具材たっぷりバクテー(肉骨茶)を作ってみました
バクテー(肉骨茶)は、こちらでは言わずと知れたマレーシア&シンガポールの伝統料理です。いろいろ種類があるようですが、私が知ってるバクテーは骨付きの豚肉とニンニクが入ったスープです。お店では揚げパンを一緒に注文し、スープに浸して食べます。
よく煮込まれた豚肉は骨から肉がほろりと取れるほど柔らかいです。煮込みなので脂も落ちていてサッパリといただけます。また、ニンニクは皮付きのまま煮込まれていて、これまたホクホクの食感です。これらの食材に胡椒がきいたスープがぴったりで、体が温まり、かつ元気が出る料理です。
スープは胡椒味がメインの澄んだものと、もっといろんなスパイスが効いた茶色いタイプのものがあり、後者は薬膳スープのような味と香りがします。
これまでレストランやフードコートなどで何度か食べましたが、ちょっと高めの値段とボリュームの少なさ、そして野菜の少なさが気になって最近は食べていませんでした。特にお肉だけで野菜が少ないのが嫌だったのですが、そんな話を中華系マレーシア人の女の子に話したところ、「私は家で食べるとき、セロリや豆腐、マッシュルームを入れるわよ」と言うではないですか。
セロリ!
豚肉&胡椒のスープに、セロリは絶対合う気がしました。豆腐やマッシュルームもおいしそうです。
その話を聞いたらどうしても具だくさんのバクテーが食べたくなりました。ホーカー(屋台)で持ち帰りにして、家で具を加えようか……なんて考えていたのですが、以前夫リサが「バクテーの素」を買ってきたのを思い出しました。シンガポール移住前の出張のお土産で、その時はバクテーを知らなかったので使わず処分してしまったのです(もったいない)。ただ、スーパーで売っているのを知っていたので、同じものを買ってきて作ってみることにしました。
用意した食材は豚肉(豚バラブロックとリブ)、生姜、ニンニク、セロリ、豆腐、しめじ、大根。豚肉は生姜とネギと酒で1時間くらい下茹で。大根も下茹でして冷凍してあったものです。後はティーバック状の「バクテーの素」と材料を煮込むだけです。味付けは醤油とオイスターソース、塩コショウ。ニンニクは本当は皮付きのまま入れるようですが、嫌だったので剥いて入れたところ、途中で完全に溶けてしまいました。
「バクテーの素」はいろんなスパイスが入ったティーパックで、味というよりスープに香りと風味をつけるものでした。醤油とオイスターソースを入れることもあって、出来上がりはかなり茶色いスープになりました。これまで食べてきたバクテーの中で、薬膳スープバージョンに近いものです。
出来上がりはこちら!
具が多すぎて、もはやバクテーには見えません。でも、かなり私が求めていた「理想のバクテー」に仕上がったように思います。脂が落ちてあっさりしたほろほろのお肉を楽しみつつ、野菜もしっかり採る。濃い目のスープにあっさりしたセロリと豆腐、きのこはバランスが取れた具材でした。大根もしっかりスープを吸って味わいがある仕上がりになってました。
夫リサも美味しいと喜んで食べてくれました。実は私自身は料理中3時間くらいずっと薬膳スープの匂いをかいでいたら、食欲を失ってしまったのですが、翌日温め直して食べたら美味しかったです。薬膳の匂いがダメな人はダメでしょうね。
「バクテーの素」は2パック入りなので、またしばらくしたら作りたいと思っています。今度は蓮根を入れてみたいです。(やはりもはやバクテーではなく、豚肉入り薬膳スープかもしれない。)