NICU通いの一日とNICUでのケア体験内容

   

ここ最近、娘ヨーちゃんの成長が加速しています。ぼんやり保育器を眺めていただけの日々が去り、ケアに参加できる時間、触れ合う時間がどんどん増えています。

そして、保育器を卒業し、NICUからGCU(Growing Care Unit)へ移動する日もそう遠くなさそうです。

NICUは押出式で、新しく赤ちゃんが入院すると、元気な子からGCUに移動します。ヨーちゃんは小さめで、かつ後から来た子たちが大きく元気な子ばかりだったためずっと移動の可能性の順位が低めでした。

それが週数も体重も、そして能力的な部分もだいぶ成長してきたので、いつご指名を受けてもおかしくないと感じています。GCUに行けば、退院に向けての準備が始まります。いよいよ赤ちゃんとの生活が始まることに、緊張でドキドキしている母です。

そんな状況ですが、私がこれまでNICU通いの一日をどのように過ごしてきたか、そのスケジュールとケアの内容について書きたいと思います。


NICU通いの一日のスケジュール

NICUへの面会頻度ですが、産後しばらくは自分の体調をみつつ週5日程度でした(平日3日+土日)。それが、産後一か月検診で母体の回復についてお墨付きが出たところで、毎日通っています。

病院は自転車と電車で片道40分ほど。近くもなく遠くもないですが、慣れれば苦もない距離ではと思っています。また、上に子供がいないため、ヨーちゃんの面会に専念しやすい環境です。

行かない日はないため、毎日ほぼ以下のようなスケジュールで行動しています。

~NICU通いの一日~
02:00 搾乳(1)
05:00 起床→搾乳(2)→家事(夕食の調理)→朝食
08:00 搾乳(3)→家事(洗濯、掃除)
09:00 病院へ移動
11:00 搾乳(4)、NICU面会
13:00 帰宅→買い物
14:00 搾乳(5)→昼食
15:00 昼寝→家事(洗濯物の取り込みや片付け)
17:00 搾乳(6)→家事(夕食の準備)→夕食
20:00 搾乳(7)→入浴→家事(夕食の下ごしらえ)
22:00 自由時間
23:00 搾乳(8)→入眠

搾乳は一日8回(3時間毎)です。これは一般的な回数ですし、ヨーちゃんもNICUでこの回数授乳してもらっています。多少時間が前後することもありますが、母乳分泌が止まってしまわないよう回数は守っています。

搾乳は辛いよ

搾乳は辛いよ

面会時間は10~13時の3時間程度です(昼食なし)。カンガルーケアのような時間がかかるケアに参加した場合は15~16時ごろまでいますし、辛い眼底検査がある日は、検査中そばにいたいので、朝8時までに病院に行っています。

NICU滞在時間が長い場合は、家事や睡眠時間で調整しています。(睡眠時間は削りづらいので、基本的には家事の手を抜くことで対応。)

以上のように、一日のスケジュールは主に3時間毎の搾乳に縛られています。人に会うことや好きな場所に行くこともできず、毎日自宅と病院往復のみです。赤ちゃんとの生活も同じか、それ以上に大変かもしれませんが……。

なお、NICUはできることが限られているので、滞在時間は3~5時間程度。しかし、もろもろのケアをお母さんが主体で行うGCUに移動後は、日中ほとんど病院にいることになると聞いています。


NICUでのケア体験

ヨーちゃんが入院している病院では、参加できるケアの内容をまとめたファイルが用意されています。赤ちゃんの状態に合わせて、その時できるケアを看護師さんが順次案内してくれました。

体験済みのものについては簡単な感想も書きたいと思います。

ホールディング

ヨーちゃんに最初にしてあげられたことです。頭やお尻などを、手のひらで包み込んであげます。手のひら二つほどの大きさしかなかったヨーちゃん。両手のひらで包むと、すっぽり全身が入ってしまうのが、かわいいような、切ないような気持ちになりました。

母乳の手押し注入

飲む母乳が少ない時期は、胃に入ったチューブを通してシリンジ(注射器のようなもの)で注入していたのですが、そのシリンジの手押しをやらせてもらえました。ただ、ある程度の量になると機械で自動注入になるため、私自身手押しは2回程度しかやっていないと思います。ややあっけない作業ですが、おっぱいをあげている、という感覚が大事なのかもしれません。

母乳の綿棒塗布

口から母乳を飲むことができないので、授乳はチューブで直接胃に入れています。ですが、赤ちゃんに母乳を味わってもらったり、口内に母乳についた菌をつけたりすることに意味があるそうで、母乳を染み込ませた綿棒をお口に入れるケアをさせてもらいました。

最初は恐る恐るでしたが、綿棒をちゅっちゅと吸ってくれると、とても嬉しいです。体が大きくなると大きさが物足りないらしく、吸ってくれないので口の中にぬりぬりしていました。

おむつ交換

主にウンチの際のおむつ交換をさせてもらっています。まだ自分で力んで出すことができないので、お浣腸してもらっています。お浣腸するとほぼ確実にウンチが出るので、そのタイミングでおむつ交換します。

体が小さいうちは足をつかんであげたりするのが怖かったのですが、肉付きがよくなってからは簡単にできるようになりました。お世話してあげている感があって、好きなケアです。

体の清拭

お湯に入れるようになるまでは体は拭くだけです。お湯で湿らせたコットンで全身を拭きます。首、耳の裏、鼠径部などに垢がたまりやすいのですが、力加減が難しいです。

カンガルーケア

肌と肌で触れ合う抱っこです。生まれたての赤ちゃんを分娩室で胸に乗せてもらうカンガルーケアをご存知の方も多いと思いますが、NICUで行うケアと出産時に行うものとでは、厳密には意味や意図が違うようです。

NICUでは複数回できます。初回はまだ鼻マスクが取れていなかったり、娘と私の両方が慣れてなかったりしたこともあって、なんだかよくわからないまま終わってしまいました。

しかし、回数を重ねていくうちにだんだんと肌がなじんでいく感があり、今やカンガルーケアは「至福の時」です。保育器を出ると自由に直接抱っこできるので、カンガルーケアは卒業です。今のうちに、と味わっています。

ベースン浴

ボウルのお風呂です。看護師さんにサポートいただきながら参加しました。保育器の前にお湯を張ったボウルを置いて、そこが湯船になります。先に保育器の中で泡のせっけんを使って体をマッサージした後、ボウルの中で垢を落としつつ泡を洗い流し、最後はかけ湯をして保育器に戻りました。

ヨーちゃん、初めてのお風呂は緊張したらしく、こわばったまま黙っていました。それが二度目のお風呂はお湯につけた瞬間にギャン泣き。しかしそれもすぐに止み、その後は入浴を楽しんでいた模様。お風呂好きでよかった!

このベースン浴はそれほど長くやらず、数回程度で沐浴できる洗面台での入浴になるそうです。

ベースン浴

ベースン浴

授乳(ボトル&直母)

保育器の卒業が見えてくる最終段階のケアです。今までチューブを通して胃に直接流し込んでいた母乳を、お口から飲めるようにします。

小さく生まれた赤ちゃんにとって、鼻で呼吸しながらお口から液体を飲み込むという動作は簡単なものではないそうです。

まずはボトル(哺乳瓶)でお口に入れてみて、飲み込めるか、疲れないか、呼吸に影響はないかなどを見るそうです。ヨーちゃんはただいまこれを練習中で、看護師さんに飲ませてもらっています。哺乳瓶を吸う姿は、赤ちゃんらしい姿で嬉しくなりました。

ボトル授乳がうまくいけば、保育器卒業後、いよいよ直母(おっぱい)が始まります。

沐浴

前述のベースン浴からのステップアップです。これはNICUだけのケアではなく、満期で生まれた赤ちゃんと同じケアですね。

そしてヨーちゃんももうすぐこの大きなお風呂デビューです。

タッチケア

ベビーマッサージです。こちらも、NICUだけのケアではありません。すでに保育器を卒業し、コットにいる赤ちゃんとのふれあいを楽しめるようです。


NICUのケアについて思うこととお勧めの本

娘ヨーちゃんの入院計画を聞いたとき、退院がとても遠い日のように感じました。

しかし、保育器の中のヨーちゃんをただ眺めているだけでなく、日々触れ合えるケアを体験させてもらうことで、だんだんとヨーちゃんへの愛着が増してきました。ヨーちゃんは毎日しっかりと成長し、その変化を見るための面会が楽しくなってきたのです。

そして気が付けば、あっという間に退院の目途がたってきました。

NICUでの母子愛着形成

NICUでの母子愛着形成

私は、自分が切迫早産で子どもがNICUに入るなんて想像もしておらず、NICUに関する知識は皆無でした。

それが自分の娘がNICUに長期入院し、そのケアを体験し、身をもって知ったのは、NICUとは内科的な治療を行うだけでなく、母子の愛着形成の場であるということです。

おむつ交換だってお風呂だって慣れないお母さんより看護師さんの方が手早く上手にできます。それをあえてお母さんがやることで、お母さんが「母」になれるのです。

それも治療と言われればそうなのかもしれませんが、この愛着形成は、退院後に母子として生活を始めるのにあたり、体の健康状態と同じくらい大切なことだと思います。

NICUに入ってよかったとは思っていませんが、NICUでこのようなケアを体験できたことはとても良い経験でした。

最後に、NICUでの治療やケアについて詳しく、わかりやすく書かれているお勧めの本を紹介します。

もっと早くに読めばよかったと思いました。これから長期入院が始まる、というご両親にぜひ読んでみていただきたいです。

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