第12回「文化庁メディア芸術祭」に行ってきました

   

毎年恒例の「文化庁メディア芸術祭」に行ってきました。会場は去年と同じ六本木の国立新美術館。私は写真美術館での展示の方が好きなんだけどなぁ。(カテゴリごとにフロアが分かれてて移動しやすい。)もしかするとここでの開催が定着してしまったのだろうか。


お昼ちょっと前に行ったらもう混み始めてたので、全体をさらっと見学。やっぱり朝一から来ないとダメですね。例年、漫画部門とweb作品、あとゲーム類(Wii)はここで見なくてもいい、と思ってるのでノー・チェック。しかし中村勇吾さんの作品は見るべきだったかなと帰宅後にやや後悔しました。

混んでて観られなかった作品もありますが、素敵だなぁとふるふる感動したのはアニメーション部門で大賞を受賞した「つみきのいえ」。水没し、今もなお水位が上がり続ける町でレンガを積み上げた家に住む一人の老人。ある日、水没した階下に落としてしまったパイプを取りに、潜水服に身を包んで階下に潜っていきます。階下にはかつて妻や娘と暮らした思い出が詰まっています。潜るごとに遠い記憶に遡り、妻と出会い、つつましくも幸せにあふれた二人の生活の始まりまで戻っていきます。


もう、涙腺爆発寸前の作品でした。明るい場所で上映されてたので泣くに泣けず、目と鼻を真っ赤にして必死に涙をこらえて観ました。帰りの電車で思い出し泣きしたくらい(笑)。絵柄も音楽もストーリーも素朴で特別感はないのですが、だからこそ、人の人としての幸せや切なさがじわ~っと伝わってくる作品でした。ぜひいろんな方に観ていただきたい素敵な作品でした。

その他面白かったもの。「Gyorol(ギョロル)」は携帯電話を釣竿にして釣りができるインスタレーション。壁には巨大な水槽、床にはいけすが写っています。観客はQRコードで携帯からwebにアクセスし、釣竿を手に入れます。名前を入れてゲームを開始すると、自分の名前の浮きが床のいけすに。数字ボタンで浮きを操作し、魚を釣ります。釣った魚は正面のスクリーンに名前付で表示されるというゲームです。簡単に釣れちゃうのはつまらなかったですが、仕組み自体は面白い。これ、工夫次第で面白いゲームが作れそうです。


不思議な感覚が面白かったのは「levelHead」。立体コードがついたブロックをカメラに向けると、正面の巨大スクリーンではコードが画像に変換されます。その画像では部屋に人がいて、ブロックを傾けると人が移動します。ブロックは面を変えるとスクリーンは違う映像が映り、人を移動させてゴールを目指すゲームです。手元のコードしか書いてないブロックがスクリーンでは違う映像が写って動くのが不思議で面白いです。


先端技術ショーケースは毎年、文科省とJSTが展示してる、先端技術とアートの融合作品展示。今年は私的にはイマイチだったなぁ。よくわからないし、アートとしてもぴんとこなかったです。こういうのって、好みだからねぇ。

エンターテインメント部門の大賞はヤマハの「TENORI-ON」でした。16×16のボタンがついた四角いボードで、音楽を作れる電子楽器。テレビで結構話題になったので知ってる人も多いかと。ちょっとやってみたら操作方法がわからなくてさっぱりでしたが、適当にボタンを押してたら適度に音が厚くなって面白かったです。音楽がわかる人にはもっと魅力的かも。音楽に関わる作品は他にもありました。


今日はざっと2時間程度でまわってしまいました。観てない作品もたくさん。(特に映像作品は見てたらキリがない。)メディア芸術祭を堪能するには体力と時間を用意しないとダメですね。

それにしても、なんでこのイベントは毎年毎年若いカップルが多いんだ!ねたみでヒガミもなんでもなく(笑)、ひたすら疑問です。他でモダンアートやメディアアート見てても、こんなにカップルばかりじゃないけどねぇ。どこぞのデート・マニュアルに書いてあるのかと疑ってしまうよ。

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