映画「ペーパーバード 幸せは翼にのって」

   

EU FILM DAYS 2012で映画「ペーパーバード 幸せは翼にのって」を見てきました。2010年のスペイン映画で、日本では昨年夏に公開されていたようです。知らなかったなぁ。

今回のイベントのチラシでこの作品は、おじさん二人と子供のじゃれあう笑顔の写真と共に下記のような紹介をされていました。

「1930年代、スペイン内戦下のマドリード。爆撃で妻子を失い、生きる希望を失った喜劇役者が、劇団の相方と彼に引き取られた孤児との触れ合いを通して、次第に笑顔を取り戻していく。」

…おお、これはスペイン内戦を扱いつつも、明るい作品かもしれない!

て、期待するじゃないですか。しかしそんなことはなかったです…。以下、ネタばれ含む感想です。



一言で言いうと、暗い。。
劇団という明るい材料を使ってるにも関わらず、ずっと画面が重い感じです。

鑑賞後に「ライフ・イズ・ビューティフル」と「蝶の舌」を思い出しました。淡い温かさを感じつつも、結局戦争が生み出す強烈な悲しみと辛さで心が苦しくなりました。

映画の内容ですが、主人公ホルヘは確かに孤児ミゲルとの出会いで心の変化を覗かせるのですが、決して最後まで明るくなる感じはしません。二人の距離は最後には強い絆を作るまでになるのですが、やはりホルヘは影を残したままの印象でした。反体制の動きに手を貸さないまでも、反抗的な態度を取るホルヘにはびくびくしたし、何を考えてるのかもわかりづらいし、妻子を失った傷からずっと抜け出せない印象でした。本当に最後の最後にミゲルとのつながりから海外への脱出を決めますが…時遅し…。

ただ、ミゲル視点で見ると、ラストはすがすがしく感じました。彼自身は両親を失った後、とても大切な出会いによってその後の人生を開花させたわけですから。

最後はおんおんと泣いたりしましたが、涙の質としては感動20%、やりきれなさ80%という感じでした。

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