|
>>>
-- 04/02/24-23:38..No.[169] |
|||
今キャリアデザインの本を読んでいるのですが、ハッとするようなお話がありましたので、ご紹介したいと思います。出典は「働く人のためのキャリア・デザイン」(金井壽宏氏、PHP新書、2002年)です。 タイトルに書いた「RJP」というのは「Realistic Job Preview」の略で、そのまま日本語にすると「現実主義的な仕事情報の事前提供」という訳になります。 一体それは何?・・・というのを砕いて書くと、採用現場において、新卒採用でも中途採用でも、はたまた社内募集による人事異動についても、事前にその仕事の良い点も悪い点もすべての情報をその職を希望する人に提供するということです。この本に書かれていたのは、今の採用現場(特に新卒採用)にはこの点が欠けているのではないかという問題提示でした。 その例として挙げられていたのが、良いことしか書いていない「会社案内」や「入社案内」。現実には大変なことがたくさんあっても、かっこよく活躍する社員の姿や成長する会社のイメージのみを伝えるものが実際はほとんどだと思います。この本では、そのような「大切なことを故意に語らない」ことを「白い嘘」と表現しています。 一見すると「そんな会社の悪い部分を書いたら人が集まらないのでは」と思いがちなのですが、実は良い点も悪い点も書くことで、求職者の誤ったイメージを払拭し、お互いの誤算を防ぐことで会社への定着率が上がると言う結果をもたらすそうです。 とてもわかりやすい例として挙げられていたのが1900年ごろのロンドンの新聞に掲載されたという南極探検隊員の募集広告。(以下、P181から引用) -- 求む男子。至難の旅。僅かな報酬。極寒。暗黒の日々。 絶えざる危険。生還の保障ない。 成功の暁には名誉と賞賛を得る。 -- うーん。なるほどと思いませんか? これがもし最後の一行と、もっと良いイメージのコピー文だけで構成されていたら、誤った良いイメージだけをもった人が応募して、南極で恐ろしく後悔するめにあうかもしれません。 学生が会社を決めるのに、イメージはとても大きな役割を果たすと思います。良いことしか書いてない会社案内を読んで、入社し、「違った」と思って数年で退社。会社も採用にお金をかけているでしょうから、これはお互いにとって良くない結果です。 中途採用となると、一度社会を経験しているので、イメージだけで就職先を決めることはないと思いますが、それでも十分な情報が得られない場合は会社案内やホームページなど、公開された(基本的にネガティブな情報はない)媒体の情報に頼らざるを得ないと思います。派遣社員の募集なども、サイトのキャッチコピーを見ていると「おしゃれなオフィスで働ける!」と言ったようなよいイメージ付けしか見られません。 結局みんなそうやってミスマッチを起こしてるんじゃないかと深くうなずいてしまいました。 まぁ、ただ、だから会社案内がいけない、とかホームページがいけない、とは思わないのですが、少なくとも面接現場などではできるだけリアルな情報をたくさん求職者に提供することが大切で、一方で求職者も、質問することでそのような情報を相手から引き出すことが大切なんでしょうね。 なんか、ちょっと悩んじゃいましたよ(笑)。 ※写真は(全然本文と関係ないですが)コロンビアのバナナのフライ「パタコン」。食べたい〜。 |
|||