一年ちかく放置した水没スマホが「奇跡の復活」を遂げた話

   

今回はシンガポールにほとんど関係のない話です。ただ、シンガポール在住中に起きたことで、かつ同様の情報を当時私もネットで散々集めたので、私のケースを書き残しておきたいと思います。

自分でスマホのバッテリー交換をしました

自分でスマホのバッテリー交換をしました

一年前、初めてスマホを水没させる

一年前、初めてスマホを水没させてしまいました。正確には水没ではなく水濡れ程度なのですが、実害は水没とほぼ同程度だったので、以下分かりやすく水没と書きます。

事件は買い物中に起きました。飲みかけの水が入ったペットボトルとスマホを買い物バッグに入れていたのですが、ボトルの蓋の締まりが十分ではなく、気づいたらバッグの底に水が溜まっていたのです。運が悪かったのがそのバッグが撥水加工されたものだったので、水が外に漏れずにスマホがカバンの底で水に浸かっていたのでした。

スマホ水没情報サイトが異口同音に言っていることで、ご存知ない方は覚えておいた方がいいことがあります。

水没させたら電源を切り、そして絶対・再度電源を入れてはいけません。

専門家ではないのでここで詳しくは書きませんが、基盤が濡れた状態で電流を流すのが最悪らしいです。私はこの超初期対応を完全に誤り、再起動を試みたり、充電したりしてしまいました。結果、濡れた直後は見えていた画面が見えなくなってしまいました。

もちろん濡れに気づいた後はすぐに水を拭きました。しかし外で荷物も多かったのですぐに裏蓋を外すことはできず、そのまま帰宅。家で開いてみたところ、電池付近にも水滴がついており、水が中まで入っていたのがわかりました。

その後の症状は以下の通り。

  • 電源ボタン長押しでバイブするが画面は見えない(黒いまま)
  • PC接続すると機体は認識するが、中は見えない

取り出せずに痛かったのは写真や動画、そして家計簿のデータでした。このような事態に備えてバックアップを取ってなかった私は、しばらく呆然としました。


電池の交換は奏功せず。業者で一部データのサルベージは成功

藁にもすがる気持ちでネット検索しまくり、ドライヤーをあてたり、長時間温めたりしましたが、効果・変化はまったくなし。PCにつなぐと、反応はする(機体を認識する)ので、PCからスマホを操作できるという怪しいアプリの数々を試しかけましたが、幸か不幸かスマホが非対応機種だったので、これらは実行に至りませんでした。

ここまでで残された選択肢は、電池の交換、そして機体は諦めてデータだけサルベージするという2つでした。

電池(バッテリー)の交換

電池は、水没によってショートすることがあるそうです。そのため、電池の交換で直ったというケースがネットにありました。2年ちょっと使ったスマホだったので、電池の交換はやぶさかではありません。

ただ、水没したスマホは簡単に電池が交換できないタイプで、素人には大事(おおごと)でした。電池はもちろん、専用のドライバー類も必要です。とてもじゃないですがシンガポールのシムリムなんかで見つける自信がなかったので、タイミング良く日本出張された方に運搬をお願いし、日本の物を取り寄せました。(電池は手荷物、ドライバーは預け入れ荷物。)

早速分解し、電池を交換。大変な作業でしたが、丁寧に解説したサイトのおかげで無事交換ができました。なお、この分解時に「水没マーク」の状態の確認ができました。スマホ内には水にぬれると色が変わる紙が入っていて、それで水没かどうかを判定できるようです。幸い、私は水没反応は出てませんでした。が、壊れてるという現実は変わらないんですが……。

そして、電池を交換してもやはり起動しませんでした。(起動しているのかもしれないが、画面は真っ黒で操作不可能。)打つ手がなくなったので、泣く泣く機体は諦め、データのサルベージだけするという考えに転換しました。

復旧業者にデータのサルベージ依頼

これまたシンガポールで「信頼できる」業者を探す自信は皆無だったので、日本で探すことにしました。スマホの水没復旧やデータのサルベージを行う業者は、ネットで検索するとわんさか出てきます。

問題は技術と値段、そして信頼。正直、ネットのホームページの情報だけでそれらすべてを知るのは非常に困難です。なので何社か問い合わせて、メールの対応が一番よかった業者さんにお願いすることにしました。

シンガポールから日本の業者にお願いする場合、問題になるのは機体とデータの受け渡しです。

8月の下旬に水没させ、9月からデータ復旧業者を検討したわけですが、この時点で11月頭の一時帰国が決まっていたため、機体はシンガポールから送り、対応後に日本の実家に機体とデータを送ってもらうことにしました。

やりとりはすべてメールで行い、業者の指示通りに機体と復旧データを入れてもらうUSBを日本に送りました。スマホは電池が入った状態であれば、シンガポールから郵送が可能です。この時点ですでに10月半ばでしたが、11月の一時帰国まで納品データの確認ができないので、十分なスケジュールでした。

機体が業者に到着した後、作業の様子を順次メールでいただきました。診断の結果は、「故障が疑われる部品をすべて交換したが、バックライトが機能していない」とのことでした。状態が悪くなければ機体の復旧も期待したのですが、この回答は絶望的でした。PCにつなげて一部のデータの取り出しだけなら可能とのことで、それでよいのかの確認がありました。どうしても取り出したかったのは写真・動画と、家計簿のデータだったのですが、なぜか家計簿のデータは取り出し不可でした。

スマホ復旧は、結果に納得できないときに別の業者にセカンドオピニオンを求める人もいるそうです。私は物理的な距離があって機体をまた別の業者に送るのは難しかったので、諦めてデータの取り出しだけお願いしました。一番大事な写真と動画のデータを取り出してUSBに入れていただき、料金は12,800円でした。

USBのデータは11月の一時帰国時に内容を確認。戻ってきた機体は起動を試みてもやはり画面は黒いまま。私が送ったときと同じ状態でした。Slimport対応機種だったので、日本で専用ケーブルを購入し、TVへの接続(スマホの画面をTVに表示させること)も試みましたが、やはりダメでした。

ちなみに、スマホがない状態は日常生活に支障があったので、水没後すぐに新しい機体は購入しました。使っていたモデルの後継機がちょうど型落ちで安くなっていたので、あまり迷うことなくそれを選択。SIMフリーなので電話の移行はスムーズでした。


何気なく充電したら、なんと復活。しかし、またいつ壊れるかわからない

壊れた機体は処分するか、実家で保存してもよかったのですが、なんとなくシンガポールに持ち帰りました。もう直ることはないと思いつつ、この中に諦めづらいデータ(家計簿データ)があると思うと手元に置いておきたかったのです。せめて心の傷が癒えるまで……(泣)。そして、電子ガジェットやケーブルなどをしまっている棚に入れたまま、放置していました。

10か月ほど経ったつい2日前、この棚を整理しようと思い、入っているものを全部引っ張り出しました。そして、この壊れたスマホが出てきたので、いよいよ処分するかどうかの決断をくだそうと思ったのです。

が、その前に何の気なしに電源ケーブルにつなげてみました。その瞬間、ドキッとすることが起きたのです。バックライトが点灯し、充電マークが画面に現れたのでした。一瞬目を疑いましたが、間違いなく画面に大きく電池のアイコンが表示され、電気を充填するようなアニメーションを繰り返しています。

まさか……直った? と思いつつ、充電できても起動できないことはあるので、そのままフル充電させました。そしてしばらく後、充電が終わったのを確認し、電源ボタンを入れてみたところ……起動画面が現れました。

1年前の水没、その後のバッテリー交換や分解修理などがまるで無かったこととのように、普通に起動しました。起動後に恐る恐るいくつかの操作をしてみましたが、故障前と変わることなく快適に動作しました。

さんざんいじくって直らなかったスマホが、その後ただ・ただ放置しただけで直ったのです。

しばらく呆然としていましたが、「はっ」として取り出せなくて辛かった家計簿のデータを急いでUSBに移しました。さらに、その他にも取っておきたいデータはすべて吸い出しました。復旧業者のサイトによれば、一度でも水没させたスマホは、修理して直ったとしてもまた壊れる可能性があると書かれていたからです。

2日経った今もこのスマホは順調に動作しています。しかし、新しいスマホもあるので、この古いスマホはただネットサーフィンするだけなど、サブ機として使おうと思います。そして、メインのスマホでは写真・動画データや家計簿のデータなど、無くなって困るデータはクラウドに自動バックアップを取る設定をしました。

そんなわけで、水没で故障し、業者に修理してもらっても直らなかったスマホが放置していたら動いた、という話でした。私は自分がスマホを水没させるなんて想像したことがなく、何の手もうっていなかったためにだいぶ辛い思いをしました。皆さま、本当に大切なデータは、忘れずにバックアップの設定をしておきましょう。

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