夫のワークライフ・バランス in シンガポール
Happy National Day!
今日はシンガポールの独立記念日です。地元で所属してるサークルのWhatsappには、お祝いメッセージがガンガン届いています。
多民族のシンガポールは年中お祝い事がある国ですが、国としては今日が一番大切な日なのでしょう。次回の集まりに「赤い服を着てきてね」と言われましたが、持ってないので困っているところです(笑)。
さて、今日は祝日で私の仕事は休みですが、夫リサは自宅で仕事をしています。
シンガポールに来てからうちの夫リサはとても忙しくなりました。日本ではあまり残業することもなく帰宅し、有休も必要な時にそこそこ取得していたのですが、シンガポールでは帰宅後や休日に仕事をするのが当たり前になったし、有休もほとんどとれていません。さらに、海外出張が数少ない祝日にバッティングすることが多いのに、その代休もありません。
日本の環境が恵まれていたのかもしれませんが、はたで見ていてちょっとかわいそうなくらい忙しく働いています。
シンガポールの日本人のワークライフ・バランス
日本の会社員の忙しさって、程度の差はあれ、みんな一定以上忙しいという印象を持っていました。それは残業の量や休日出勤とか、有休のとりやすさとかが、それほど大きく違わないということです。
それがシンガポールに来て驚いたのが、同じ日本人と言えど勤務先によってだいぶ差があるということです。日本と変わらない、むしろ日本より忙しくしている人がいる一方、残業はほぼゼロで、有休もすべて消化するのが当たり前という人たちもいます。
シンガポールには日系企業の他、シンガポールの会社であるローカル企業、それ以外の国の資本の外資の3種類があります。よく言われるのは日系企業は忙しくて給料が低い一方、ローカルと外資はゆるくて給料がいいということ。(ただ、ローカルと外資は成果に厳しく、結果が出せないとクビになりやすい。)
しかし、必ずしも日系が忙しいところばかりではなく、日系企業社員でも忙しい人とそうじゃない人の差が激しいと感じています。その話を交友関係が広い日本人の方にしたら、「自分もそう思ってた!」と言っていたので、あまりハズした意見でもないと思います。
シンガポール人のワークライフ・バランス
私はシンガポール人と働いていないので、リサの会社の話、人から見聞きした話になりますが、シンガポール人のワークライフ・バランスというもの会社によって差がある印象を持っています。
シンガポールでは、一定の収入以上の雇用者には残業代を出さない契約が可能です。なので「基本的に残業はしない」という考え方があるらしく、それを前提に成り立つ会社では誰もが定時になれば帰りますし、休日に仕事をすることもありません。有休もすべて消化します。
しかし、リサの会社はみんな忙しく働いています。帰宅してからの仕事や休日の仕事は、リサだけのことではありません。「週末にもメールが来る!」と嘆いていました。シンガポール人であろうが日本人であろうが、職務を果たすために懸命に働いているようです。
そして、日本独特の悪習と思っていた「飲みにケーション」は、ここシンガポールにも存在します。
東南アジアの労働環境ににゆったりしたイメージを持っている人もいると思いますが、少なくともシンガポールに関しては、日本以上に忙しい環境もあるということです。
なぜシンガポールに来たのか
シンガポールに来て、日本より仕事が楽になり、よりプライベートを楽しむようになった人たちがいます。一方でわが夫リサのように、日本より忙しくなってプライベートがないような人たちもいます。
当初は、プライベートを充実させてるご家族の話を聞くと、正直うらやましいと思っていました。リサは休みが取れないだけでなく、週末も平日の疲れで寝てばかりいて、日本で生活していたときより夫婦で外出したり、ただ話すだけの時間もぐっと減ってしまったからです。
ただ、ほどなくして考え方が変わりました。
シンガポールに何しに来たって、
シンガポールに働きに来たんだよね
という、当たり前のことに気づいたのです。
シンガポールの職場は忙しい、忙しくないの差が激しく見える、と書きましたが、そういった意味で、ワークライフ・バランスの点での職場の選択肢の幅は、日本より広く見えます。自分の意思で来た現地採用者は勿論、駐在員の人たちだって、転職と言う形で職場を選ぶことはできます(待遇を考えれば、駐在から現地採用への切り替えは踏み切れない人も多いと思いますが……)。なので、リサだって、本当に今の環境が辛ければ、もう少し楽な職場を選ぶことも不可能ではありません。
しかし、リサは、シンガポールに働きに来たのです。楽な環境を求めたり、周辺国を旅行するために来たわけではありません。
その目的に立ち返れば、大事なことは今目の前の仕事を頑張ってもらうことです。そして、その経験を日本に持ち帰って今後のキャリアに生かすことがシンガポール生活の目的なのでした。
……なんだか自分のことのように語ってしまいましたが、リサ自身は当然理解していることと思います。ただ、私も基本に立ち返って今ここにいる理由を思い出したら、日々のつまらない不満が解消されました。
もちろん、体を壊すまでは働いて欲しくはないし、リサもそれはわかっています。
私たちはあともう少し、シンガポール生活を頑張ります。