Zaragoza:サラゴサ(8/20)
8/20(土)、21(日)とサラゴサおよびベルチーテに一泊二日のショート・トリップに行ってきました。今回のプチ留学でバルセロナを選んだ理由の一つに、ベルチーテへのアクセスがいいということがあります。マドリッドからでも同じくらいですが、さらに学校が決め手になってバルセロナになりました。つまり、旅行の一番の目的がベルチーテ訪問でした。
サラゴサおよびベルチーテは、スペインのアラゴン州というカタルーニャ州の西隣にあります。夏は暑くて冬は寒い気候らしいのですが、連日TVの天気予報で40度近い気温が予想されてたので、行く前から暑さにはおびえてました。
サラゴサはスペイン第5の都市だそうです。スペインの高速鉄道AVEでバルセロナから1~2時間くらいです。ベルチーテはそこからさらにバスで1時間ちょっと南下します。
■8/20(土):サラゴサ編
主な内容)
・バルセロナからAVEでサラゴサに移動
・現地ツアーで中心部をうろうろ
・ピラール教会
・アルハフェリア宮殿
出発の8/20(土)は、電車が7時だったので、5時に起床して6時前には宿を出ました。土曜日の早朝だったので地下鉄に人がいないんじゃないか怖かったのですが、夜遊び帰り?なのか結構人はいました。
メトロをバルセロナのターミナル駅サンツ駅で下車。AVEに乗り換えです。荷物のX線検査を受けて待合エリアで電車の出発を待ちます。たぶん、出発の30分前にチェックインが始まるのですが、この日は何か問題があったとかで15分くらい遅れました。でも定刻通り7時に電車は出発しました。
チェックインはスマートで、事前のネット予約でもらったPDFを印刷して、そのバーコードを読み取るだけです。列車番号と座席はそのチケットにかかれてます。ちなみにAVEはキーカラーが明るい紫なのですが、ホームの壁から電車の中まで紫をあしらったデザインでした。どれもこれもお洒落で、スペイン人のセンスの良さを感じます。
席はクルブ(特等車)、プレフェレンテ(1等)、トゥリスタ(2等)の3クラスあるのですが、私は行きはトゥリスタ、帰りはプレフェレンテにしました。イスや車内サービスの違いがあるのですが、トゥリスタでも全然快適でした。クルブとプレフェレンテには飛行機の機内食のような食事が付きますが、私は時間が合わなかったせいか、帰りのプレフェレンテで出たのはドリンクとお菓子(チョコとナッツ)だけでした。
さて、列車に乗ってぼんやりしてたらイヤホンが配られました。車内の天井にテレビが数台ぶらさがってて、座席にイヤホンのさすと音が楽しめるみたいです。このイヤホンは無料でもらえるのですが、子袋に入っていてこれまた色使いがかわいいので、お土産に使わず持って帰ることにしました。
8時半くらいにあっという間にサラゴサ・デリシアス駅に到着。途中駅を全部すっとばす便だったみたいで、バルセロナの次がサラゴサでした。
着いたらやること…トイレ、荷物を預ける、Infoで現地ツアーとバスの確認。トイレと荷物の預け入れはすぐに達成できました。駅のトイレはなかなかきれいでした。次の日の夕方に入ったら紙が無かったり汚れてたりしましたが、この日は朝一だったので清潔な状態で使えて助かりました。
荷物は、観光に不要な荷物を泊まるホテルに預けたかったのですが、このホテルの場所にびっくり。駅から近い場所を選んで予約したのですが、なんと駅にくっついたホテルでした。予約時の説明にそんなことは一言も書いてなかったし、住所でGoogleマップ検索したら少し離れているように見えたのですが…。駅の出口を出たらばーんってホテルの名前が書いてあって、「本当にここ!?」と何度も確認しました。結果的に、駅を拠点にする私にはめちゃめちゃ助かりました。駅にホテルの入り口があるので、そこから入って受付に「今晩泊るので荷物を預かってほしい」と言ったら、予約を確認して快く受けてくれました。(※ホテルの名前は「Husa Puerta De Zaragoza」です。)
続いて駅のTourist Informationへ。ただ、9時開店まで少し時間があったので、駅のカフェで朝食。オレンジジュース、カフェ、ボカディージョのセットで5ユーロ。オレンジジュースはしぼりたてでおいしかった!あと、このところこちらのハモン・セラーノ・サンドにすっかり馴染んで、はまってます。
サラゴサは観光に力を入れてるみたいで、ホームページも充実してるし、現地ツアーも豊富です。私は土曜日の11時からのみ開催される「チョコ・ツアー」に興味があって、事前にメールで問い合わせてました。ネットからも予約できるのですが、うまく動かなかったのでこちらで申し込むつもりでした。
しかし駅のInfoでは予約できないと言われ、予約できる街の中心地のInfoを案内されました。あと、明日のベルチーテ行きのバスの予約もしたかったので、その窓口の場所も教えてもらいました。先にバスの予約をして、そして街の中心地に向かうことにしました。
デリシアス駅は巨大なターミナル駅で、鉄道だけでなく、バスのターミナルにもなってます。バスのチケット窓口もたくさんあって、ベルチーテ行きのバスのチケットを買おうと窓口に並ぶたびに「アジャ!(あっちよ!)」と別の窓口を指差されておかしかったです。(ちなみに「アジャ!」の音の響きが好きで、私はこれ以降いたずらに「アジャ!」を多用してます。)
ベルチーテ行きのバスのは往復2,3本くらいしかなくて、しかも時間が遅いのには乗りたくないので、必然的に時間が決まります。hifeというバス会社のバスなのですが、事前にネットで時間はチェック済みでした。なので時間を紙に書いたものを見せて、無事、明日の往復のバスチケットを事前購入できました。(片道4.40、往復8.80です。チケットは乗るときに運転手さんからも買えます。)
さて、いよいよサラゴサの観光です。サラゴサの中心地はピラール聖母教会周辺なのですが、デリシアス駅からは結構離れてて、暑さを考えると歩くのは現実的な感じがしませんでした。私は海外のローカルのバスに乗るのが非常に苦手で、バルセロナでも乗ってなかったのですが、仕方ないのでここで初めてスペインのローカルバスに乗りました。
乗車口で運転手さんに支払い。「1.05ユーロ」と言われたのに「1.50ユーロ」を出して、「違うよ~」と親切にお釣りをもらいました。数字もまともにわからない私…。しかし運転手さん優しかったです。
バスはとてもきれいで、次の停車場所が電光掲示板に表示されます。降りるところが表示されたらボタンを押します。しかし、バスのマップを持ってるわけじゃなかったので、降りるところのタイミングをはかるのが大変でした。バス停の名前はだいたい通りの名前だったり、広場の名前だったりするので、駅でもらった地図を広げていちいち照合しながら電光掲示板をにらんでました。
そして「ここでは!?」というところで下車。まぁ、だいたい合ってたみたいで(笑)、無事中心地の近くで降りることができました。しかし自分がどこにいるかわからず、犬の散歩中のおばあさんをつかまえて道を聞きました。おばあさん、明らかに外国人のアジア人に声を掛けられておびえてましたが、「ピラール」の一言で意志疎通は完了。「あっちよ」と方向を教えてくれました。グラシアス、おばあちゃん!
ピラール聖母教会への道はお店がいっぱいあって、適度ににぎやかで楽しいです。サクラという名前の日本食のブッフェレストランなんかもありました。おもちゃ屋にTOMYのガチャポンまであって、結構日本とビジネスがあるのかも?
スペイン広場までの目抜き通りを抜け、少し細い道を進んだところで、突如ピラール広場にでました。そして目の前にそびえるはピラール聖母教会。
で、でかい!
その堂々ぶりに一気にハートをつかまれました。17世紀に建てられたというこの教会から、ずっしりとした歴史の重みや、ここの人たちの信仰の深さを感じるような気がしました。
教会が気になりますが、まずは11時のチョコツアーです。この時すでに10時だったので、急がないと。Infoは教会の両サイドに二つもありますが、教会に向かって右手前の新しい建物の方に足早に向かいました。
しかし、そこでチョコ・ツアーお願いします!と言ったら、「8月はやりません」と言われて大ゴケ。たぶん次は9月~と言われて、いないっつーの。いや、この暑い8月にチョコ・ツアーは無いかもという懸念はあったのですが、事前にメールで問い合わせたら無いとは言わなかったのよね。なんか、スペインではこういう行き違い(というかいい加減な対応)が結構多いです…。
仕方がないので、他の現地ツアーがないか聞きました。英語のツアーがいいだろうと紹介されたツアーは10時からで、しかも遠い場所だったのでもう間に合わない。どうせ英語もスペイン語もどっちもたいしてわからないので、スペイン語のツアーに参加することにしました。ちなみにサラゴサは国内の旅行客が多いみたいで、スペイン語のツアーの方が豊富なようです。11時半からの「Ruta Casco Historico」という、中心地の旧跡を歩いてまわるツアーに参加しました。1時間半くらいで2ユーロなので、かなりお得感がありました。
ツアー開始まで少し時間があったので、近くをうろうろ。ピラール教会にも入ったのですが、中も素晴らしいです。教会の中の中心部にさらに天蓋のようなものがあり、とても重厚な雰囲気です。ぐるりと上を見上げると、随所に施された細かな装飾に目を奪われます。ちょうどミサ?の時間で、司教さんがお祈りをしていました。一番後ろで邪魔にならないようにその様子も眺めてました。
ツアーは、教会に向かって左のInfoから出発。このInfo、スーダの塔という10世紀に建てられた宮殿の一部の中にあります。中はきれいにリノベーションしてInfoのオフィスになってます。スペインって、100年以上の建物を丁寧に維持して今も使っているところが素敵です。(↓スーダの塔の中から外を撮った写真)
さて、ウォーキングツアーが始まりました。どう見ても外国人は私だけです。というか、サラゴサ自体アジア人を全然見かけません。(後で団体客に遭遇しましたが。)一緒に参加したおばさんが始終ニコニコと微笑みかけてくれたのですが、スペイン語がわからず話ができなくて悔しかったです。
サラゴサの観光名所はピラール教会を中心にぎゅっと集まっていて、歩く距離はほどほどなのですが、かなりボリュームのあるツアーでした。残念ながら内容は理解できませんでしたが、道を知るにもちょうどいいツアーでした。途中、ガイドの女の子が「しゃべるの早いけどわかる?」と聞いてくれたので「わからないけど…一人よりいいです!」と答えました。
恐らくスペイン語って日本語に音が近いので早くても聞きとるのは可能です。ですが、結局ボキャブラリーがネックになって内容がわからないのです。理解度3%程度(笑)。でも、わからなくてもあちこち歩いて見るべきものを見た感じはしたので、参加してとてもよかったです。言葉がわからなくてもお勧めのツアーです。
ランチはピラール広場に面したブッフェのお店でいただきました。ハモン・セラーノ、パーエジャ、パン・コン・トマテ、アロス・コン・レチェなど、スペインらしいものを一通り食べられて大満足。しかし正直、デザートのアロス・コン・レチェは食べてからお米のデザートだったことに気づいて、ちょっと引きましたが…。(甘いお米は少し苦手。)
なお、この店でトイレを借りたのですが、便座が無くて面喰いました。そういうもんなのかと思って拭いて座ってみましたが、やっぱり違和感が(笑)。
この後は、一人でひたすらぶらぶらしました。ピラール教会があまりにも素敵なので、もう一度中でゆっくりしました。ミサらしきものはすでに終わってたのですが、地元の人らしき人たちも静かに祈りを捧げていました。聖なる静かな空気がとても心地よくて、ちょっとうとうと…。そしたら隣のおじいちゃんに「ここは気持ちよくて眠くなるよね。」と言われました。いやー、怒られなくてよかったー。すみませんー。
ちなみに、Twitterでサラゴサにいることをつぶやいたら、レアル・サラゴサ(リーガ・エスパニョーラのチームの一つ。)ファンの方から、つい前日に選手たちのピラール教会訪問があったと教えてもらいました。勝利を祈っての恒例行事だそうです。惜しい!
教会を出た後、エブロ川にかかるピエドラ橋を渡って裏からピラール教会の写真を撮ったり、バルセロナじゃ危なくて歩かないような裏道をぶらぶらしたりしました。気温が35度以上とすごいことになってるので、それほど長い時間はぶらつけなかったのですが、楽しかったです。小さな広場の木陰のベンチでおじいさんが休んでる光景がよく見られました。
シエスタタイムのころ、カエサラウグスタ劇場のカフェで一休み。近所のおばちゃんが3人集まってだべってました。こういう光景は万国共通ですね。このカフェは、遺跡をガラス越しに見られてなかなか素敵です。カエサラウグスタ劇場は、建築現場から偶然発見されたローマ帝国時代の劇場の名残だそうです。劇場には屋根が付けられていて博物館に入ると近くで観られるよう通路が付いてます。その博物館では出土品などが見られるそうですが、あまり興味が無かったので中には入りませんでした。
サラゴサの見どころスポットとして最後に欠かせなそうだったのがアルハフェリア宮殿。11世紀のイスラム王朝によって建てられた宮殿だそうで、スペインの地の歴史の変遷を垣間見られる場所です。場所がちょうど、中心部とホテルがあるデリシアス駅の間くらいだったので、歩いてみることにしました。
サラゴサは暑いせいか、街のいたるところに温度計が出ています。(バルセロナには無かった。)乾燥しているので日陰はしのげる暑さなのですが、日の当たっている温度計に「44度」と出ていたときは思わず写真を撮りました(笑)。あと、途中で小さいスーパーを見つけて、レモンジュースを調達しました。(すぐに飲んじゃった。)
日陰でも手袋は取らず、帽子を深くかぶって黙々と歩いていたところ、向こうからやってくるおじいちゃんが何やら話したそうな顔をしています。そして何気なく目を合わせてにっこりしたら、容赦なくスペイン語で話しかけられました。注意深く聞いても何を言っているかわからないけれど、仕草から「帽子をとったら?」とにこやかに勧められているのがわかり、帽子を取りました。そしたら「ほら!かわいくなったよ!」と言われて終了。(←「bonita(かわいい)」とかそういう単語だけはよく聞き取れる。)…こちらの人って帽子をかぶらないと聞いたし、実際かぶっている人も少ないのですが、日陰で帽子をかぶってるのはよほど変なのでしょうか。かわいいおじいちゃんでした。
思いの外遠かったアルハフェリア宮殿にようやく到着。うむ。街歩きや地元のおじちゃんとの会話という楽しみ(笑)もありますが、真夏は体力ない人はバスかタクシーでの移動をお勧めします。
宮殿(Palacio)というわりには質素な印象だったのですが、それでもスペインの北の方地にて非常にイスラムな建物を見るとは思わなかったので新鮮でした。中は結構広くて歩くのに時間がかかるのですが、私は入ってすぐの中庭付近が好きです。鮮やかな緑のオレンジの木が並ぶ中庭を、ぐるっとイスラムな柱廊が囲みます。すごく大きいわけでもないのですが、贅沢な雰囲気です。
バルセロナの19世紀のガウディ作品群や古い教会、サラゴサの教会やイスラムの宮殿などなど、スペインって建物好きにはたまらない地のではと改めて思いました。
アルハフェリア宮殿の見学を終えたところで、ホテルに戻ることにしました。
が、天性の強烈な方向音痴の才能を発揮して、この後道に迷って大変でした。全然知らない人気のない駅にたどり着き、駅に唯一いた窓口の人に助けてもらいました。道を聞いたらわざわざ部屋から出てきてとても丁寧に英語で道を教えてくれました。感謝です…。
ホテルに戻る途中、スーパーで夕食を仕入れることにしました。昼間たっぷり食べたし、お金もセーブしたかったのでサンドイッチでも買ってホテルで食べようと思った次第。しかし、スーパーには一人用の調理済み食品は手に入れられませんでした…。そういう個食を扱ってるのはバルセロナの大きいスーパーくらいみたい。ヨーグルトすら全部4連なので、買うことができませんでした。(一人で4個食いとかキツイし。)ここで買ったのは結局Mixナッツとカフェオレだけ…。
道に迷ってぼろぼろになってホテルに到着。預けてあった荷物を受け取り、チェックインしました。そして、部屋にはいってびっくり。
すごくきれいー!!
そしてシングルで予約したのにツイン!ベッドは広いし、洗面台が二つあるんですけど!TVは液晶だし、館内はフリーWifiでスマホがそのまま使えるのもありがたいー。
バルセロナのレジデンスがあまりにもあまりにもなので、すっかり舞い上がってしまいました。ベッドが二つあるので、一つにいきなり荷物をぶちまけてごろごろしたり、庶民的なやりたい放題(?)をしました。冒頭にも書きましたが、ホテルの名前は「Husa Puerta De Zaragoza」です。中心部からは遠いですが、駅を拠点にする人にはとてもお勧めのホテルです。
夕食はもぐもぐとナッツを食べ、そして崩れ落ちるように就寝でした。
■使ったお金(8/20)
・朝食(5.00)
・Zaragoza-Betchite(8.80)
・ローカルバス(1.05)
・現地ツアー(2.00)
・ピラール聖母教会内museo(2.00)
・ランチ(17.23)<<13.95+コーラ2.00、Tax1.28
・カフェでコーラ(2.00)
・レモンジュース(0.79)
・エコバック(0.60×2)
・アルハフェリア宮殿(3.00)
・ジュースとナッツ(4.49)