高専ロボコン2010全国大会 in 両国国技館(11/21)

   


今年も高専ロボコン全国大会を観戦してきました!

私にとってはロボットファンになった原点のイベントであり、そして一年で一番好きなロボットイベントです。そして、唯一、泣けるイベントでもあります。今年も学生の涙にもらい泣きしたり、力強い言葉に勇気をもらったりしました。

今年の高専ロボコンのテーマは「ロボ力車」。すでに地区予選の時にもルールを書きましたが、簡単に書くと二足歩行ロボットが人間が乗った台車を運ぶ競技です。ただ、ゴール手前に鍵穴があり、鍵を入れないとゴールできないといった障害物があります。



ポイントは、二足歩行ロボの直線コースを進むスピード、台車との連結、パイロンのターン、そして鍵の4つだと思います。高専ロボコンが二足歩行ロボットをルールに取り入れてから今年で3年目なのですが、二足歩行に関しては多くのチームのロボットが躊躇なく進んでいくのが素晴らしいと思いました。もう、高専ロボコンで二足歩行というのは大きな課題では無いのかもしれません。その進化の過程を目撃していると思うとドキドキします…。

全体的な競技の印象は、去年のダンスに比べるとシンプルです。特に優勝狙いのメカほどシンプルで、目的達成のための最短距離を探っているような気がしました。(それは毎年そうなのかもしれませんが…。)わざわざ見せるためのパフォーマンスも去年ほどはなかったと思います。でもやっぱり高専ロボコン。工夫がある面白いメカとかたくさん出てきました!

あと、ロボットと関係ないですが、学校紹介のビデオのレベルが年々上がってるのが気になります(笑)。編集や演出がこってるところは非常にクオリティが高い。かなり豪快に笑って楽しませてもらいました。個人的には長野高専のビデオがメカの特長もよく伝えてて好きかな。

さて、すでに公式サイトで発表されてますが、大会結果は以下の通り。

----------
・ロボコン大賞:仙台高専
・優勝:鹿児島高専
・準優勝:和歌山高専

・アイデア賞:奈良高専
・技術賞:岐阜高専
・デザイン賞:熊本高専
・激走賞:松江高専

・特別賞:岐阜高専(本田)、鶴岡高専(電気事業連合会)、長野高専(マブチモーター)、群馬高専(安川)、熊本高専(東京エレクトロンFE)
----------

まず、トーナメント戦で競技として勝ち上がったのは鹿児島高専「Rose Road」と和歌山高専「ウメンライダーW」。この2校、とにかくメカとして固い印象でした。見ていて安心というか、動きが速くて正確。決勝戦も競技として非常にエキサイティングな接戦でした。


ロボットとして見ていて面白かったのは松江高専の「Homing」、福井高専「Air Walker」、産技高専(荒川)「歓声!Moment」。

「Homing」は空気圧でジャンプするロボットです。8気圧を20本積んでるそうなのですが、ばうーん!という軽快な音を立てて高く飛んで前進します。笑えるのが、その二足歩行ロボットは人間の台車に連結しても、それと同じ動きで移動すること(笑)。非常に乗り心地が悪そうなその台車は、イスに座ってイス越しにバットで殴られるような衝撃を受けるそうです。


「Air Walker」はホバークラフトロボ。家の掃除機をお母さんに内緒で持ち出したとか?(笑)。足の部分は浮き輪でした。

「歓声!Moment」は、地区大会で私が興奮したロボ。大会最大のロボであり、大会最少の消費電力で動くロボです。その名の通り「慣性」で前に進むので、ゆっくりなのですが、ダイナミックな動きは相変わらず美しかった。地区大会に比べて見せ場が無くて何も賞が取れなかったのは残念だな~。


デザイン賞および東京エレクトロンFE賞をとった熊本高専の「スチームランナー」も良かったです。SLを模したそのデザインは、人を乗せるものとしてわくわくするようなフォルムでした。見どころであり評価されたのは連結が自動だった点なのですが、そこは観客席からはよく見えず残念。


そして栄えあるロボコン大賞を受賞したのは、仙台高専の「Aruyo=Aruyo」。東北地区初の大賞受賞です。おめでとう!このロボットの最大の特長はカメラで照準合わせて鍵を射撃するシステムでしょうか。射撃系って失敗の確率が高いので採用するロボってどうなんだろう、と思ってましたが、このロボットはすごい高確率なんですね。残念ながらこれまた観客席からはよくわからないのですが、面白いかも。正直地味だと思ってたのですが、「Aruyo=Aruyo」は安定した歩行で、地区大会で優勝しているという点も評価が高いのかもしれません。


ちなみに私たちがロボコン大賞では?と思ったのは岐阜高専の「Accel」でした。人に近い歩行を目指した二足歩行ロボットが、台車と連結後になんとバイクになってしまうという代物です。二足歩行ロボットを横に倒して差し込み、肩の部分がバイクの後輪になるという機構がなんとも奇抜でしょ!そしてバイクとして走り始めるとそのフォルムがなかなかバイクっぽいのもすごかったです。本田賞は間違いない、と思ったら案の定でした(笑)。


確か、八戸高専の学生だったと思いますが、試合後に

「夢を実現させようと思って、夢を実現させた」

と言っていたのが印象的でした。誰もが簡単に言える言葉ではないと思います。あと、ロボコン大賞を受賞した仙台高専の学生が

「(先輩に)付いてきてよかった」

と言っていたのも素直に心に響く言葉でした。先輩と後輩がお互いを讃える。社会人になってもぜひ言ってみたいセリフだよね~。

出場した高専生の皆さん、いいものたくさん見せてくれてありがとう!
来年も楽しみにしています。がんばってね!


※(おまけ)
金沢高専はサンタを3人乗せていて愉快でした。他にも一人でいいのに二人以上台車に乗せた学校がいくつかありましたが、ある意味強気(笑)。


今年も大分高専がロボットに国体キャラのめじろんを採用しました。さらに、会場にめじろんが応援に来てました!(めじろん好きのトリプルH氏が発見。)拍手したり、隣の人とおしゃべりしたり、飛び跳ねたり、非常にかわいかったです。途中、隣の鹿児島高専に応援に来てたローズちゃんと一緒に応援を始め、なぜか会場でそこだけ「ゆるキャラサミット状態」だと笑ってました。


当日の写真はこちら。(予告なく削除することがあります。ご了承ください。)

Google Adsense

※当ブログはブログランキングに参加しています→にほんブログ村 超未熟児育児

 - ロボット関連