うちは現地採用。いつ本帰国するのか……

   

シンガポール在留邦人で、出向(駐在)で来ている方々がシンガポールを離れるのは、主に以下の理由だと思います。

1. 日本へ帰任/スライド(他国へ移動)
2. 自ら会社を辞めて転職/リタイア
3. リストラなど会社都合の退職
4. ビザの更新ができなくなる

ネットで数字を見つけることはできませんでしたが、恐らくこの中で一番多いのは、1の帰任もしくはスライドでしょう。転職やリストラは無きにしも非ず、といった程度でしょうし、手当が厚い駐在待遇であればビザの心配はあまり要らないはずです。(本人の学歴、年齢に加え、会社のステータスが加味されるので、駐在員のビザ却下の可能性はゼロではありませんが。)

そんなわけで駐在の方は、自ら選択する「いつ帰国するか」ではなく、「いつ帰任だろう」という考え方なのではと想像しています。

一方、現地採用と呼ばれる、シンガポールにある企業に雇用されて働く人たちがシンガポールを離れる主な理由は、上記の2~4になると思われます。

グローバル企業なら本社や支店への転籍もあると思いますが、数で言えば少数ではないでしょうか。ですので、シンガポールを離れるとしたら2,3,4のどれかが理由になると考えています。

この中で、自らの意思に関わらないのが3のクビと4のビザ更新です。

解雇は雇用契約の内容、整理解雇はガイドラインに沿えば解雇しずらいということがないそうで、日本よりは一般的なようです。(ちなみに解雇についてはジェトロのHPがわかりやすかったです※)

また、ビザについてですが、この1月からシンガポールの就労ビザ取得の要件が厳しくなりました。更新については7月以降から新基準が適用になるようですが、このタイミングでビザが更新できず帰国する人は少なくないと思われます。

このような「クビ」と「ビザ」というリスクを背負いながらも、現地採用者には2の自ら転職することで帰国を選ぶ、という能動的な選択が、キャリアプランの中で大きな意味を持っています。

とにかく日本で働きたくないという消極的な理由で帰国しない人もいるでしょうし、目標のキャリアを積めたら凱旋帰国しよう、という意気込みの人もいるでしょう。いずれにしても、現地採用は自分でキャリアをデザインする必要があるわけです。

前置きがいたずらに長くなりましたが、ここからが本題です。

わが夫リサは後者の現地採用ですので、「いつ帰国するか」というのは一応、会社ではなく彼の選択です。

それはシンガポールに来る前からわかっていたことなので、来る前に話をし、とりあえず私たちの間で2年という話になりました。1年は短いですが、2年ならそれなりの実績を作れる、短すぎず長すぎない時間と思ったからです。加えて、諸事情で最低2年はいる必要がありました。

そして1年が過ぎ、2年目に入りました。私に「シンガポールに残りたい」という気持ちが芽生える気配はありません。しかし、リサが仕事を続けたいと思っている可能性があるので、帰国についてリサと具体的な話をし始めたいと思っていました。

そんな矢先の昨年末、リサはホーカー(屋台)の食事で食中毒になりました。医者に行くこともなく、家で二日ほど苦しんだ後、無事回復したのですが、その後突如、帰国に向けての詳細なスケジュールを作り始めたのです。

ホーカーで食べ物にあたってシンガポールが嫌になった……わけではなさそうです。リサはシンガポールで日本の何倍も忙しく働いてきたのですが、それが病を境に急に吹っ切れたというか、やることをやったらお終いにしようと思うに至ったようなのです。

私は突然のことに面喰いましたが、自然と2年で帰る方向に話が向かい始めたので、安心し、私自身のシンガポール卒業についても考え始めました。やり残したことはないかと思いを巡らしたり、年賀状の時期だったので、家族や知人に「今年の後半には本帰国予定」なんて宣言したりしていました。

が、話はこれで終わりませんでした。

年明けしばらくして、リサの会社である変化があったようです。それは、リサが今の仕事をもう少し続けてもいいと思うようなことだったらしく、ひるがえって今年帰国しなくてもいい、と言い始めました。

正確に言うと、私に判断を委ねたのです。私が帰りたいなら帰ってもいいし、残りたいなら仕事を続ける、と……。

それはないでしょ、と思いました。もちろん、私は帰りたいという気持ちが強いのですが、シンガポールに来たのはもともとリサの強い希望だったし、そのキャリアをどうしたいのかはリサの判断のはずです。私はリサがシンガポールで仕事を続けたいと強く思っているなら、それを邪魔したくはないくらいの気持ちはあります。

リサは仕事のことにあまり口出しされたくないので、普段からこういう話を突っ込むと曖昧にされてしまうのですが、帰国に関しては私も当事者です。

わが家は子どもがいないので、それに絡む条件などはないですし、私の仕事はパートなので、辞めるにあたっての懸念もあまりありません。

二人でもうしばらく真剣な議論を続ける必要がありそうです。

※解雇通知の留意点:シンガポール
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-001056.html
日本貿易振興機構(ジェトロ)

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