<旅メモ>石川旅行(7/30:金沢)
最終日です。15時過ぎの電車で東京に帰ります。あまり時間がないので今日はプチっとターゲットを絞って行動。「金沢21世紀美術館」と「妙立寺」に行ってきました。
ホテルで朝食を済ませて早々にチェックアウト。大きな荷物は駅のロッカーに預け、観光バスの金沢周遊バス一日券を購入。15分ごとに出る金沢の中心部の観光地各所に止まるバスで、要所を効率よくまわるには便利です。まずは「金沢21世紀美術館」へ向かいました。途中、おととい豪雨で氾濫した浅野川を通ったのですが、いまだ水がにごっていてゴウゴウいっておりました。
ほぼ開館時間に到着。SANAAデザインのこの建物、高さは無いし、外側はガラス張りで威圧感がなく、その暖かい丸さは周囲の風景と自然と馴染む美しいフォルムです。庭も広く、一見のどかな公園のようでした。いいですねぇ。新しいものが違和感なく古い町に存在しています。建築はあまり興味もってなかったのですが、SANAAのデザインでは直島の海の駅もよかったです。
展示について調べないで来たので、まずはぐるっと館内を散策。建物が丸なので、方向音痴な私はすぐに東西南北がわからなくなる。仕方ないのでとりあえず無料展示を観て回りました。館内はいくつかのゾーンに分かれていて、作品展示がある場所と、ライブラリやシアター、ショップなど、展示はない場所があります。展示がある場所も、無料と有料、常設とテンポラリーの場所があります。館内は朝一だというのに、学童保育の小学生の集団や、地元民らしき集団でにぎやかです。
無料ゾーンでは、日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式 meets NODA [But-a-I]が開催中。ゲートがダンボールで装飾されています。私たちがちょろっと入ったら小学生が数人、入り口で「入って良いの?」と中を覗き込んでるので、「無料だよ」と私が言ったら一気に大量の小学生が雪崩込んできました。思わず先生でもないのに入り口で入場整備。どかどかと会場を回り、わーぎゃーと騒いでさっと帰っていく人たち(笑)。しかし、この展示の仕掛けはお客さんが多い方が面白いので、意外な形で展示を楽しめました。ありがとう、キッズよ。仕掛けの内容は秘密です。
そのほか無料ゾーンには、コミッションワークと呼ばれる建物と一体化した常設展示もあります。アニッシュ・カプーアの「世界の起源」は、哲学的な作品。暗闇に浮かぶ楕円が正円に見えたとき、ぐっと引き込まれる力を持った作品でした。そして、再会がうれしいジェームス・タレルの作品も!直島の地中美術館で見た「オープンスカイ」と似た作品「ブルー・プラネット・スカイ」。空と部屋との間のエッジがドキッとするくらいシャープです。美しく切り取られた空を見上げてきました。本当はもう少し陽が落ちてから見てみたかったな。テレビで有名になったレアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」は、外からは無料ですが、中に入るには有料ゾーンへ入る必要があります。
この日の有料展示は「ロン・ミュエック」展。せっかくの機会なので入りました。ロン・ミュエックは映画やテレビ向けの模型を作ってきたオーストラリア生まれの作家。緻密な模型を大胆なサイズ変換と描写で、模型を現代アートに昇華させた作品群は圧巻でした。リアリティだけじゃ片付けられないこの迫力はなんなのでしょう。部屋に入るたびに、胃が裏から押されるような衝撃を受けました。感動したので目録買おうか迷いましたが、写真で見るとつまらない。やめました。これは生で見られて本当に良かった。ぜひまた関東でも展覧会やって欲しい作家さんです。
続いて「スイミング・プール」の中へ。薄暗い通路が気分を盛り上げてくれます。水面が上にあるけれど、水の中ではないし、プールそのものだけど、プールの中にいるわけではない、不思議な感じ。トリッキーなアートを体感しました。
帰りはグッズコーナーであれこれ物色し、形がかわいいオリジナルマグカップを購入。現在愛用しています。石川県出身の若手人気写真家うめめちゃんの写真集なんかも置いてありました。
都内にあったら絶対通うだろうなぁというこのステキな「金沢21世紀美術館」を後にし、次に向かったのは忍者寺と呼ばれる「妙立寺」。以前はマニアックな観光スポットだったように思いましたが、いまじゃ定番でしょうか。日蓮宗のお寺で、忍者とは関係のないお寺なのですが、その複雑な建築構造、敵から藩主を守るためのさまざまな仕掛けから、忍者寺と呼ばれるようになったそうです。いわゆる作られたからくり屋敷ではなく、明確な目的と歴史を背景にもった由緒あるお寺です。ちなみに私は二度目。
バスで犀川大橋のほとりまで行き、そこから徒歩10分くらい。見学はツアー形式で、予約が必要です。(空いていればその場で加われます。)入り口や正面から見た印象はこじんまり。しかし、中は何がなんだかわからないくら複雑で、妙な奥行きを感じます。高さもそれほどないように見えるけど、4階建て7層もあるとか。今自分が何階にいるのかわからなくなります。・・・二回目だったので初めてのときほどの驚きや興味をひかれるものはありませんでしたが、やっぱり面白い。行ったことない方には金沢の観光スポットとしておすすめです。
さて、お寺を出たところで、初日に一緒だったHJのおばさんと再び合流。この妙立寺のご近所にお住まいなのです。電車が出るまでの時間、一緒に食事をということになったらしい。タクシーでニューグランドホテルに移動し、そこでお昼をいただきました。母とHJのおばさん、またまたしゃべる、しゃべる。女子高生のごとく、延々としゃべり続けております。仲が良いですねぇ。ちなみにランチデザートのシャーベットは、トマトとバナナというやや新鮮な組み合わせでした。
電車の時間が近づき、金沢駅に移動。母親が、かまぼこなど要冷蔵で出発前に買おうと思ったお土産を追加購入です。私は山下ミツ商店の豆腐ソフトクリーム「ミツのソフト」をいただきました。渡されるとき「醤油をかけますか?」と聞かれてびっくりして断ってしまったのですが、食べて納得。このソフトクリーム、すっごく豆腐なのです。豆腐をソフトクリームの形状にしたような、食べたことのないソフトリームでした。しまった。醤油かけてもらえばよかった~。また金沢に来る機会があったらリベンジしたいです。
そんなこんなで帰りの電車の時間になりました。HJのおばさんは最後まで見送ってくれました。約4時間30分、延々と電車に乗って上野に帰ってまいりました。
旅の大半は観光というより親戚めぐりみたいな感じでしたが、それはそれで楽しかったです。