映画「ブタがいた教室」
今日は辰巳に行ったので、それなら豊洲にも行きましょ…と、衝動的に映画を見てきました。意図せず今日は初日。しかも映画の日で1,000円で素敵でした。
さてさて。東京国際映画祭での受賞で話題になった「ブタがいた教室」を見てきました。主演は妻夫木くん。小学校でブタを育て、それを食べる、食べないで議論し、食に対する実践教育を行ったという大阪の実話を元にしているそうです。私は同様の話を牛ヴァージョンでNHK教育でドキュメンタリーとしてみた記憶があるのですが、似たような話が多いのか、勘違いか。
以下、感想はネタばれ含みます。
イマイチでした。ネタはいいと思うのですが、うまく料理できてない気がしてもどかしかったです。
まず、出演者というかキャラクターですが、全員存在感が薄い。それぞれに個性を持たせてるのですが、平凡な設定であまり印象に残りませんでした。一番重要な妻夫木くん演じる星先生ですら、どういう人物なのかよくわからないままでした。
あと、中途半端な演出がリアリティを損ねてました。これは好みなのかなぁと思うのですが、こういうヒューマンなドラマは、やるなら生々しくやってほしいのに、中途半端に笑いを取ろうとしたり、絵を作ろうとしている感があって、テレビドラマっぽくなってました。
嬉しいことも、悲しいことも、起きる事件も、どこかわかりやす過ぎる。現実は、出来事も、人の感情ももっと複雑なはず。それらがすべて単純化されていたように見えたのが私には残念。
唯一心に残ったのは、沖縄料理店を営む生徒の父親の言葉。厨房に立ちながら、子どものとき、飼っていた豚を親たちが処分したのを鬼だと思ったという話をします。でも、豚はおいしく料理され、骨も肥料として畑に撒かれ、一切無駄にされなかった。…命をいただくということ。いただくからには無駄にせず大切にいただくということを、短い言葉できちんと子どもに伝えている印象的なシーンでした。
そんなわけで、ちょっと期待はずれでした。ただ、子ども向けにはいいかも。伝わりやすい構成で感情も抑えてるし。実際小学生くらいの親子連れが多かったのが印象的でした。