Digital Graphic Diary




『映画「グッバイ、レーニン!」』

 >>>   -- 04/08/30-21:38..No.[188]  
    私は基本的に涙もろいので、映画で泣くことは全然珍しくありません。それどころか、本編が始まる前の特報(映画の宣伝)からいつもオロオロと泣いています(笑)。・・・で、そんな私ですが、今回も例外なく泣いてまいりました。2003年最高のドイツ映画と言われる(?)「グッバイ、レーニン!」です。

もともと恵比寿で上映されていたのですが、公開当時からすごい人気でした。私もある土曜日の朝に張り切って劇場に足を運んだのですが、立ち見と言われて憤然として立ち去ったのでした。(ギリギリに行ったのが悪かったんだけど。朝一の回から立ち見ってのに驚いたのよ〜。)・・・そんなわけで、ずっと観たい映画だったわけです。今日はほどよく時間が経ってたおかげで、名画座の飯田橋ギンレイホールで安く観ることができました。

以下、ネタバレもあるのでこれから観る方はご注意。

まずはストーリー。
物語の舞台は壁の崩壊前後の東部ベルリン。アレックスの家では父が一人西に亡命してしまい、残された母親はその寂しさを紛らわすかのように東ドイツの愛国主義者になっていく。そんな母はある事件を目撃したために心臓発作で倒れてしまい、8ヶ月昏睡状態に。母が眠る間ベルリンの壁は崩壊し、ドイツは東西統一へと向かっていった。西の文化が次々と流れ込んできたそのときに母は昏睡状態から目覚めるが、もう一度ショックを与えると命取りと医師から言われたアレックスは、愛国主義者の母に東西統一の事実をひたすら隠そうとする・・・。

・・・初めてこのあらすじを聞いたとき、なんだか主人公はマザコン気味だなぁと思ったのですが、全然そんな映画ではありませんでした。アレックスの異常なほどの奮闘振りはある意味マザコンとも言えるのかもしれませんが、何か、それ以上にしっかりとした母親と息子のお互いの愛情を感じるストーリー立てになっているのです。(特にクライマックスでそれに気がつきます。)

あのベルリンの壁が崩壊したときの、東側にいた人々が経験した精神的な物理的な新しい波がどんなものであったかは、日本人の私にはまったく想像がつきませんが、アレックスがそこに抵抗を試みれば試みるほど、あの時代の変化の大きさが伝わってくる映画です。

母と息子、そしてあの時代を描いて伝える映画として、とても興味深い映画でした。

・・・なんだか真面目に書いてしまったので気難しい映画に聞こえてしまったかもしれませんが、実際は笑いもあって明るいストーリーです。画面作りやインテリア、小物なんかもディテールかわいい映画です。ぜひ気軽に観て欲しいです。


ところで、飯田橋のギンレイホール、座席が綺麗になっていてビックリ。その昔「ダンサー・イン・ザ・ダーク」をここのきしむ椅子で観たときは心身共に疲労困ぱいした(映画も椅子も辛かった)のだけど、なんだかふかふかのドリンクホルダー付きの椅子になってました。ただ、私の前の席の人、頭少し薄いのに前髪だけ立ててて、そのせいで字幕が観にくかったのがちょっと痛かった。

あと、久しぶりにこの「グッバイ、レーニン!」で映画のパンフレットを買ったのですが、これが製本のミスなのかそもそも装丁デザインのミスなのか、えらく読みにくいものでした。一番外側の紙(表・裏表紙になる紙)が厚くて硬く、中のページがめくりにくいのです。もっと分厚い本なら大丈夫だったのでしょうけど、56ページにこの紙は選択ミスだなぁ・・・と素人にも思えました。

私ったら文句ばっか(失笑)。








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