本「フレディ・マーキュリーと私」
もったいなくて読み進められなかった「フレディ・マーキュリーと私」を、いつまでも読みかけで机に積んでおくのがなんだったので、ようやく今日読んでしまいました。
QUEENのフレディ・マーキュリーの最後の恋人ジム・ハットンが書いた、二人の愛に満ちた7年間の生活をつづった本です。淡々としつつも、このカップルが大スターと平凡な理容師の組み合わせであること、同性であること、フレディが病に冒されてやがて死を迎えるということから、中途半端な恋愛小説よりもずーっとドラマチックな本です。
この本はファンの間で評価が高いようですが、それはジムの人柄と、二人が本当に愛し合っていて、とても嫉妬を覚えるような内容ではなかったからだと思います。さらに、ジムが見聞きしたフレディの音楽活動の裏側や私生活が、事細かに書かれていて、特にリアルタイムのファンには興味深い内容なのだろうと思います。(暴露本、と言えば暴露本なのですが、ここにネガティブなニュアンスは無いです。)
感動して泣けるとあちこちでレビューを見ましたが、私もフレディの弱っていく姿や、それを切ない気持ちで見守るジムの気持ちには悲しくなったものの、泣くまではいかなかったです。それよりも、フレディ・マーキュリーという人物の個性的なキャラクターにやはり魅了されました。
フレディは面白いバースデーケーキが好きなのだそうですが、日本画のようなケーキとか、ガーデン・ロッジ(最期に住んでいた家)のケーキだけでなく、メアリーの誕生日に虎のケーキを出してる写真には笑いました。
また、飼い猫が行方不明になったと聞いた途端キレて、日本で苦労して探した火鉢を窓にぶつけて粉々にしたそうです。そしてその猫が見つかると、抱きしめて愛撫した挙句、ガミガミと猫に説教するとか…かわいすぎるでしょ(笑)。
大スターで、時にはキレてわがままを言ったりするけれど、とても繊細な天才。この本のメインテーマは二人の愛の物語だと思いつつも、フレディの個性に目がいくのでした。
ジムさんも去年亡くなったそうですが、二人は本当に出会えてよかったなと思います。フレディみたいな大スターとの恋愛は大変なこともいっぱいあったと思うけど、何度も「愛している」と言い交す二人の姿は素直にうらやましいと思えるのでした。