久々のカルチャーショック。国民が政府に頼る国?シンガポール
外国で生活していれば大なり小なり日々カルチャーショックがありますが、久々に衝撃を受けた話がありました。
先週、コミュニティーセンター(CC)の英語コースの宿題で、リサイクルに関してのエッセーを書きました。その中で私は、自発的なリサイクル活動について政府が補助金を出すべきという意見を書いたのですが、先生からその内容がよく分からないという指摘を受けたのです。「補助金」を「financial support」と書いたのですが、この訳が間違っているかと思い、「国がお金を出すという意味なんですが…」と説明したところ、やはりよくわからない、と言った風に首をかしげていました。
しかしもう少し説明を加えたところ、先生の方で何に違和感があるのか気づいたようで、以下のような説明を受けました。
シンガポールは他の国に比べ、国民の政府への依存度が高く、社会で何かをやるときに国民から自発的に行うことは少ないそうです。多くの社会運動は政府がイニシアチブを取っており、実際、多くのキャンペーンは関係省庁が主催しているそうです。なので、今回のリサイクルの例についても、やるなら関係省庁が予算を使って行うものであり、国民が自らリサイクル活動を組織的に行ってその活動に「補助金を出す」という発想自体がないのだとか。
私の英語力不足で上記説明に誤解があったら申し訳ないですが、概ねそのような内容でした。「financial support」という表現自体は間違いではなく、自発的な活動に補助金を出すという、その文意が先生には分かりかねたようです。
シンガポールは強力でクレバーな政府の指揮のもと発展してきた国であり、その過程で国民が政府を信頼し、さらに頼るようになるのは理解できます。しかし、それが故に自主的な活動や運動が出てこないというのは少し驚きです。(もちろん反政府的な活動は別です。)NGO、NPOのような団体もあるのかないのか、とにかくこの国では目立たないようです。
ただ、上記の理由だけでなく、シンガポールは東京23区ほどの面積で人口も少なく、外国人の割合が住民の4割にも達する国です。さらに多様な宗教や人種を抱えており、生活様式や生き方、考え方もそれぞれで、国民の中で大きなムーブメントというのは、なかなか起きにくいのではと個人的にも想像しています。
日本のような島国で、日本人にだけ囲まれて生活していると考えもしないような話でした。