映画「エビータ」
私的アルゼンチンシリーズ。ミュージカル映画「エビータ」を見ました。アルゼンチンの歴史的有名人と言えばゲバラとエビータではないでしょうか。この映画はその彼女の生涯を描いたミュージカル「エビータ」を映画化したものだそうです。見るのは二度目なのですが、一度目にイマイチと思いつつ、今回復習のためにもう一度見ました。
お話ですが、ネタバレもなにも史実なのでご容赦を。アルゼンチンの貧しい村で私生児として生まれたエバ(エビータ)が、15歳でブエノスアイレスに上京し、女優からやがてファーストレディになり、政治活動にも関わるようになる。精力的に活動し、特に労働者階級から強い支持を受けるが、33歳の若さで病に倒れてその生涯を閉じる…というお話です。
以前この作品にがっかりしたのは、もろアルゼンチンを描いた作品なのに英語だったこと。(デモの横断幕、冒頭の映画のシーンや、その他生活音はスペイン語。)私が違和感感じるくらいだから現地の方にはもっと変な感じがするのではないでしょうか。あと、とにかく途切れなく歌が続くこと。ミュージカルだから仕方ないのですが、個人的に歌にしない方がいいと感じるシーンがちらほらありました。
一方で、やはり人気のミュージカル作品とあって歌がよかったです。「Don't cry for me Argentina」は私の定番カラオケ曲(笑)なのですが、ペロン就任の際、これを民衆の前で歌うシーンはなかなか圧巻です。大衆が歌う「New Argentina」も力強くてよかったなぁ。
あと、当時のアルゼンチンという国の空気を感じることはできた気がします。エバが演説をするカサ・ロサーダ(大統領府)も実物を使ったそうで、あまり興味が無かった場所なのですが、ぜひ訪れようと思いました。人々が、嬉しい時も悲しい時もタンゴを踊る姿は印象的でした。
なんだか終盤があまり楽しめなかったのですが、エビータがなぜあれだけ愛されるファーストレディなのか、この作品を見ただけだとよくわかりません。皮肉った描き方も悪くは無いのですが、彼女の民衆に対する魅力をもう少し知りたいです。
ちなみにジャケットはアントニオ・バンデラスとマドンナ(エバ役)ですが、アントニオ・バンデラスがペロンなわけではありません。彼は謎のストーリーテラーで、エバの出生から最後までを民衆の一人として皮肉りながら解説する人物です。