ブック・レビュー
インプットしたらアウトプットすることを心がけてるのですが、本はなぜか映画よりおっくうになって記録を怠りがちです。とりあえず最近読んだ4冊の本について、自分のために簡単な感想残しておきたいと思います。貧乏性なので新書は古本で買いました。ネタとして古いのは見逃してください。数字が大きいほど面白かった本です。
1)西の魔女が死んだ(梨木香歩)
2)蟹工船(小林多喜二)
3)食い逃げされてもバイトは雇うな(山田真哉)
4)若者はなぜ3年で辞めるのか?(城繁幸)
1)西の魔女が死んだ:
映画になった本です。私は映画を先に見たために、映画の映像に想像力を邪魔されてつまらなかった・・・。主人公のおばあさんが、日本の山奥で古風なイギリス風の生活を営む風景がこの作品の美しさと特長一つだと思うのですが、いかんせん、映画がイマイチだったので最後の最後まで気持ちが盛り上がらないまま。オビのキャッチコピーによれば最後の3ページくらいが泣けるらしいです。映画を見ていない幸運な人は必ず原作を先に読んでください。
2)蟹工船:
ブームにのって読みました。ブームに乗り遅れたと思ったら、まだまだ売れているようですね。オホーツクの極寒の海で蟹をとり、缶詰に加工するのが蟹工船。そこでの過酷な労働と、労働者たちが蜂起するまでの話です。ワーキングプアと呼ばれる人たちを「現代の蟹工船」とたとえ、この本がブームになったと思うのですが、帝国主義の時代と変わらないような現代の実情に、日本の社会が退化しているのかなぁとあれこれ自分の想像と照らし合わせながら読みました。ここに何か答えがあるからブームになっているかと思ったのですが、違うようです。読み物としては興味深かったけど、ブームの背景が読みきれなかったのはちょっと消化不良。
3)食い逃げされてもバイトは雇うな:
「さおだけ」でブームを巻き起こした会計士・山田真哉氏の本。タイトルの付け方だけじゃなく、中の各章のコピーも、興味をぐいぐいっとひっぱる見事な出来です。ただ、なぜか前作の「さおだけ」ほど内容が頭に残らなかったです。一つ一つの話は面白いのですが、読み易すぎて右から左?そしてもう一度読みたい、とも思えない。・・・上下巻なのですが、下巻には食指が動きませんでした。
4)若者はなぜ3年で辞めるのか?:
ずいぶん前の本のような気がしてましたが、出版は2年ほど前でした。タイトルから勝手に「最近の若者は根性が無くて・・・」みたいな内容を想像していたのですが、全然違います。実際、このタイトルだけ聞いてそういう誤解をしている人はいるハズ。副題が「年功序列が奪う日本の未来」なのですが、この本は「若者批判」ではなく、「年功序列批判」の本なのです。就職時活動の際に若者に強いモチベーションやポテンシャルを求めておきながら、入社して待ちうけているのは年功序列の世界。そのギャップに若者たちが離れていくという意見が冒頭付近にあり、あとはひたすら年功序列の話がメインです。一応、ロスジェネ世代で若者のカテゴリに入る私なんかが読むと、自分の怠慢や無能さは横に置いておいて腹が立つやら残念やらです。非常にわかりやすく、興味深い内容なので、ロスジェネ世代で「年功序列」のテーマに興味のある方にはオススメ。続編の「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」も読みたいと思ってます。
ちなみにただいま「スカイ・クロラ」の原作を読んでます。かなりハマりそうな予感。