本「ハゲタカ2」&「レッドゾーン」
真山仁の「ハゲタカ」シリーズ第2弾、3弾を読みました。第2弾の「ハゲタカ2」はとっくの昔に読み終わっていたのですが、第3弾の「レッドゾーン」は単行本しか出ておらず、高くて手が出せませんでした。そしたら1と2を読んだ上司が「買ったよ」とのことで借りることができました!
「ハゲタカ」は一応完結していましたが、「ハゲタカ2」と「レッドゾーン」は一部ストーリーがつながっていて、かつ最後は「ハゲタカ」ともつながるような構成になっています。どの話もメインの企業買収劇はきちんと完結させている一方で、全3話が裏側でリンクしている構成はなかなか面白かったです。ハゲタカは経済小説ですが、よりサスペンス色やドラマ性が強くなっていて、そこに入れない人にはちょっとくさい仕上がりにはなってましたが。
「ハゲタカ2」ですが、上巻はカネボウ、下巻は富士通?らしい企業を題材にしてます。冒頭ショックな事件が起こるのですが、この謎解きは「レッドゾーン」に続きます。下巻最後の「To be continued」にはキーッってなりました(笑)。企業のあれこれは相変わらず面白いのですが、今回の見どころは「チーム鷲津」といったところでしょうか。追い詰められた鷲津の元に人が集まる模様はなかなか感動しました。(ちなみに私は豆タンク前島ちゃんが好き。)
「レッドゾーン」は、上下巻通して架空の自動車会社アカマが中国のファンドに狙われるという話でした。「ハゲタカ2」の謎を追う一方、ダイナミックに日本、中国、香港、アメリカを舞台にアカマ買収の話が展開します。一方で芝野が中小企業の再生に尽力するなど、いろいろ盛り込まれてたような印象もあります。(私は中国の登場人物が途中でよくわからなくなりました(笑))最後の10ページくらいで急激に話が片付いて行く様は爽快でしたが、シャーリーの存在意義とか、マジテックの行く末とか、すっきりしない部分もありました。ちなみにこの作品は映画化されましたが、ドラマ同様、話が全然違うといっても過言ではありません。
どちらにも共通して興味深かったのは、経営者の描き方です。私自身、あまり経営者というものに興味がないのですが、これらの作品はどちらも「かっこいい経営者」「かっこ悪い経営者」というのが極端に描かれています。極端すぎて嘘っぽいのですが、「かっこいい経営者」に素直に感動してしまう自分もいて、まぁ、こういう人もたまにはいるんだろうなぁと思いました。
「ハゲタカ」シリーズはとりあえずこれでおしまいですが、真山仁他の作品もまた読みたいっちゃ!(「レッドゾーン」に登場する謎の山口県赤間弁)…です。