映画「おおかみこどもの雨と雪」(鑑賞日:8/16)
映画「おおかみこどもの雨と雪」を見てきました。「時をかける少女」も「サマーウォーズ」も好きだったので、細田守監督の作品だから見に行ったという感じです。ただ、以前からチェックしていたわけでもなく、上映中の映画を調べててたまたま目に止まったという感じですが。そんなわけで、予備知識ほぼゼロで鑑賞しました。先入観が無かったのがなかなかよかったように思います。
主人公の大学生の花が狼男の彼と恋に落ちて19歳で二人の子供(姉の雪、弟の雨)を産み、やがて彼を失って一人で二人の「おおかみこども」を育てるお話。前半は花の人生に焦点が当たっているのですが、やがて子供が成長し、それぞれの人生を歩み始めると子供たちのお話に変わっていくような感じがしました。
最初、とにかく面喰ったのが花の過酷な運命です。もともと苦学生だったのに、二人の子供の未婚の母となる彼女。さらに「おおかみこども」という普通とはちがう子育ての苦労を強いられるのです。母の強さというのは素敵な視点だったのですが、過酷すぎてちょっと嘘っぽい感じがしてしまうくらいでした。
子どもの雪と雨の二人の心の変化は繊細な部分を自然に描いている感じがしました。特に雪の思春期の心の揺れ方とか、切なくてかわいらしくて、こちらまでドキドキしました。最初から最後まで、飽きることなく見ることができ、最後はさわやかな感動が残る作品でした。
前回のサマーウォーズもそうでしたが、田舎の自然が美しく描かれています。そういう画面を見ているだけで落ち着く感じもしました。音楽も自然と心にそうようないい音楽だったように思います。
ただ、ちょっと気になったのが、(雪山のシーンとか)ダイナミックなシーンで急に画面がシンプルになり、雑っぽく見えてしまったのと、画面の切り替えが「ただ真っ黒」というのが何度かあって、唐突な印象を受けました。あれはああいう演出なのか、時間が足りなかったのか…。個人的な印象ですが。
でも、全体として、好きな作品になりました。私は強い女性に憧れるので、あの花の前半の姿はもう一度見たいなぁと思っています。