日星の起業のしやすさと起業家精神について
1本前にコミュニティセンターの英語コースで書いたエッセイを載せました。日本語でも同テーマについて記事にします。
英語記事「Business Environment and Entrepreneurship in Japan」
(以下の本文中の参照元は上記の原文中にあります。)
今回エッセイのテーマは「起業」についてでした。私は生まれてこの方、起業に興味を持ったことが一度もないですし、身近にも起業家はいません。まるで別世界です。起業して、成功させて、そして従業員をはじめ関わる人たちを幸せにしている人は偉大だと思います。
そんな私には未知の世界の「起業」ですが、シンガポールでは日本に比べて敷居が低いとよく聞きます。調べてみたところ、世界銀行が毎年出している「ビジネス環境の現状(The Doing Business)」という報告書によれば、昨年10月に発表された最新版でシンガポールの「起業のしやすさ(Starting a business)」は世界6位でした。
また、その他税制や、電力調達など合計10項目から算出した「 ビジネスのしやすい国ランキング(Ease of doing business ranking)」では、2位です。1位はニュージーランドですが、その前年度までの10年間、ずっとシンガポールが1位だったそうです。
一方日本の「起業のしやすさ」は89位……。手続きの数、日数、コスト、資本金の最低額の金額が項目にあり、それらを見ると他国との差、特にシンガポールとの差は歴然としています。総合でも日本は34位で、2020年までに先進国の中で3位以内に入るという安倍政権の目標までの道のりは険しいようです。
また、起業のための環境だけでなく、「起業家精神」についても調べてみました。こちらはアメリカのGlobal Entrepreneurship and Development Institute(GEDI)という団体が「グローバル起業家精神ランキング(The Global Entrepreneurship Index)」というものを出していました。
こちらはあいにく、トップ10は欧米+オーストラリアで占められており、アジアの最高位は16位の台湾。シンガポール24位、日本25位と、日本とシンガポールの差は大きくありませんでした。シンガポールってITを中心に、スタートアップが元気なイメージだったのですが、一部の現象なのでしょうか。
イメージにすぎませんが、成熟した今の日本で、積極的にリスクを取りに行く野心的な人は多くないだろうと想像します。そんな話を英語のクラスでしていたら、シンガポール人の先生曰く、シンガポールも同様で、リスクを取りたくない若者は多いだろうとのことです。それがこの順位に表れているのかしれません。シンガポールについては起業の環境は整っているわけですから、「起業家精神」を養うことで社会を活気づけるチャンスはありそうです。
さて、エッセイの結論は、世の中は変わっていくので次世代は違うかも、というちょっと情けない締め方をしました。私個人および周囲が起業に関心を払っていないので、「起業家精神を養う」にはどうすべきなのかも想像がつきません。一つだけ挙げるとしたら、リスクの取りやすさの改善です。失敗しても立ち直れるなら、挑戦する人も増えると思います。