初・大衆演劇鑑賞
私は浅草の近くに住んでいるので、小さい頃から大衆演劇のポスターなど宣伝を目にすることは日常でした。ずーっとそれが生活の風景だったので全く気に留めてなかったのですが、最近メディアでよく見かけるようになり、急に「結局あれは何なの??」という疑問が心を支配していました。
そして先日、とうとう浅草大勝館にて初観劇を果たしました~!
かなり衝動的に劇場に赴いての観劇だったので、行った時はすでに公演が始まってました。花ザブ(花道の横の座布団席)しか空いていませんでしたが、端の席なので後から入るには好都合です。
大勝館、中に入るのも当然初めてだったのですが、かなりポップです(笑)。おばちゃん二人が仕切るアナログなチケット販売受付を背に階段を登ると、両脇にいきなりマッチョな「ヨンさま」の写真がズラリ。イヤー、ファン層が被っているとはいえ、劇団と関係はないのでは・・・。(もしくは関係者の個人的な趣味なのか・・・。)
そして、階段を登りきるとでっかい熊の剥製が立っています(笑)。
全然意味がわかりません。
会場整備係りと思われるおじいちゃんに連れられて、横の入り口から公演真っ最中の会場に入れてもらいました。真っ暗な中、ミラーボールがぐおんぐおん回り、質の悪いスピーカーから狂ったような音楽が大音量で流れています。しかし舞台ではきらびやかで素敵な踊りが・・・!
舞台は3部構成で、「踊り」→「劇」→「踊り」(途中に口上あり)という感じでした。
途中から入ったせいか、第1部はあっという間に終わりって休憩です。周囲を見渡すと、客の大半は60歳以上の女性と思われます。ですが、この公演は人気の「早乙女太一君」がゲスト出演予定(←私もこれが目的で来た)なので、結構若い女性もちらほらいました。
「劇」は江戸時代のヤクザの兄弟愛の話でした。内容がわかりやすく、コント的な要素もあって面白かったです。しかし大衆演劇は「お涙頂戴」が基本らしいので、感動的なキメ台詞のシーンでは前に座ってたおばあちゃんが「くぅうっ!」と泣き出してました。びっくりです(笑)。
第3部は、ひたすら踊りです。ポップスだか演歌だかわからない曲ががんがん流れ、ライトがディスコ(注:クラブじゃありません。)のごとくまわりまくり、役者さんが踊りまわります。もちろん静かで優美な曲で女形の踊りもあり、これはきれいでした。私は役者さんの香水の匂いまで伝わる席に座ってたので、すてきな香りの座長が花道に躍り出るたびにクラクラしてました。
あと、花道の近くでは、花道の終わりでお客がオヒネリを入れるところなんかよく見えました。(あれっていくらくらい包んでるんでしょうか。)プレゼントを渡すお客さんもいました。終演後、会場を出ると外では役者さんたちが総出でお客さんをお見送りします。このときプレゼントを渡したり、写真を撮るのもOKのようです。お話してるおばちゃんもたくさんいました。
・・・こんな風に、お客さんと役者さんの距離が近い、というのが大衆演劇の特長の一つらしいです。これはなんだか暖かくていいですねぇ。
若手が頑張っているらしいので、これからは今までと違った形で大衆演劇がブレイクする日が来るかもしれません。映画のような感覚でまた観に行っちゃうかもな。
来月、サブカル研の皆さんをご案内する予定です。