一人暮らしの妄想(25):最終回
「一人暮らしの妄想」シリーズ最終回です。このシリーズは8月の下旬にふと「一人暮らし熱」が上がり、あれよあれよと勢いで10月に一人暮らしを始めるまでのエピソードをつづったものです。10月に入居したのでそこでおしまいのはずでしたが、どたばたしてたため一ヶ月経ってからの締めの記事となりました。最後は、なぜ一人暮らしに至ったかの気持ちを書いておきたいと思います。
そもそも、私が一人暮らしを意識し始めたのは学生時代からです。東京で育って、東京の高校を出て、東京の大学に入って、何の疑問もなく実家から大学に通っていました。ですが、当然大学には実家を離れ、一人暮らしや寮生活をしながら学生生活を送る学生がいます。だんだんと親元で暮らすのはこの歳では普通ではないことを意識するようになりました。おまけに私の先生が、よい学生の条件は「浪人、地方出身、一人暮らし」などと言っていたので、どれにも当てはまらない自分はえらくユルいんだと思うようになっていました。
そうは言っても元来あまあまな環境で育ち、ハングリーさも根性もない私は家を出ようなど微塵も思いませんでした。それが、一体いつから加熱し始めたのかは覚えていませんが(「パラサイト」という言葉が一般的になった頃かも)、あるとき「やっぱり家を出よう」と思い、考えたのが「留学 or 一人暮らし」という選択肢。あまり深く考えず「一人暮らしをしたら留学するお金はたまらないだろう」という発想のもと、その時は留学を選択しました。そう、実は私のプチ留学は語学習得や海外生活への憧憬などではなく、単に家を出てみたかったのが本当の動機なのです。
留学では、仲介会社を通さずに学校やホームステイの手続きなどは自分でやりました。ホームステイ先を出ることになった時は自分でアパート探しもしました。たった数ヶ月ですが、家事もそれなりにやっていたし、異国の地でインチキ英語でがんばって、それなりに自立した気分でいました。んが、帰国して姉から言われたのが、そんなのは自立ではないと。貯めたお金を使って一時的に生活するのと、稼いだお金で生活し続けることは違うと・・・。気持ちは一気に振り出しに戻りました・・・。
振り返ってみると、パラサイトについて周囲からのプレッシャーはそれほどありませんでした。ただ、自分自身が自らやたらコンプレックスを感じていたように思います。それは学生時代の先生の刷り込みもそうだし、早くに結婚して家を出た姉のちょっとした発言もその気持ちに拍車をかけていた気がします。
経済的にも精神的にも自立していないことに対する強いコンプレックス。学生や社会人になるタイミングでやむを得ず家を出た人、早く結婚して家を出た人にはよくわからないかもしれません。しかし、私自身はパラサイトを続ける自分の甘さと、それを良しとしないプライドから生まれるコンプレックスから逃れられず、ずっと自分で自分自身の評価が低いことが辛かったのです。
そんな思いを抱えて数年。なんとなく不動産屋に行ったことをきっかけに一気に話が進み、とうとう一人暮らしを始めたのがこの10月。
最近人に会うと「一人暮らしは楽しい?」と聞かれるのですが、今のところこの答えはYesでもNoでもないです。もともと実家でも自由気ままだったので、よく聞く自由さのメリットは感じません。駅は遠くなって不便になりました。家事は面倒。しかし、掃除をしながら、まずい料理を自業自得と食べながら、家計簿眺めて貧乏さに息苦しさを覚えながらも、それが自分のコンプレックスを解消していく要素になっている気がします。当たり前のことができなくて恥ずかしい、という自分の責めを、徐々に溶かしているというか・・・大げさなんだけど・・・(笑)。結局自己満足なんです。
・・・まぁ、ここまで書いておいて、本当にいつまでこの生活を続けるのか、今は全然わかりません。嫌になったりお金が無くなったりで更新前に実家に帰るかもしれません。自分が満足できる場所に実家があるのに、お金がもったいないと言われても仕方ない状況です(散々色んな人から言われました。)。実際、首都圏に実家がありながら家を出て、2年以内に実家に戻ったという独身女性の話を3件も聞いています。
しかし、それは、これからのことだし、そうなるとしたらその過程は全部ここに書くでしょう。ダメならダメと、恥ずかしげも無く赤裸々に書くつもりです。そしてそんなダメっぷりも、このブログを読んでくださってる友人・知人各位には生ぬる~く見守っていただけると嬉しいです(笑)。
いたずらに長くなりました。これにて無事「一人暮らしの妄想」シリーズは完結です。続きは「一人暮らしネタ」としてまたあれこれ書いていきたいと思います。お付き合いいただいた方々、ありがとうございました!