映画「コレラの時代の愛」

   

映画「コレラの時代の愛」をDVDで見ました。コロンビアのノーベル賞作家ガルシア・マルケスの作品を映画化したものです。コロンビアの先生から「とにかく原作は素晴らしい」と聞いていて、本は持っています。ただ、マルケスの本は読みづらいというのを小耳にはさんだら怖気づいてまだ一行も読んでませんが…。そんなわけで、先に映画を見ることにしたのでした。

舞台は19世紀のコロンビアで、電報屋のフロレンティーノは、裕福な家の娘フェルミーナと恋に落ちる。しかしフェルミ―ナの父親に結婚を反対され、さらに医師のフベナルの登場により二人は結ばれない。フェルミーナはフベナルと結婚し家庭を作るが、フロレンティーノは彼女を思い続け、フナベルが死ぬその日を待ち続ける。

…という恋愛物語です。私はこの筋と、19世紀のコロンビアという舞台から勝手に作品のイメージを脳内に作り上げていたのですが、映画はかなり違っていて面喰いました。まず、スペイン語じゃなくて英語なのにがっくりしました。

プロダクション・ノートにも書いてあったのですが、原作者のマルケスは当初、自分の小説が英語で映画になることを渋っていたそうですが、ここはねばってスペイン語で通してほしかったです。なぜか街中の雑踏の会話だけスペイン語だったり、セニョール、セニョーラと呼びかけがスペイン語だったり、すごく変な感じでした。これまた南米の話なのに全編英語の「エビータ」以来の衝撃…。

また、愛という深淵なものを描こうとしている反面、全体的に軽い印象を受けてしまいました。フロレンティーノの女性関係はどこか浮ついた印象を受けるし、フェルミーナの結婚生活ももう少し心理面を掘り下げてほしかったです。(ケンカして旦那が迎えに来るシーンだけがよかった。)

アマゾンのレビューを見ていても、やはり原作の評価は高く、映画の評価はイマイチのようなので、映画としては残念な仕上がりだったのかもしれません。

ただ、主演の二人の演技はよかったです。スペイン系の映画を見ると出現率が高いハビエル・バルデムも、最初は濃くてお腹いっぱいだったのですが、演技力の高さに惹かれるようになってきました。あと、ママ役の女性をどこかで見たことある!と親しみがわいてたのですが、14年も前に映画館で見た「セントラル・ステーション」の女優さんでした。今作品でもとても人間味あふれる素敵な演技でした。

さて、元気があるときにぜひ原作にトライです。

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