本「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を読みました。村上春樹3作品目です。「ノルウェイの森」、「スプートニクの恋人」に続いて読んだら世界観の違いに結構びっくりました。上巻の半分くらいは「これは村上春樹の本?」と首をかしげながら読んだくらい。でも図書館の女性といい雰囲気になったあたりから村上春樹の本だと馴染んできた感じでした。
世界は、近未来を想像させる「ハードボイルド・ワンダーランド」と、ファンタジーの世界を感じさせる「世界の終わり」の2つが描かれます。この2つの一見まったく異なる世界と、異なる登場人物が交互に登場し、それぞれの世界でストーリーが展開します。
最初はこの構成に馴染めなくて、特に「世界の終わり」の方がまったりしてるのが読みづらかったです。(後から思うと「世界の終わり」の方が情景が豊かで美しい気もしましたが。ただやっぱり暗かったかな?)
やがてこのまったく異なる2つの世界が、強い結びつきを見せ始めるのですが、その展開が突飛で面白かったです。というか、前半の想像がいい意味で裏切られました。ただ、正直この2つの世界を結びつける理論はよくわからないというか、理解しようともしなかったのですが(笑)。
何をどう評価して良いのか難しいのですが、とりあえず面白い、というのと、登場するキャラクターがビビッドで素敵。そして散々読者を振り回しておきながら、ラストは非常に切なくてなんだか考えさせられるのが良いかな。
まだ3作品目ですが、特殊な作品を読んだ気分です。