映画「フルメタル・ジャケット」

   

忘れもしない、落ち込んでいた2005年12月10日に、友達のたんばが「鉄の心を持つのだ!」と慰めのかわりに勧めてくれた映画がキューブリックの「フルメタル・ジャケット」。すぐに見るのがもったいない気がして保留にしているうちに心の傷も癒え、いつかまた心が折れそうなときに見ようと取っておいた作品でした。今、特別心がひどく折れているわけではないのですが、やはり「強い心」が欲しくてようやく見ました。

ベトナム戦争の話で、ストーリーは二部構成。前半は海兵隊新兵訓練所での厳しい訓練の話。後半はベトナムの戦地が舞台。ジョーカーという海兵隊員を主人公にして、前半と後半でつながりはあるのですが、かなりくっきり色と展開が違うような二部構成でした。

・・・ファンが多い有名な作品なので私がコメントするのが気が引けるのですが、以下、簡単な感想。

まず、なぜたんばが「鉄の心」を持つためにこの映画を勧めたかというと、前半に出てくる訓練所の鬼教官ハートマン軍曹のしごぎがすごいから(笑)。もう、汚い侮辱、侮蔑、下品な言葉の連続で、びっくりします。とにかく「お前らはうじ虫以下だ」からすべては始まるのです。訓練生は終始なじられっぱなし。つまり、肉体的だけでなく精神的にもムチ打ち続けるのです。やがてこの訓練で心を狂わせたパイルによって前半は衝撃のラストを迎えるのですが・・・。(パイル、すんごい怖いです。)

ネットで調べるとわかるのですが、ハートマン軍曹のファンは多いらしい。たんばが面白がっていた理由もよくわかる(笑)。あそこまで酷いスクリプトが書かれたことが驚異的ですが、実際あんな言葉が使われたりするのでしょうか。。

後半は、軍隊の記者になったジョーカーが戦地に赴き、やがて戦いに入っていく中でベトナム戦争やそこで戦う人たちを見て体感する展開。個性のある登場人物たちにより、ベトナム戦争と戦争に関わる人たちがぐりぐり描かれています。後半はもろに「戦争映画」を見ているような印象で、思うところは色々ありますが、これといって特筆することは無いです・・・。見ているほうも覚めない悪夢を見ているような気分でした。不快感や悲しみや理不尽と感じる思いや心を、こういう映画を通して得ることに意味あるんじゃないかなと思いました。

・・・というわけで、この映画で「鉄の心」が手に入れられたかというと、微妙です(笑)。ハートマン軍曹の活躍は前半だけで、後半まで全部見ると「戦争映画を見た」という印象が強く残ってしまうから。チャンスがあれば前半だけまた見てもいいかなと思うけど。

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