本「ハゲタカ」

   

 NHKドラマ、そして映画にもなった「ハゲタカ」の原作を読みました。面白いとは聞いてましたが、本当に面白くて、残りページが少なくなると惜しくなるくらいでした。

読んで驚いたのが、原作とドラマで話が違うこと。キャラクターの基本的な設定くらいが同じで、ストーリーはまったく違うものでした。でもストーリーが違うからといって空気感や世界観は変わらないし、むしろ二倍楽しめた感じがしてお得感がありました。ドラマがよくできてたんだなぁと思います。


ドラマしか知らない人のために書いておくと、ドラマに出てくる栗山千明、松田龍平は原作には出てきません。また、鷲津の経歴も違うようです。ドラマでは二流大学を出て銀行に就職。その後アメリカに渡った設定になってますが、原作の鷲津はなんとジャズピアニストを目指して渡米しています。金融の世界に足を踏み入れたのはその後です。芝野や飯島との関係も、ドラマと原作でかなり違いますが、それぞれ重要なキーになっています。(特に原作では鷲津と飯島の関係は非常に重要。)

あと、鷲津のプライベートな部分のキャラが違う。ものすごい切れ者なのは同じですが、原作の鷲津はキザで女好き。金髪の彼女が出てきます。なんとなくショック(笑)。ドラマでは栗山千明とさえくっつかなかったというのに。

・・・と、まぁ、ドラマから入ってしまうとどうしても違いを探してしまうのですが、原作は原作で面白いので比較は無意味かもしれません。というわけで以下は純粋な本の感想。

主人公鷲津は、ある事件をきっかけにプロのジャズピアニストの夢を諦め、ファンドマネジャーの道に進みます。そしてバブルが崩壊した日本に戻り、外資系ファンドマネジャーとして不良債権を次々と買い叩いてく。全編を通していくつかの買収劇が繰り広げられるのですが、個々の買収が進む一方、鷲津は日本でのある事件の真相を追い続けます。そこに、三葉銀行のエリート行員芝野や、役員の飯島が複雑に関わってきます。

個々の買収劇がそれぞれオムニバスのように起承転結があって読み応えがある一方、その裏でさらに大きな事件の解明がダイナミックに展開していきます。その構成が、ストーリー全体に厚みを持たせていてとても面白いです。

また、金融業界が舞台ですが、出てくる用語や手法はわかりやすく説明されていて、不勉強な私にも読みやすい。勉強にもなるかも。

さらに、興味深いのが、ネガティブに捉えられる「ハゲタカ」のイメージは一方的なもので、ファンドは「企業再生」というファンクションも持ち合わせているという主張が出てくる点です。ここは結構鷲津のキャラクターを捉える点でキモかもしれません。自らの放漫経営を棚に上げ、外資ファンドを批判する企業経営者の醜さも描かれるわけですが、それに対峙する鷲津は「死肉に群がるハゲタカ」ではなく、本当の意味で日本企業を救う存在なのではとさえ(時々)思いました。その辺も、バブル崩壊の背景についてイメージするヒント?になります。

ドラマ未見の人にもお勧めです。面白いですよ~。

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