超低出生体重児の高齢母、直母の苦労話と混合育児の現在(2)
娘ヨーちゃんの保育園入所を考えているため、ゆるゆると保活を始めました。区役所に赴き、できる手続きは進めていますが、状況はかなり厳しそうです。実際に動き始めるまで認識が不十分だったのですが、わが町は東京の中で下から数えた方が早いくらいの保育園激戦区のようでした。
認可保育園の4月入園の結果が出た後、児童館のお母さんたちから保活の話を聞く機会があったのですが、入れた人、入れなかった人は差はよくわかりません。というのも、ほとんどのご家庭の状況(点数)はだいたい同じらしく、見えない加点が何なのかがわからないからです。
いずれにしても夫婦でフルタイム勤務は最低ラインなので、今後どのような選択をするのかよく考える必要がありそうです。
さて、「超低出生体重児の高齢母、直母の苦労話と混合育児の現在(1)」の続きです。
Contents
一か月で直母が軌道に乗るが、粉ミルクを減らしたら体重低迷
娘ヨーちゃんへの直母は、うまくいかないまま退院となりました。また、搾乳して飲ませることにしても母乳分泌量が不十分だったため、退院間際に粉ミルクとの混合になりました。
直母が軌道に乗り始めた
退院後の哺乳瓶は主に「母乳相談室」を使っていました。前述のように、直母を促したかったからです。ただ、外出用に軽量のものも欲しかったので、プラスチックの「母乳実感」も用意しました。
退院後は3週間実家でお世話になっていました。家事を休ませてもらっている間にヨーちゃんの家でのお世話にも慣れ、直母の練習も十分にできました。
また、退院に伴いGCUでの指導は受けられなくなりましたが、入院中から母乳マッサージをしていただいていた助産院の先生から、直母の指導を受けました。
そして徐々に搾乳をやめました。3か月やってきて気持ち的に嫌になっていたし、搾乳、粉ミルク、直母、の3種類をこなすのが非常に手間だったためです。(念のため搾乳機のメデラ・スイングはまだ手元にありますが、まったく使っていません。断乳後に手放す予定です。)
ヨーちゃんが成長に伴いお口が大きくなったのもありますが、この実家にいた3週間の間に、直母は徐々に軌道に乗り始めました。
そして、直母が軌道に乗り始めたところ、母乳の出もよくなってきたようです。搾乳をやめていたため自分ではわからないのですが、母乳マッサージの先生から「よく出ている」と言われました。
分泌量を増やすために言われていたのは、夜間の直母を頻回に行うことが大事ということ。これは搾乳の時から言われていたことで、夜の方がプロラクチン(ホルモン)が出るからです。
私の場合、真夜中に粉ミルクを作り、哺乳瓶を洗浄・消毒するが辛く、夜間は面倒くさがっておっぱいを頑張ったのが功を奏したようでした。自然と「夜はおっぱい」というペースを作ることができ、結果的に分泌量も増えたようです。
体重増加が低迷
退院後、2か月近くになった頃には母乳マッサージの先生に「完母を目指せるかも」とまで言われ、ちょっといい気になっていました。おっぱいはとにかく頻回にあげることを心がけ、一方で粉ミルクは1日2回、合計200cc程度に抑えていきました。
母乳分泌量にコンプレックスを抱いていた私は、完母にできたらそのコンプレックスが解消されるような気持ちになっていたのかもしれません。
しかしその結果が、修正4か月時点での体重増加の低迷でした。
躊躇なく粉ミルクの量を増やしました。また、哺乳瓶の乳首を3か月からのサイズに変更しました。完母は潔く諦め、直母を頑張りつつも粉ミルクもしっかりあげるようにし、その後体重はまだ順調に増えるようになりました。
離乳食開始と今後の見通し
哺乳瓶は修正4か月ごろに「母乳相談室」を嫌がるようになり、おっぱい拒否を起こさないか心配しつつも「母乳実感」のみになりました。(ヨーちゃんは「母乳実感」のみになってもおっぱい拒否は起きていません。杞憂に終わりました。)
そして、現在も使っている哺乳瓶(母乳実感)は160ccです。修正4,5か月ごろには乳首だけサイズアップし、1回あたり160mlは10分程度で飲み切れるまでになりました。
母乳マッサージの先生は、160ccを飲み切るなら、哺乳瓶のサイズアップより離乳食を進めていった方がいいという意見です。なので、現在は160cc飲ませた後、足りなそうであればおっぱいを飲ませています。ただ、それでも辛そうであれば、サイズアップも考えています。
離乳食の開始
修正5か月から離乳食を開始しました。開始後5週目にあたる5か月の終わりから2回食になりましたが、これまで通り、日中2,3回は粉ミルク、夜とその他のタイミングはおっぱいを飲んでいます。
離乳食の量は、多くもなく少なくもないくらい食べてくれています。前述のように、哺乳瓶のサイズアップはしなくてすむならしたくないし、免疫のこともあって母乳もまだできるだけ飲んでほしいと思っています。
なので、離乳食を進めつつ、粉ミルクは抑えめ、おっぱいの頻度はこれまで通りというペースを心がけています。(とはいっても、離乳食が始まってから食事に時間をとられておっぱいの頻度は少し減りました。)
今後の見通し
離乳食はおおむねマニュアル通り進んでいます。食べた食材も30品目を超え、3回食の時期に向けてアレルギーの確認も着々と進めています。
断乳は一般的に、1歳から1歳半に行うことが多いそうですが、食事に関してつまずきがなければ、ヨーちゃんもそのような平均的なペースになりそうな気がいたします。
ただ、直母があまりにもかわいいので、私の気持ちが揺れてしまいそうですが……。
まとめ
ヨーちゃんは超低出生体重児として生まれたがためか、直母はなかなかうまくいきませんでした。また、直母が軌道に乗り始めた後も、母乳分泌量が不十分だったため、粉ミルクとの混合でペースを作っていきました。
現在、離乳食はわりと順調なペースで進んでおり、おっぱい、ミルク、食事でヨーちゃんなりのバランスをとっているという状況です。
母乳育児、ミルク育児について思うこと
直母の幸福感
ヨーちゃんを超低出生体重児として出産して間もなく、NICUの看護師さんからは「直母できる日まで、おっぱいの分泌維持を頑張ってください」と言われました。
私はもともと母乳育児を強く希望していたわけではないのですが、過去記事に書いたように、出産直後に自分の母乳をあげられなかったことは大変ショックでした。辛い頻回搾乳は、直母を夢見て頑張れたのではなく、撫でることしかできない保育器の中のヨーちゃんに、おっぱいくらいあげたかったからだと思います。
なので、退院間際に直母がうまくいかないまま混合が決まった時、このまま完ミにするという、母乳を諦める気持ちがなかったわけでもありません。
ただ、私にとって幸いだったのが、そのような気持ちになり始めた頃、直母が軌道に乗り始めたことでした。そしていざ直母がうまくいくようになると、その幸福感は格別でした。
私が入院中、初乳が出るまで試行錯誤してくださった助産師さんたち、ヨーちゃんの入院中、根気よく直母の指導をしてくださった看護師さんたち、そして入院中から現在もお世話になっている母乳マッサージの助産師の先生。
ヨーちゃんにおっぱいをあげられるようになるまで、本当にたくさんの助産師・看護師さんにお世話になりました。授乳で幸せな気持ちを感じると、そのたびに皆さんへの感謝の気持ちがわいてきます。
ミルク育児はネガティブなことなのか
私は結果的に混合になったのですが、母乳とミルクそれぞれに、メリットを感じます。どちらがどのようにいい、というのは、それぞれの状況で変わってくると思いますが、私は混合で、両方のメリットを享受していると思っています。
私にとっての母乳(直母)のメリットは、とにかくかわいいと感じることでした。ホルモン(オキシトシン)に操られているだけかもしれませんが、そうであっても幸せな行為だと感じています。
また、外出する際、授乳スペースさえあれば調乳用品を持って行かずに済むのも楽でした。外出だけでなく、夜間も母乳であれば調乳や哺乳瓶の洗浄・消毒が不要なのも助かりました。(現在は液体ミルクもありますし、夜間は哺乳瓶を複数使って朝にまとめて洗うなどの方法がありますが、いずれにしても母乳の方が楽だと感じました。)
一方、ミルクは量の調整ができるのが最大のメリットでした。母乳は足りなくても、すぐに足すことができません。その点ミルクは調整ができるし、飲んでいる量の把握ができるのもよかったです。夫に留守を頼めるのも大きなメリットでした。
今月初旬に販売開始になった液体ミルクの、「母乳は赤ちゃんにとって最良の栄養です」というパッケージの表記が話題になりました。これは国際食品規格委員会の規格に準じているもので、メーカーの意図ではないそうです。しかし、世間の反応を見ていて、母乳の話は繊細なトピックだと改めて感じました。
私の周りで、母乳育児を声高に言うお母さんはいませんが、ときどき、ふとした会話の流れでミルク育児をネガティブに告白するお母さんがいます。そのようなお母さんが、どうしたら気負わないでいてくれるのかと逆に悩みます。
私はもともと母乳に強いこだわりがなく、それでいても(苦労はありましたし、混合ですが)結果的に直母を続けていられる状況です。そして、直母を楽しんでいます。なので、母乳をあげたかったのに、何かの事情で母乳をあげられないというお母さんの悩みを、理解することは難しいからです。
ただ、そういった空気をお互い読みながら、なんとなく母乳・ミルクの話題は出なくなるので、それでいいのかもしれません。
以上、私の直母までの苦労と、その後の混合育児についてでした。