映画「リオ2096 Uma Historia de Amor e Furia」

   

ラテンビート映画祭で「リオ2096 Uma Historia de Amor e Furia」を見てきました。2013年のブラジル映画です。始まって早々「アニメ―!」と驚いてしまいました。アニメだったのか。そんなことも調べずに都合のいい時間で選んだ作品だったのですが。

ブラジルの先住民の民族の戦士が、神から選ばれし者として600年転生を繰り返しながら戦い続ける。男は常に弱者の立場から悪の支配者に対して戦い続ける者として生まれかわり、そして同じく転生を繰り返す愛する妻ジャナイーナを追い求めながら彼女と共に戦う。戦いはいつも悲しい結末を迎え、疲れた男は2096年に転生した時に戦いをやめようと思うが、ジャナイーナは戦い続けていた…というお話。

アニメとしての質はいいのかどうかよくわかりません。日本のアニメとは違うし、絵柄はアメリカっぽいですが、人物の動きや構図はまたアメリカとも違う印象でした。かといって南米っぽいかと言えばそうでもないような…(南米アニメ知りませんけど…)。全体的に話も絵柄も暗いので好きとは言い難いです。

興味が持てたのはブラジルの歴史を少し描いていたこと。主人公が生まれ変わる舞台はすべて今のブラジルのリオなのですが、最初はポルトガル入植時代なので、まだリオと言う町もなく、小さな部族の集落が点在していたような描写でした。次の転生の時代にリオができ、3度目には軍事政権時代になります。ブラジルに限らず中南米の歴史に私は疎いので、時代描写だけで興味がわきました。ただ、話は時代より人物が中心で、それぞれの社会全体の様子が丁寧には描かれていなかったのは個人的に残念でした。

男のジャナイーナに対する深い愛だけはよく伝わってきて、それは「愛と怒りの物語」というタイトルに沿ったものでしたが、私はやはり弱者の立場からの怒り、その背景にある社会の矛盾についてもう少し描いてくれたらなぁと思いました。

ちなみにアヌシー国際アニメーション映画祭という大きいアニメーションの映画祭で大賞をとってるそうです。注目していた日本の方もいるみたいですが、日本で上映するかなぁ。

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