映画「君の名は。」

   

映画「君の名は。」

映画「君の名は。」

先週末、遅ればせながら映画「君の名は。」を観てきました。英語のタイトルは原題の副題と同じで、「Your Name」です。

直近のニュースによれば、日本で劇場興行収入は歴代邦画3位になり、2位の「ハウル」を抜くのは時間の問題。そして1位の「千と千尋」に迫るとかなんとか。映画の評価は劇場興行収入だけじゃ計れないと思いますが、この数字だけもすごいですね。

日本で大ブレイクしたのは公開直後くらいから耳に入ってまして、シンガポール在住日本人の間でもシンガポールでの公開日がいつなのか話題になったくらいです。アニメ映画は結構好きなので、こちらで観るのを楽しみにしていました。

そんな「君の名は。」のあらすじと感想です。多少ネタばれありです。ご容赦ください。

まず、あらすじですが、主人公は東京都心に住む高校生タキと、岐阜の神社の巫女ミツハ。別々の場所で別々の人生を送っていたはずの二人が、いつの間には時々入れ替わりを起こすようになる。

朝起きると、体がお互い入れ替わっている。当初は夢だと思って普段とは異なる世界を楽しむが、やがてその入れ替わりが夢ではないことに気づき、反発しあいながらもお互いに関心を持ち始める二人。

会うことはないながらも、その心の距離が徐々に縮まってきたころ、1200年ぶりに地球に彗星が接近。夏祭りの夜、タキを想いながらその彗星を見上げるミツハ。その日から二人が入れ替わることはなくなり、心配したタキはミツハを探しに岐阜に向かう。


と、ここまでが大体物語の前半です。映画のトレーラーや、一般的な映画の紹介文はここまでなのではないでしょうか。私もこのくらいのあらすじは事前に読んでいました。

で、正直な感想なんですが…

ここまでが非常につまらない……です。

入れ替わりネタは斬新なものではないし、それに伴う展開もなんらユニークではないのです。ちょっとした笑いをとりにくるシーンもパンチ不足で、案の定、隣の夫リサの目は半開きと言うか、ほとんど寝落ちしかけてました。

このままこのノリで最後までいったら、ヒットの理由がわからない。これって私たちが中年だからわからんの? と自虐的になりました。

しかし、物語のエンジンがかかり始めるのはここから、この彗星が接近した日からでした。タキがミツハを岐阜に探しに行ったことから物語が急展開。「ただいたずらに男女入れ替えを楽しんでたわけじゃないのヨ!」とばかりに前半の伏線を一気に回収していきます。

その過程で、細かいことを気にしだすと矛盾がちらほら頭をかすめるのですが、まぁ、そこに捕らわれることなく展開に身を任せると結構心地の良い感じで一気にラストまで楽しめます。

それに、映像の美しさが事前に評判になっていましたが、黄昏時の物悲しげな空模様とか、クライマックス前後の流れ落ちる彗星なんかは、同じく後半により力が入っていたような気がします。

音楽は好き嫌いが分かれる気がするのですが、個人的にはちょっとポップすぎた印象があるものの、作風とターゲット(若者)には合っていたのではないでしょうか。

キャラクターは思っていたより淡白でした。こましゃくれた感じの妹ヨツハちゃんがかわいかったですが、それ以外に際立ったキャラはおらず…少し物足りなかったです。ですがこの映画、キャラクターより世界設定が中心で回っている気がしたので、むしろこれでバランスがとれているのでしょうか。

そんな感じで、褒めてるのかどうか微妙なレビューになりましたが、全体的には「普通だけど面白かったかも。」という感想です。

観終わった直後は、前半の退屈さの名残もあって、あまり人気が理解できなかったのですが、「謎解き」をしたくなる要素があるストーリーだったので、時間が経つにつれてじわじわきた感じがあります。ネットであれこれ調べるとさらに興味が増すので、日本でもリピート客が多いんじゃないかなと思いました。

私は新海誠監督の映画を見るのは初めてです。日本のアニメ映画では宮崎駿監督、庵野監督のエヴァンゲリオン、細田守監督の「サマーウォーズ」「おおかみこども」などなどが好きですが、それらに比べると、どこか爽やかすぎて、アラフォーには気持ちが入り込みきれない感じがありました。

好きだという人の気持ちもわかるし、何か物足りなさを感じる人の気持ちもわかる気がする、そんな作品でした。

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