"大地の子"を育てて
NHKの「"大地の子"を育てて」という番組を見て、涙でずびずびになりました。
年老いた中国残留日本人孤児の養父母や、その子供のドキュメンタリーなのですが、あまりに辛い現実にとても切なくなりました。
日本に永住帰国した残留孤児の6割は、生活保護で暮らしているそうです。言葉もままならず、年をとった人たちは仕事も見つからず、日本での生活に苦労されているそうです。一方で中国に残された彼らの養父母もまた、帰国してしまった子供になかなか会えずに寂しい生活を送っているとのこと。番組に出ていた方は経済的にも非常に苦労されてました。
ある養母は、日本兵にお腹を蹴られて流産し、子供を産めない体になったにも関わらず、捨てられていた日本の子供を救い、差別や偏見から守りながらその子を育てました。また、ある養母は生後4ヶ月の捨てられた赤子を見捨てられずに救い出し、その数日後に夫が日本兵に殺されたにも関わらず、その子を育て上げました。
その親子の絆は、まさに実の親子以上だと思います。
それが、孤児たちの帰国によって絶たれてしまった皮肉さ。
生活に苦しい孤児の方たちは、中国への渡航もままならないそうです。人の何倍も苦労して自分を育ててくれた、養父母の最期を看取ることも難しいかもしれません。
番組には「中日友好楼」という残留孤児の養父母のために建てられたアパートが出ていましたが、これはある日本人が個人的に建てたものだそうです。しかし、その人が亡くなって寄付が途絶えてからは、家賃や光熱費などの請求額が上がり、年老いた養父母たちはその支払いもままならない様子。・・・一体日本のODAはどこに行っちゃってるのだろう?どうして公的な支援ができないんだろう?と非常にもどかしい。
歴史は巻き戻せないし、自分の人生も変えられないでしょう。だからこそ、今できることを何かできないものかと強く思いました。