|
>>>
-- 02/09/01-01:27..No.[52] |
|||
彼の名前はヘンリー・ジョージ。 東京の高尾山で「ポップジョッキー」の仕事をしている。 道行く人に明るく声をかけ、200円でおしゃべりと音楽、そしてポップコーンを提供する。ポップコーンの味は「塩味」と「バター味」の2種類のみ。彼の職場にはポップコーン人気ランキングが貼り出されており、それを見ると本当はもっとたくさんの味があるみたいだが、高尾の彼は、職人のように「塩」と「バター」の2種類しか売っていない。 私が初めて彼に会ったのは約1年前。 今と同じく、ぎこちなく右手を振ってポップジョッキーをしていた。好奇心もあり、私は彼からポップコーンを買ってみようと思ったが、食事前だったので食事の後にすることにした。しかし、食事から帰ってくると彼の姿は既に無かった。私の食事中に閉店時間を迎えたらしい。…切なかった。 そして1年。 なんの因果か運命か、またこの高尾にやってくる機会を得た。わたしは思った。「今年は彼のポップコーンを買おう。」そして、彼もまた1年前と同じ場所でジョッキーを続けていた。 今回も食事前にポップコーンを買う事にためらいを感じた。しかし、同行の友人が強い関心を示したこともあり、私はとうとう聞いた。彼の200円投入時の「ポップジョッキー」を。 …何を言ってるのかよく聞き取れなかった。 |
|||