娘ヨーちゃんのひな人形選び ~原孝洲さんのおひな様にしました

   

娘ヨーちゃん、近日離乳食を始めます。

離乳食開始の目安と言われる「大人が食べている姿への関心」、「よだれ」はどちらも結構前から見せていたのですが、いかんせん首がすわっていなかったので、首すわりを待っていました。

そしてその首すわりができてきたようなので、保健所の離乳食講座に行ったり、道具を揃えたりと、開始日に向けて準備中です。

過去にも何度かブログに書いていますが、私は料理がかなり苦手です。気合を入れすぎると嫌になるのが目に見えているので、「しっかりやりつつ、手を抜く」をモットーに、冷凍ものやベビーフードの活用をガンガンしていくつもりです。離乳食についてはおいおいまとめられたらと思います。

さて、前回記事の冒頭でご報告したように、ヨーちゃんの初節句に向けてひな人形を買ってもらいました

行事に疎い私はぼんやりしていたのですが、年末ごろから母に「あんた、ひな人形どうするのよ!」とせっつかれていました。

何をどう始めようと思っていたところ、母の行きつけのデパートのひな人形展示会が年明け早々からだったので、正月休みの夫にヨーちゃんを託し、まずは母と二人デパートに足を運びました。

今回はデパート1回と、作家さんのお店1回、そして浅草橋を3往復してお人形を決めるまでのお話です。

なお、人形知識皆無の私が2週間ほどで詰め込んだ知識を元に書いており、詳しい方から見ると稚拙な説明についてはご容赦ください。体験談としてお読みいただけたら嬉しいです。

予備知識皆無から始まったが、まずは「大きさ」

関心が低いと、ネットでの情報収集も的を射たものがでてこないものです。デパートに行った際、予備知識は皆無でした。

実際にお人形を見ながら店員さんにお話をうかがっているうちに、判断基準も出てくると考え、まずは実物を見ることにしました。あわよくば一目惚れして即決なんてこともあるかな、という甘い気持ちもありました。

ただ、そんな私にも、譲れない前提条件がありました。それは「大きさ」です。

狭くて小さい賃貸マンション暮らしのわが家、置き場所も収納場所も非常に限られています。お人形によっては、飾った状態より収納時のサイズがだいぶ大きくなる場合もあるらしく、間口(横幅)50くらいのものであることは譲れませんでした。

最近は私たちのようなニーズも高いらしく、小さなお飾りが増えているそうですが、間口50にするとだいぶ候補が絞られます。

そして、小さいものを選ぶ中で出てきた次の基準が「衣裳着と木目込み」でした。

美しく華やかな「衣裳着」、小さくてかわいい「木目込み」

ひな人形は大きく分けて「衣裳着」と「木目込み」の2種類があることを知りました。

お人形に衣裳を着せているのが「衣裳着」で、木の粉と粘土を固めたお人形に布を貼り付けているのが「木目込み」。あまり意識したことがなかったのですが、比べてみるとまったくテイストの異なるものでした。

「衣裳着」は布をきちんと重ねて着せているため、着物がとてもきれいなのが特徴かと思います。そのつくりから、比較的お人形が大きくなるそうです。

一方「木目込み」は、布を重ねているわけではないので、小さなものが作りやすいそうです。

なので、小さなものに絞って探すと、「木目込み」の方が種類は豊富に感じました。

人形のお顔と作家さん

「木目込み」の方が、種類が豊富とは言え、最終的に買うものは一つ。この時点で「衣裳着」であるか「木目込み」であるかは判断基準になりませんでした。

ただ、母は「衣裳着」がいいと思っていたようです。というのも、自分が親に(子どもの)ひな人形を買ってもらった際、自分で選ぶことなく「木目込み」が贈られたそうで、「衣裳着」に憧れがあったようなのです。子どもだった私は、その木目込みおひな様をかわいいと思っていましたけどね。

そんな母の思いを意識しつつ、次に注目したのは「お顔」です。

ひな人形選びはまず顔から、という方も多いかもしれません。某大手販売店さんのキャッチコピーのように、お人形はやはり顔が命。私も大きさに制限がなければ顔から選んでいたと思います。

お顔は本当にさまざまで、京風やら関東風やら、そのほか専門的な区分けもあると思うのですが、私的な印象でざっくり分ければ「大人の顔」と「子どもの顔(おぼこ顔)」の2種類でした。

あるお店の方曰く、おぼこ顔は比較的最近出てきたもので、全体としてはまだ大人の顔のお人形の方が多いそうです。

どちらがいいかというのは、完全に好みなのですが、私は最初からおぼこ顔に惹かれおり、一方母は大人の顔がいいと思っていたようです。

そして、私はここまできてようやく、作家さんを意識するようになりました。

素人にはいまだよく分からないのですが、人形は基本分業で作っているそうです。顔、髪の毛、着物、布、舞台や小物などなど、すべて別の方が作っていることもあるし、一人の方がだいたい作っている(プロデュースしている?)場合もあるとか。

人形師と言うのは最後の着付けの工程を担う人のことらしいですが、そのあたりは作家さんによって異なるようです。例えば、知り合いの方が横山一彦さんのお人形を選んだと聞いたので、工房1階にあるギャラリーにお邪魔したのですが、横山さんはお人形に衣裳を着せていく有名作家さんであり、お顔やその他は他の方が作ったものだそうです。

作家さんが何をしているかは個々に違えど、たくさん見ているとだんだんと自分の好みの作風と言うのが見えてきます。私はやはり幼いおぼこ顔が好きで、真多呂さん、幸一光さんがいいなと感じ、ふらここさんも面白いと思いました。

ただ、この時点で特定の作家さんに強いこだわりがあったわけではなく、私は作家さんをお人形のカテゴリー分け程度に捉えていました。

数見て出会いを探し、原孝洲さんに惹かれる

デパートではすぐに決められるようなお人形には出会えませんでした。

ただ、上記のようになんとなく基準となる情報が集まったので、翌日思い切って一人で浅草橋まで足を伸ばしました。浅草橋は人形店が集まる街で、恐らく東京で一番多くのひな人形を見られる場所です。

ビルを構える大きいお店から、雑居ビルのワンフロアにある小さなお店まで様々ありましたが、(ヨーちゃんを夫に預けており)早く帰りたかったので、大手のお店2軒に入りました。

品ぞろえが豊富なお店でも、やはり大きさが間口50cmとなると商品がかなり絞られました。あれこれ見て回る必要がなく、楽と言えば楽でしたが。ただ、候補はいくつかありましたが、まだ決心には至りませんでした。

そして2軒見た後に何気なく入ったのが、原孝洲さんのお店。

デパートにも、すでにまわった2軒のお店にも、原孝洲さんのお人形は無かったのですが、原孝洲さんのお名前と作品はネットで目にしていました。木目込み人形の作品は、モダンでお洒落。特に小さな商品が多かったので、サイズの観点からも興味はありました。ただ、写真からはそれほど惹かれるものはありませんでした。

原孝洲さんのお店は、1階は主に清水久遊さんなどの他の作家さんの衣裳着人形が飾られていました。原さんの作品を見たいと店員の方に伝えたところ、2階に案内していただきました。

そして2階は原孝洲さんの作品のみがズラリと並んでいます。手前の方から奥にかけてだんだんと大きな作品になるような並べ方なのですが、私は部屋の入り口付近ですでに固まってしまいました。

か、かわいい……。

理屈じゃない魅力を感じました。相性というか、完全に好みなのかと思うのですが、初めてひな人形にときめいた感じがしました。

写真で見たとき、あまりお顔に魅力を感じなかったのですが、実物を見たらかなり違う印象を受けました。写真では少し渋い感じがしていたのですが、本物は、恐らくそのシルエット、フォルムも含めた雰囲気が大きく影響し、とてもかわいらしいのです。

この時点で原孝洲さんの作品が私の中で一番の候補に躍り出ました。

ただ、スポンサーである母、関心がなさそうだけれどヨーちゃんの父である夫の同意も得て決めたいと思い、お店を後にしました。

とにかくカワイイ原孝洲さんのおひな様
とにかくカワイイ原孝洲さんのおひな様

そして購入に至るまで

上記の時点でデパート1回、浅草橋1回の訪問だったのですが、この後さらに作家さんのお店1回、浅草橋を2回訪れています。

作家さんのお店とは、前述の横山一彦(富久月)さんのお店です。あまりアクセスが良くないのですが、近くに行く用事があったので、お邪魔してきました。

お店には、美しい衣裳着のお人形がズラリと並んでいます。店内がキラキラ眩しく感じるような華やかさです。原さんの木目込みに惹かれていたとはいえ、衣裳着のお人形を見ると、やはりその美しさがそれはそれでとても魅力的でした。

お店の方にはざっくばらんに説明いただき、お人形の知識が増えた気がいたします。

そのお話の中で興味深かったのはお顔の話。

私はおぼこ顔が好きなのですが、これが今の流行であって、10年、20年後にやはり大人顔がよかったと後悔しないか心配していました。しかし、実はこの現在の大人顔というのも時代の変遷の中で生まれた新しい顔であり、決して昔からのお顔というわけではないのです。なので、今、お子さんにいいと思える顔を選んでください、というアドバイスをいただきました。

もやっとしていた不安が払しょくされるようなお話でした。

横山さんにお店は当然衣裳着のお人形のみなのですが、比較的おぼこ顔のかわいらしいお人形が一体あり、候補として写真を撮らせていただき、お店を後にしました。

続いて、母と浅草橋に行ってきました。もらったカタログや撮った写真を事前に見せ、原さんの作品が一番気になっている旨も伝えました。しかし、やはり母は衣裳着+大人顔のお人形がいいらしく、「最後はあなたが決めなさい」と言いつつ、原さんの作品は興味がなかったようです。

2回目の浅草橋、3店舗+原さんのお店をまわりました。

母は最初、柴田家千代さんの収納飾りが気に入ったようでした。小さいながらも美しい親王飾りがあったのです。収納飾りなので、飾りやすいだけでなく収納もしやすく、その点は私にも魅力的でした。

早く決めたい母は、このお人形を見たとき、もう買うつもりだったようです。しかし、その後に原さんのお店に連れて行ったところ、気持ちが変わりました。(戦略的に原さんのお店訪問を後にしました。)私と同じように、実物を見たらかわいいと思ったようです。やはりお顔が、写真で見るよりずっと魅力的と感じたようでした。また、木目込みながらも衣裳の布にこだわっている点などの説明にも満足したようです。

ただ、柴田さんのお人形もやはり気になっていたようで、どちらかに決めなさいと言われました。それは私にとって、原さんのお人形を選ぶ許可を得たようなもので、この時点で私は原さんのお人形にほぼ決めていました。

この日の夜、夫にこれまで集めた情報や、経緯を改めて説明しました。夫は「こだわりはない」とは言いつつ、実は「衣裳着+大人顔」派。原さんの作品を選ぶことについて、購入前に夫にも納得してもらいたい気持ちがあり、最後は夫、私、ヨーちゃんの親子3人で浅草橋に赴くことになりました。

他のお店をまわることなく、原さんのお店のみに入りました。購入することを前提にしつつ、夫が実物を見て少しでも難色を示したら、もう一度だけ考えようと思いました。

前述のように、原さんのお店は1階に他の作家さんの衣裳着人形が並んでいます。夫はやはりそちらにまず目を奪われていたようでした。それは私も母も同じだったので心配には至らず。

そして、2階に上がった夫が最初に発した言葉は

「あ、かわいいじゃん」。

写真で見るよりずっとかわいい。……夫も同じ反応だったのでした。

まとめ

こうして、デパート1回、横山一彦さんのお店1回、浅草橋訪問3回を経て、とうとう原孝洲さんのおひな様を買いました。

母は予算と華やかさを理由に、5人飾りがいいと言っていたのですが、シンプルにお内裏様とおひな様だけの親王飾りにしました。部屋の狭さを考えると、わが家は小さな親王飾りで十分だと思います。もし寂しいと思っても、後から三人官女を買い足すこともできるそうです。

それにしても、おひな様選びは思いのほか大変でした。さすが伝統工芸品とあって歴史がある分、その魅力を理解するのに時間と手間がかかるし、今もよくわかりません。にもかかわらず、所持する期間や金額を考えたら簡単には決められないという状況に結構疲れました。

生まれ月からして購入に時間的余裕があるお父さんお母さんは、早めに調べて11月くらいから動いた方がいいと思います。(人気作品は年内に売り切れることもあるらしいので。)

あまり考えすぎず直感で決められれば良かったのかもしれません。でも、まぁ、自分なりにこだわったこともいい思い出になりそうです。

なお、もし原孝洲さんのお人形に多少でも興味がある方がいましたら、実物を見ることを強くお勧めします。取扱店が限られているようなのが残念ですが……。

おひな様は立春前には届く予定です。きれいに飾れたら写真を載せたいと思います。

参考URL

今回お世話になったお店のホームページのリンクを張っておきます。

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