シンガポールから本帰国:日本での部屋探しとわが家の不動産に対する考え

   

桜の季節が過ぎた日本は、気候がすっかり春らしくなり、寒さでやられた体も回復しつつありほっとしている日々です。

さて、執筆に時間を要し、だいぶ更新が滞ってしまいましたが、シンガポールから本帰国シリーズの続きです。今回は日本での部屋探しと、住居としての不動産についてどう考えているかについて書きたいと思います。

100%日本の話であり、シンガポールはほとんど関係ありません。ただ、海外生活を経て帰国した者として、帰国直後にわが家がどのような考えを持ったかを備忘録的に記事にしたいと思いました。

おことわり

最初に書いておきたいのですが、私たち夫婦は住居について「賃貸派」です。夫婦それぞれ違った人生を歩んできましたが、それぞれの経緯がありながら今の考えに至っています。

以下、「購入」について否定的な内容も含みますが、家を買った人たちを否定することが目的ではないのであしからずご了承ください。

また、不動産事情については主に東京区部の話をしています。東京区部以外では、また考えが異なってくるポイントもあるのではと思います。


なぜ「賃貸派」なのか

リサは大学進学とともに家を出てから、国内のあちこちを移動する人生を送りました(挙げ句の果てがシンガポール……)。その結果、「家を買う=定住する」という状態が考えにくいようです。

他にもお金のことなどの理由はあるようですが、彼は私以上に「家は買わずに賃貸」ということに対して強固な考えを持っています。

一方私は、元来の甘えた性格と家族関係が良好だったことに加え、実家が東京だったこともあり、結婚まで家を出る理由やきっかけがありませんでした。そうこうするうちに、家を出るという発想自体が薄いまま、人一倍長く実家にパラサイトをした人生でした。

恥ずかしながら、自立すべきという危機感も薄いまま年を重ね、そもそも住居としての不動産について深く考えることもなかったのです。

そんな私がなぜ「賃貸派」なのか。

自分でもどうしてそうなったのかわからないのですが、なぜか若い頃から「住居としての不動産の購入」に対するネガティブな情報に接する機会が多かったのです。

それはメディア、人の話などがソースです。

恐らく私が若い頃、周囲で所帯持ちの人たちは購入派がほとんどだったと思います。そして購入派の多くは、似たような「購入のメリット、賃貸のデメリット」の考えを持っていました。それが納得できる内容であっても、同じ話を何度も聞いていると頭に残らなくなってきました。

そういう状況で、時折強烈な「賃貸派」の話を聞くと、そのインパクトは大きいです。

たとえば、ある会計士さんが持ち家を売って賃貸に移り、「売れて本当によかった。二度と家は買わない」と話していたのを聞いたときは、住み替えたいと思っても、家は売れなきゃ維持費がかかる負債なんだと強く印象づけられました。

また、趣味でFPの勉強をしていたとき、税理士さんからマンションの修繕積立金不足の問題や、一軒家の修繕維持のコストの話などを聞くことがありました。不動産を所有することの大変さを垣間見たのです。

独身で結婚のあてもなかった(笑)し、お金もない私は、それぞれのメリット、デメリットを詳細に調べたりシミュレーションすることはありませんでした。しかし、たとえ結婚して実家を出るとしても、購入に対してポジティブなイメージを持てなかったのです。

そしてようやく結婚した相手が強固な「賃貸派」……。「購入」という考えはますます遠のいたのでした。


苦労した日本での部屋探し

海外在住者が日本に本帰国する場合、国内で転勤があるご家庭は引き続き賃貸になるかと思いますが、不動産を持っていない人がどこかの都市に留まる目処がある場合、買うか借りるかという話が出てくると思います。(そもそも駐在・転勤が想定されるご家庭は家を買わないと思いますが……。)

わが家の場合、買う、という話は当然微塵も出ませんでした。なので、帰国後迷い無くすぐに賃貸の部屋探しを始めました。

夫の第一条件は立地です。通勤電車が人一倍苦痛な人なので、会社までの距離とルートが最優先です。あれこれ調べることもなく、一番いいエリアというのはすぐに決まり、2つの街の不動産屋をしらみつぶしにまわりました。

部屋探しは楽観的でも悲観的でもなかったのですが、かなり苦労したと思います。最終的には妥協した部分も当然ありました。それは、単純に私たちの希望と家賃のマッチが難しかったのもありますが、そもそも希望の物件自体が非常に少ないように感じました。

部屋探しが落ち着いた頃、「マイホーム価値革命―2022年、「不動産」の常識が変わる (NHK出版新書 519)」という不動産市場の未来について書いた本を読みました。興味深く読んだのですが、私たちの苦労の背景についてかなり腑に落ちる部分がありました。

そもそも東京は賃貸のファミリー物件が少ないのです。それはこれまでの市場が供給者側のロジックでまわっていたため、賃貸向けには投資効率がよいワンルームが多く作られてきたというのです。そのため、多くのファミリーは分譲という選択肢を選んできたとのことでした。

現在の部屋を決めた時、不動産屋さんが「賃貸のファミリー物件は少ないからいいと思いますよ」と言っていたのを思い出しました。

生産緑地法の指定解除などを例に、近い将来には借り手有利の状況がやってくるとこの本には書かれています。不動産を持たない者として、あと数年我慢すればより理想的な住環境が得られるのかと期待を抱きたくなります。

実は、若干の迷いも出た

そんなわけで、私たちはとりあえず「賃貸」で住む場所を得たわけですが、実は、私に若干の迷いが出ました。タイミングは今ではないにしろ、近い将来「買う」ことを想定してもいいんじゃないの? ……という気持ちが5%くらいうまれたのです。

5%という数字が高いか低いかはともかく、今までまったく考えなかった感情がわいたことに自分で驚きました。

その理由はいくつかありますが、1つは家探しで苦労したように、賃貸市場にファミリー物件が少ないことです。2部屋以上の間取りを探すと、分譲の方が選択肢が多くあるのではと思いました。

ただ、これについては前述のように市場が変わっていくことが考えられ、数年の我慢ではと思っています。

また、これは分譲のメリットとしてよく言われることですが、やはり賃貸より分譲の方が設備がいいように思います。いくつか物件を見た中で、明らかに賃貸専用だから安い設備を入れたな、という部屋がありました。共有部分も然りです。

私たちは最終的に分譲マンションを賃貸したので、建物は分譲クオリティではと思います。しかし、部屋の中の設備は(大家さんのさじ加減で)新旧入り交じった妙な状態になっており、自分たちの意のままにならないもどかしさを感じます。

そんな気持ちが突如わいてきたので、リサに何気なく聞いてみました。

「今後、家を買いたいと思う気持ちは多少でもあるの?」と。

そしたら即座にキッパリと「ない」と言われました。自分の職業人生を考えたとき、ブレないというか、ブレようがないのかもしれません。

実は私たちがシンガポールから本帰国する際、東京以外に戻ってくる可能性がありました。具体的には、大阪か名古屋で働くという話があったのです。加えて、数年後にシンガポールに舞い戻るのではと思える話もありました。

また、現在は東京に住んでいますが、リサがよく出張する場所があり、その都市に住むという選択肢が現時点でもあります。車必須の場所なので、免許がない・田舎暮らしができない(だろう)私のせいで東京におりますが、むしろ私がそこに住みたいと希望すれば、東京に住んでいない可能性があるのです。

さらに、外資畑のリサが今後も転職をする可能性はとても高いです。

海外は(できれば)もう勘弁してほしいですが、国内のほかの都市に住む可能性はなくなりません。それも数年単位の話です。こうなると転勤族と同じではないでしょうか。。

リサが思うように、定住できない人生なので、やはり家は買えないのです。


今後もずっと「賃貸」の人生

留学、一人暮らし、結婚、シンガポール生活と、これまで人生で幾度かの引っ越しをしましたが、そのたびに「物の量」と「機動力」について考えることがありました。

私(たち)にとって、最大の「物」になるであろう「不動産」はやはり持つのは難しいのかもしれません。

リサの毅然とした態度に、そもそも賃貸と購入を比べる意味が私たちには無い状況を改めて理解しました。しかし、私も元々「購入」に否定的だったわけですから、流れに身を任せるしかないのでしょう。海外・国内問わず、移動を続けるご家庭は珍しくないし、私も特殊でつらい人生だとも思っていません。(面倒ですけど。)

家に対する理想や妄想がないとは言えませんが、夫婦離れて暮らすことはまったく考えていない今、リタイアの日まではできるかぎり胸の奥にしまっておきたいと思います。

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