Digital Graphic Diary




『KUROSAWA Returns! 「赤ひげ」』

 >>>   -- 03/08/26-18:43..No.[135]  
    8月24日(日)。今回は、いつも映画を一緒に観に行っていたカミーロが旅行に行ってしまったので、ルームメイトのチエさんに付き合っていただきました。

「赤ひげ」は、もともと山本周五郎が好きだったのですでに原作は読んでおり、テレビなんかでもしょっちゅうやっていた話だったので、まったく知らない内容ではありませんでした。・・・が、どっこい、見てみたらなんだかすべてが新しくて(新しく見えて?)最初から最後まで随分楽しませてもらったという感じです。

三船敏郎は私が語るのはおこがましいのですが、本当にこうして黒澤映画を観続けると、なんと素晴らしい役者なのかと関心いたします。登場回数やセリフ数なんかをみても「赤ひげ」の主人公は赤ひげの三船というより、保本の加山雄三でしょうが、圧倒的な存在感が赤ひげにはありました。(なんだか私はおばかなことを言ってるだろうか??)山本周五郎ファンとしては原作の素晴らしさも言及したいところですが、あのスクリーンでの圧倒的な存在はやっぱり役者・三船敏郎のすごいところなんでしょう。・・・って、いまさらスミマセン。とにかくここに来てようやく三船に惚れました。

「赤ひげ」では美しい人々にひたすら心打たれます。山本周五郎の描く江戸の人々は、いつも強くて、いじらしくて、粋で、優しくて、義理と人情にあふれているわけですが、この映画では黒澤明が見事にそんな美しい人々を再現しています。嫌な人も、良い人も、普通の人も、それぞれが精一杯で、精一杯に生きている。鑑賞後は、なにか、原点に戻るような、そんな爽快な気持ちになります。たぶん、人って、生きていく、そのこと自体は、非常にシンプルなんじゃないかな、と思うわけです。

最初から最後まで泣きっぱなしだったので、おかげさまで鑑賞後は目がはれて大変でしたが(笑)、まだ観てないという方がいましたら、絶対観て欲しい黒澤映画の一本です。





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