映画「ドットハック セカイの向こうに」
試写会が当たって映画「ドットハック セカイの向こうに」を見てきました。
「ドットハック」シリーズなるものがあって、ゲームや漫画やらですでに人気の作品だそうですが、今回初めて3DCGで映画化されたそうです。私はその辺の知識なしでこの作品を見ました。
2024年ごろの福岡・柳川が舞台。日本では「ザ・ワールド」というネットゲームが流行し、主人公のような中学生だけでなく大人も子供も夢中になっている。しかし、やがてその世界で故意にまかれたバグ・プログラムが暴走してしまう。ネット世界のバグはやがて実世界のネットワークも侵略し始め、選ばれた主人公の少女そらがそのバグに戦いを挑む…というお話です。
現実世界7割、ゲームの世界3割、という感じで、物語の一番メインの筋がゲームの世界で展開されつつも、現実世界を中心に描いているのが特徴でしょうか。女の子+男の子2人というドリカム状態で多少の恋愛もありだったり、家族や友達が話のキーになったり。
ただ、そんなこんなで全体的なイメージは
「(サマーウォーズ+時をかける少女)×0.7」
…という感じでした。ネットゲームとリアルの融合の戦いを描いた部分は「サマーウォーズ」っぽいし、恋愛部分は「時をかける少女」っぽい。×0.7というのは残念ながらちょっと物足りないという評価です。
いいところとイマイチなところが極端でした。前半は展開がかなりもたもたしていて、主人公がゲームを始めるまでが必要以上に長く感じました。キャラクターも(そらはかわいいけど)平凡だし、男子二人も目立たない印象。セリフやセリフ回しも重要なところでイマイチな点が多く感じ、正直なところ半分くらい見たところで「ハズレかな」と思ってしまいました。
一方で、音楽と絵はかなりよかったです。音楽は穏やかなBGMが効果的に使われていたし、絵は見とれるほどきれいでした。人物の表情はぎこちない点もありましたが、とにかく「ザ・ワールド」の世界が美しくて圧倒されます。日本のゲームの作画技術がふんだんに生かされている感じで、こんなゲームがあったら自分も夢中になるだろうなと思いました。
後半は、前半がちんたらしていただけに急な盛り上がりを見せてそれなりに楽しめます。…それでも「サマーウォーズ」の方が個人的にはしびれたかな…と世界観が類似しているだけに比べてしまいますけどね…。
こちらの映画、冒頭で紹介したように3DCGだそうですが、今日の試写会は2Dでした。絵はきれいだったので、3Dは期待できるかもしれません。絵を見るだけでも劇場で見る価値はあるかもなぁと思いました。