本「僕のなかの壊れていない部分」
「僕のなかの壊れていない部分」という小説を読みました。白石一文さんという方の作品なのですが、お名前を聞いたのは初めてです。当然、作品を読むのは初めて。
読み終わった後の率直な感想を書くと
「難しくてわかりませんでした。すみません。」
という感じですorz。
29歳の出版社に勤める主人公は、3人の女性と同時にそれぞれ違った形で関わり、一方で家には二人の若者を出入りさせる生活を送っている。それぞれの関わりの現在・過去を辿り、さらに主人公自身の過去までを振り返り、やがてそれぞれの結末を迎えるというお話です。
物語にはそれなりに起承転結があり、クライマックスは大きな展開を見せ、静かさと激しさを行き来するところに引き込まれます。しかし、思うにストーリーはこの本の言わんとするところを支える骨組みや材料に過ぎないような気がします。
テーマは、私の理解が間違ってなければ「死生観」であり、主人公の感情やその周囲の人の発する言葉や行動から感じるところを丁寧に拾って理解しいないと、この本の本当に意図するところがさっぱりわからなくなるのです。
死を意識せずに生は無い。そんなことを、どんな時に人は強く思うのでしょう?言葉じゃなくて、感情でそう感じる時です。私は…正直わかりません。それを「考えろ」と言われるのも辛いです。
私は、主人公より主人公の側にいる女性の一人、枝里子のセリフに何度も共感しました。しかし毎度、主人公がその枝里子の言葉を否定するような思いを語るのです。それがちょっと辛かったです。まるで自分が薄っぺらい人間だと言われたような気分でした。主人公が受け入れがたいものであっても、枝里子の行為を主人公が「面倒」と思ってしまう正直さが辛かったです。(そしてこんな感想を持つのはこの本の正しい読み方じゃない。きっと。)
評判がいい作品のようなので、私には読むタイミングじゃなかったなぁという気がしています。
ちなみにこの本、私の記憶が正しければ、失恋したときに読むお勧めの本としてネットで紹介されてました。失恋のレベルにもよりますが…この本は…私には難しかったです。一体どの辺が失恋にお勧めなんだ?!…考えが浅くてすんません。。