにアシモに憧れ、アシモを目指して作られた正統派ヒューマノイド型ロボ。アシモの登場に生徒も感激。コントロールもマスタースレーブを使うなど、より人間に近い形を目指したそうです。大きいのに動きも安定していて、技術的にすごいんだろうと素人ながらに思いました。岐阜高専は技術賞とマブチモーターの特別賞を受賞していました。

 
ちなみにアシモは会場の人たちと体操をしたり、判定をしたり、特別賞の発表をしたりと、今年の高専ロボコンはえらく活躍してましたよ。子供の人気がすごかった。

決勝トーナメントは、1回戦の上位8チームで行われました。1回戦ではゴールできないロボットもいたのですが、さすが決勝はスピード感あふれる試合が多かったように思います。焦って小さな失敗でも犯すと負けが確定・・・みたいな緊張感がありました。

決勝は、1回戦から圧倒的な強さを見せていた小山高専と、地区予選で最速のスピードをたたき出していたという沖縄高専の対決。あー。ここは結果は書かないほうがいいのかな(笑)。勝った方は38秒でゴールしたのですが、変身タイムが20秒なので、パイロン周りと二足歩行を18秒でクリアしたことになります。これは、他の試合を見るとわかるのですが、驚異的なタイムです。ぜひテレビでまた見たい。

そんなわけで、全試合が終わりました。途中や試合後は、エキシビジョンで審査員が選んだロボットや、子供の人気投票で選ばれたロボットのデモなんかもありました。太鼓とか歌とか、妙なショーが無い代わりにロボットのデモが多いのは、まぁ、うれしいかも。

最後は表彰式。優勝と準優勝はすでに順番どおりなのですが、高専ロボコンの面白さはその他の賞です。だって勝敗関係ないんだもん。アイデア賞「鹿児島高専」、技術賞「岐阜高専」、デザイン賞「大分高専」、生命大進化賞「阿南高専」。そして特別賞として各企業の賞が発表されました。

そして最後は高専ロボコン一番の名誉「ロボコン大賞」。

今年は・・・津山高専でした!おめでとう!

津山高専のロボット「キカイタイソウ」は、その名の通り器械体操ができるロボット。大車輪、二足歩行、三点倒立→ブリッジ→起き上がりといったパフォーマンスをしました。大車輪は本当に迫力ありました。1回戦は突破できなかったものの、子供の人気投票で4分の1以上の票を得て、エキシビジョンで会場をわかせてました。恐らくロボコン大賞はテレビ放送でも出るので、ぜひ12月の放送を観てみてください。

今年も存分に楽しみました。まさに「アイデア対決」の名にふさわしい、学生のアイデアがたくさんつまった大会です。来年の地区予選大会はどこだろう。来年こそ予選から見たいな~!

(※「めじろ」は「めじろん」の間違いでした。修正いたしました。12/11)

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