「ノルウェイの森」と理想のデート
今朝のNHKで、先日読んだ「ノルウェイの森」の映画化の話題が取り上げられていました。ちょうどシャワーを浴びててお風呂ラジオで音しか聞くことができなかったのですが、松山ケンイチ&菊池凛子のデートの風景を想像したりしました。(実際に放送で撮影風景の映像が使われたかはわかりません。)
「ノルウェイの森」はその主題自体にはそれほど深い関心は持ちませんでしたが、ワタナベと直子のデートが好きでした。直子が発症する前、二人が東京の街をひたすら歩くデートをするシーンがあります。二人は恋人同士と呼べない関係だったかもしれませんが、それでもいいデートだなぁなんてうらやましく読んでました。
歩くというのは、電車にも車にもバイクにも自転車にもない相手との距離感があります。近づくことも出来るし、離れることも出来る。目を合わせることも合わせないこともできる。好きな人とだったらきっと近づいて目を合わせて歩くでしょう。ちょっと会話につまったら距離をおくかもしれない。(「ノルウェイの森」ではワタナベと直子は距離をもってワタナベが後を追うように歩いた描写になってますが、それはそれで二人の複雑な距離が見て取れるシーンだったのだと思います。)
そして、一駅進むだけで個性が変わる東京という街が舞台であることも魅力的です。東京には歩き続ける楽しみがあるのです。私も以前、好きな人と夜中、東京の都心を延々と歩いたことがありました。10km以上歩いて疲れましたが、それ以上に楽しい時間でした。機会があればまたそういう延々と歩くようなデートをしたいし、それが理想のデートの一つです。
ちなみに、本の感想にも書きましたが、ワタナベがひたすら直子を思って直子に手紙を書き続けるのも素敵でした。メールの時代だからこそ、手書きの手紙が魅力的なのかもしれませんが、それでも手紙を書くのってパワーがいるし、愛情がなければ出来ないことというのは、書いてみればわかります。
まぁ、私の理想に価値があるとは思えませんが(笑)、多少でも面白いと思った人がいたら、ぜひ彼氏/彼女とひたすら東京を歩くデートを試してみてください。人通りが少ない道や、時間帯がいいです。あと、時には手書きの手紙を送ってみたりしてください。