映画「ボルベール<帰郷>」

   

またまたアルモドバルです。「ボルベール<帰郷>」を見ました。この作品は先日見た「オール・アバウト・マイ・マザー」、昔観た「トーク・トゥー・ハー」と合わせて「女性賛歌三部作」と呼ばれる作品群の三作目だそうです。

「オール・アバウト・マイ・マザー」とは違い、今作品はストーリー展開も楽しめる内容でしたが、やはりそれ以上に人物描写にぐっとくる作品でした。女性ならではの強さ、愛情が、どうしてこうもストレートに表現できるのだろう、と本当に素直に感動しました。

映画を評価するとき、役者とか音楽とか絵とか要素を分けて捉えたりするのですが、アルモドバル監督の作品は音が寂しいな、と思ってました。ですが、余計な音は要らないということに気づきました。変な味付けは不要。素晴らしい脚本と、素晴らしい役者という素材を生かした作品作りをする人なのではと感じました。まさに余計な調味料を使わず素材だけで勝負するスペイン料理のような映画…。

ジャケットは、鮮やかな赤色とポピーを使ったデザインワークなのですが、それにふさわしい華やかさと強さを感じる作品です。決して何かの答えを見つけるお話ではないけれど、ただ、女性たちの強く生きる姿に少し涙が出て、そして見とれてしまうのでした。

ちなみにタイトルの「ボルベール」はタンゴの曲だそうで、中盤ペネロペ演じるライムンダが歌い上げるシーンがあります。涙がにじみ出る静かな感動的なシーンです。

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