初めて割り込みにノーって言ってしまった

   

シンガポールで嫌なことの一つで、長く居ても慣れそうにないのが「割り込み」です。シンガポールは日本人もびっくりするような行列文化なのですが、残念ながら割り込みが少なくありません。日本にも割り込みはありますが、遭遇頻度は明らかにシンガポールの方が高いと感じています。

ただ、以前も同じことを書いてますが(「バスや電車の割り込み問題」)、決して当たり前のことではなく快く思っていない人たちもいて、暴力事件にもなっています。そして私も先日とうとう、割り込みをしようとした子供に「ノー」って言ってしまいました。他民族の国で生活させてもらってる身分で本当に余計なお世話だわ、とは自分でも思ったのですが、どうしても許容できなかったのです。

それはバスのインターチェンジの出来事でした。シンガポールのバスのインターチェンジはに乗車場所に向かって鉄の手すりが設置されており、乗車を待つ人が列になって並ぶようになっています。ただ、バスが到着した直後に来た人たちは列に並ぶのが手間なので、列に並ばず乗車口で列の人たちが乗り終わった後に続いて乗るのは普通の光景です。そこでよくあるのが、列で待っていた人たちの列に横入りする割り込みです。(バスの係員がいる時はその人たちを止めてくれるのですが、最近係員自体をあまり見かけません。)

週末の夕方だったと思うのですが、帰宅の人たちでインターチェンジも混雑しており、私が乗るバスの列は鉄柵からあふれていました。それでもきちんと列ができていました。一方で、その列に並ばず乗車口で待つ人の列も長くなりつつありました。

バスが到着。私は列の前の方だったのですが、乗車口横で待つ列の一番前で、親子が横入りのタイミングを図っているのが見えました。普通、割り込みされて気持ちがいい人なんていないでしょうから、誰もが隙間を空けないように連なって乗車していきます。しかし私が乗ろうとした直後、私の後ろからその親子が横入りしようとしたので、思わず手のひらを向けて「ノー!」って言ってしまったのです。いや、思わずでもなく、割り込みがわかってたので自分で言おうと思って言った気がします。その時は諦めて待っていたようでした。しかしほどのなくしてその親子が乗ってきたので、結局割り込みしたようです。

私が理解できないのは、割り込みをした親子が、その子供と同じくらいの子供とか、もっと小さい子とか、はたまたよぼよぼのご老人とか、体の弱い方とかがじっーと長い列に並んで乗車を待っているのを、なんとも思わないのかということです。混んでたので列の後ろの人は乗れなかった可能性もあります。

と、ここまで書いて、やはり違う国で自分の道徳観で物事を論じても意味がない気がしてきました…。最初は一部の人たちの行動かと思っていましたが、地元の若い中高生が平気で横入りする姿を見ていると、これが普通なのかという錯覚もおこします。ただ、郷に入れば郷に従えと言いますが、私は今後も自分は割り込みはしないし、注意はしないまでも人に割り込みされないように行動する気がします(頑固)。

ちなみに、いい話もあります。電車のホームでの話。電車は(日本と同じように)降車優先がマナーで、駅のホームには乗車する人が入口の両サイドで待つように線が引かれています。ここで割り込みする人たちは、サイドに並んだ人たちを尻目に真ん中から降車客を突き飛ばすように中に入っていきます。

先日、よぼよぼのおばあちゃんが、大きなカートの取っ手にもたれながらホームで電車を待っていました。他のお客さんはサイドで並んでいましたが、おばあちゃんはすぐに乗れるよう乗車口の真ん中で待機。電車が着いてドアが開きそうになり、サイドの人たちがおばあちゃんの乗車完了を待っているときに、後ろからすっと現れた中年の女性が真ん中から入ろうとしたのです。

あ、割り込み…と思ったら、その女性はおばあちゃんを後ろから支えて乗車を手伝ってあげたのです。大きなカートを一緒に持ち上げていました。手伝うことを気づかなかった上に割り込みと疑ってしまった自分が恥ずかしかったです。

席の譲り合いとか、ちょっとした手助けを自然にする姿とか、そういうのは日本よりずっと頻繁に見かけます。こういった姿は本当に見習わなくてはなと思うのでした。

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