シンガポールで郊外に住むメリット・デメリット
わが家はシンガポール郊外に住んでいます。
シンガポールは国土が東京23区と同じくらいの大きさですから、郊外と言っても東京都下とは違うのでは? と思われるかもしれません。距離を比較するだけなら確かにそうなのですが、交通事情が違います。シンガポールには特急電車がなく、すべて各駅停車。さらに、電車は絶賛追加建築中ですが、まだまだ未整備な地域や行きづらい土地があるのです。
そんなわけで、私の通勤時間は往復2時間半です。おまけに早朝に出ても電車は座れません。もっと言うと、会社周辺の道路事情がすこぶる悪く、車に何度も怖い目にあわされてうんざりしています。バスでは列に割り込まれてイライラしたり、通勤が辛くて今の会社を辞めようと思ったことが本気で何度もありました。実際に今よりマシな地域の仕事に応募したこともありました。
郊外に住むデメリットはこの通勤だけでなく、プライベートでも同じです。東京で郊外在住だと車保有者も多いと思いますが、シンガポールの車はべらぼーに高いため、期間限定の外国人が自腹で持つことはあまりないと思います。タクシーは安価ですが、わが家の経済観念では足代わりに使うことはありません。
そうなれば、プライベートでも中心部から足が遠のきます。特に夜は可能な限り行きません。面白そうなセミナーやイベントなども、平日の夜に中心部で催される場合は、時間を理由に参加しません。飲み会や食事会もできるだけ避けたいです。(幸い、私も夫リサもそういう付き合いは滅多にありませんが。)
通勤が辛い、プライベートでは地元に引きこもり。これが今の郊外暮らしのデメリットかなと思っています。
一方、メリットもあります。
まず、家賃が安いです。もちろん郊外でも物件によって値段が異なるのは当然ですが、中心部と全然相場が違います。家賃自腹のわが家は、これが現在の場所を選んだ一番大きな理由です。
そして、あまりお金を使わなくてすみます。これはデメリットがメリットに転じるケースですが、中心部まで遊びに行くのが億劫だし、食品以外の買い物に行くこともあまりないので、物欲もわきづらいです。
最後に、日本人が少ないこと。うちの近所は日本人がかなり少ない地域だと思います。ごくまれに、コンド(マンション)のイベントで日本人らしき人をみかける程度で、普段の生活で触れ合うことがまずありません。コミュニティセンターの英語クラスでも、年明けから参加している地元のサークルでも、日本人は私一人です。
英語を話さざるを得ない環境はありがたいし、地元の生活にどっぷり浸ることで、シンガポールを知ることができるだけでなく、日本を客観的に見る視点が養われた気がします。今、自分がマイノリティであるという意識も、海外暮らしをしている以上、貴重な経験だと思っています。
……なんだか前半のデメリットが愚痴だらけでボリュームがありますが、天秤にかければ良くも悪くもないと思います。家賃やリサの通勤事情で今の場所に住むことはやむを得なかったのですが、特に地元の人たちと触れ合っているときは、この場所に住んでいて良かったと思えます。
ただ、通勤だけは本当に辛いので、本帰国後は住む場所や職場の場所に妥協したくないと強く思っているのでした。