ペリペリ・チキンって皮が「ぺリぺリ」だと思ってたけど違うのね@Nando's
シンガポールで一番消費されていると思われるお肉がチキンです。豚肉はムスリムの方がNGだし、牛肉はヒンドゥー教と一部の仏教の方々が禁忌なため、比較的多くの人が食べられるお肉がチキンなのです。そのせいか、チキンのお店が多い気がします。ファストフードのチェーンだけでも、ケンタッキー、テキサスチキン、ポパイズ、韓国系の4Fingersなどなどいくつか思いつきます。
そんなシンガポールのあちこちにあるグリル・チキンのレストランが「Nando's」。イギリスに本社を置くチェーンのレストランで、日本にはないものの、世界中あちこちに店舗があるため、検索をかけると日本語の情報もざくざく出てくるメジャーなお店のようです。このNando'sはぺリぺリ・チキンというグリル・チキンが看板商品でして、ジューシーでカリッとしてそうなチキンと、お洒落なサイド・ディッシュの写真にいつも目を奪われていました。
シンガポールに来たばかりの頃から気になっていて、夫リサに「行きたい」と言い続けていました。スルーされ続けてもう忘れてた昨日、「Nando's行きたいんでしょ?」と突如承認がおりたのです。二つ返事で行ってまいりました。
お店の雰囲気はちょっとお洒落なファミレスといった風情です。レストランと呼ぶほどかしこまってないのですが、ファミレスと呼ぶほどカジュアルな感じでもありません。ベンチシートはゆったりしているし、普通の椅子も座りやすそう。チキンを手づかみで食べた場合に汚れた手を洗う水道があるのも好感が持てました。そして、シンガポールにしては店内が静かで、落ち着いて食事ができました。スタッフの対応もきちんとしていたし、フレンドリーでよかったです。
メニューですが、ペリペリ・チキンと呼ばれるマリネしたチキンのグリルがメインです。その他、チキンを使ったラップやバーガーなどの関連メニューや、前菜、ポテトやサラダなどのサイド、そして飲み物とデザートがありました。ペリペリ・チキンは1/4、ハーフ、ホールの3サイズがあり、さらにソースの種類(=辛さのレベル)が選べます。また、サイドとのセットもありました。
リサは食欲がなかったらしく、ほぐしたチキンが載ったピラフのような、ホットポットという料理を注文。私はもちろん、ペリペリ・チキンにします。チキンは1/4サイズ、サイドは地中海風ピラフとコールスローの2種類をつけました。さらに、スープを追加すると3ドルになるとのことで、チキンスープも追加です。(夫を差し置いて食べすぎのように見えますが、たいした量ではありません。)
まずスープが出てきました。白濁してとろっとしたスープで、出汁をとったと思われるチキンの残骸がかすかに混じっています。味はなかなかコクがあって美味しかったです。家で鶏ささみのゆで汁をスープにしたことがあるんですが、それと同じ味がしました。オリジナリティは感じられませんでしたが、3ドルならいいかな、という味でした。
続いてリサのピラフ、私のセットプレートが一気に来ました。リサのピラフはチキンがたくさん載っていて食べごたえがありそうでした。私は味見してませんが、美味しくてお腹も満たされたそうです。
一方私のプレートですが、ピラフもコールスローもなんだかどちゃっと雑に盛られてて見た目がイマイチ。まぁ、ファミレスだと思えば文句言うレベルではないかもしれませんが。しかし、最初にピラフをひとくち口に含んだ途端、「残念」という文字が一気に頭を満たしました。
まず、冷たい。完全に冷めてました。さらに味も人工的だし、ご飯はぼそぼそで、冷凍ピラフをチンして温めただけのような一品でした。いや、日本の冷凍エビピラフの方が美味しいくらいです。
嫌な予感がしてすぐにペリペリ・チキンを食べてみたところ、これまた冷たい……。一体いつ焼いたんだ、というような生ぬるさ。もうこれだけで嫌になってしまったんですが、味もイマイチだったんです。レモン&ハーブというちょい辛のソースを選んだのですが、どこか遠くでレモンのかすかな存在感を感じるだけで、ハーブやらスパイスやらの味は全然しませんでした。
そしてそして、これは私のしょうもない勘違いなんですが、ぺリぺリ・チキンって別に皮が「ぺリぺリ」なわけではないんですよ……。ぺリぺリってピリピリっていうアフリカの香辛料のことだそうで……。日本語のオノマトペからそのまま商品を連想すること自体が間違っているのはわかっています。しかし、皮も肉も脂だかソースだかでぐずぐずで、イメージのギャップが激しすぎました。生ぬるいのに締まりのないお肉って本当に残念。
ここまでくると、コールスローすらも期待を裏切りません。マヨネーズのようなソースが大量すぎて、キャベツを食べてるのか、ソースをなめてるのか分からないようなものでした。
食べ物は残せない性質(たち)でして、すべていただきましたが、本当に残念のオンパレードでした。お会計は二人で30.35ドル。高くないけれど、食べ物のクオリティを考えると安くもないです……。
食通でもないのに滅多切りしてしまいました。期待値が高かった分だけ悪く書きました。ごめんなさい。このお店、看板やメニューなどのアートワークが優れていて、それで期待が大きく膨らんだ節があります。料理以外のポイントは高かったのですが、肝心のお料理が今ひとつだったので、また来るくことはなさそうです。少しフォローすると、シンガポールってチェーンのお店でも店舗によって料理の品質が違うことがあり、他の店舗はもしかすると美味しいかもしれません。