本帰国前に行っておこう:シンガポールでの日本人社会の歴史に触れる場所「日本人墓地公園」

本帰国前に行っておこう:シンガポールでの日本人社会の歴史に触れる場所「日本人墓地公園」

いよいよ大晦日ですね。このブログは書き溜めとか予約投稿とかしてないので、本記事はリアルに大晦日に執筆中です。シンガポールネタ、年を越すだろうなぁとは思ってましたが、やはり間に合わなかったですね……。体裁は気にせずマイペースに行きたいと思います。

さて、シンガポール在住中に行っておいてよかったと思ったり、本帰国前に駆け込みで行った場所について紹介シリーズです。第四弾は、「日本人墓地公園」です。

シンガポールの日本人墓地公園入口
シンガポールの日本人墓地公園入口

わりと軽い気持ちで行ってきたのですが、墓地ができた経緯、ここに眠る人たちのエピソード、そして日本と同じような墓石を目にして、思っていた以上に「シンガポールの日本人社会の歴史に触れる場所」であることを知りました。私なんぞはシンガポールに一時的に住んでいただけですが、こちらに永住を決めた人たちにとっては、より意味のある場所なのではと想像します。

行ったのはもう半年前になるので、思い出したり、調べたりしつつ書き進めたいと思います。


行ったことがある人は少ない? 行き方とそのエリアについて

いきなり言いがかりみたいなイントロですが、在住者でこの「日本人墓地公園」に行ったことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。周囲で行ったことがあるという話をあまり聞きませんでした。

その理由は、行きづらい場所であること、お墓であることが挙げられるのではないかと思います。

まず場所ですが、シンガポールの北東ホウガン(Hougang)エリアにあります。地図を見ると最寄駅はコバン駅のように見えますが、適当なバスが見つけられず、セラングーン駅から行きました。

The Japanese Cemetery Park
825B Chuan Hoe Ave, Singapore 549853

記憶があいまいで恐縮なんですが、下記の地図の赤枠のバス停で降りて歩いて行ったと思います。バス停からは徒歩2,3分程度でした。

日本人墓地公園の場所
日本人墓地公園の場所

セラングーンは大きな駅ですが、中心部とは言えないし、観光スポットもないので、やはり来るとなると「わざわざ行く場所」になるかと思います。加えて駅からさらにバスに乗る必要があるので、行きづらい場所ではないでしょうか。

また、ここは墓地です。紛れもない「お墓」です。見て楽しむものがあるわけでもないし、食事やお茶を楽しむ場所もありません。ファミリーやマダム、もしくはカップルが、レジャー目的で来る場所ではないのは明らかです。

この道の先が公園入口
この道の先が公園入口

その2つの要素を考えると、在住者でここを訪れる人は意外と少ないのではと思います。

シンガポール日本人墓地の歴史

シンガポールの日本人墓地の歴史については、ネットでいくつも情報が出てくるので、簡単に書きます。

まず、公園入口の看板に書かれた沿革の要約です。

以前、シンガポールで死去した日本人の遺骨は、牛馬の遺骨場に埋められていました。当地で成功した二木多賀次郎が、そのことを悲しみ、所有するゴム林の一部を提供したことがこの日本人墓地の始まりです。1888年に二木多賀次郎、渋谷吟治、中川菊三の3名で、ここを日本人共有墓地として使用する申請をイギリスに行い、3年後に許可を得て、日本人墓地となりました。

上記の他、NLBのサイトの解説(→Japanese Cemetery Park)によれば、19世紀後半に日本から娼婦としてシンガポールに渡った「からゆきさん」と呼ばれる、貧しい農村の娘たちの埋葬のためだったとの記述もあります。実際、墓地の半分が彼女たちのお墓だったそうです。

その後、時代の変遷とともに「からゆきさん」は帰国していき、それ以外の当地で亡くなった日本人の埋葬地として使われていったそうです。

そして戦中・戦後は戦争関係者の墓地や記念碑が作られるようになりました。

なぜ墓地「公園」という名前なのか

ここは「日本人墓地」ではなく、現在は「日本人墓地公園(Japanese Cemetery Park)」という名前がついています。実際に行くまであまり意識しなかったのですが、この「公園」であることにも歴史がありました。

前述のような歴史を経た後、敗戦により一度接収されたものの、日本総領事館、そして当地の日本人会に管理が移されました。

しかし、土地不足のシンガポールは、国土開発の過程で多くの墓地の閉鎖・移転を行います。前述のNLBのサイトの解説によれば、日本人墓地も1973年時点で埋葬禁止令が出ています。それが1987年、とうとうシンガポール政府から墓地接収の告知があったのに対し、当時の大使が陳情したそうです。結果、リースによる墓地存続の許可が下り、さらに日本人会の記念事業として公園化したとのことでした。(→看板の解説より)

細かな交渉の過程などはわからないのですが、40を超えるシンガポールの墓地が整理されていく中で日本人の墓地が残されたというのは、いい意味でのシンガポールと日本の関係の深さを感じられる点だと思います。

でも、やはり「公園」ではなく「墓地」なんです

私は以前、この日本人墓地は、公園としてよく整備された明るい場所だという説明をどこかで読んだことがあります。確かに、ただ墓石が無機質にならぶだけの墓地ではありませんでした。立派な日本風の御堂が建っていたり、豊かな生垣や華やかなアーチがありました。公園らしく演出している雰囲気が十分にありました。

華やかなブーゲンビリアのアーチ
華やかなブーゲンビリアのアーチ

しかし、実際に行ってみたら「うーん、やはり墓地だね」というのが素直な感想です。行った日はお天気が悪く、シンガポールにしては珍しく一日暗くてじとじとした雨が降った日だったのです。それが余計に墓地らしさを演出してまして……正直薄気味悪さも感じたし、一人だったら怖くて全部見ずに帰っていたくらいでした。(幸い知人に付き合ってもらっていて二人でした。)

ただ、それはもちろん悪い意味ではなく、墓地は墓地であることを前提にしつつ、よく整備された場所であるということです。日本人墓地近辺は、大きな一軒家が建ち並ぶ閑静な住宅街です。そんな立派な家々の間に外国人の墓地があることに、違和感をまったく感じないわけではありません。なので、公園としてこの地を管理・整備する日本人会、シンガポールの日本人社会の、この土地を貸してくれているシンガポールへの配慮を感じるわけです。このあたりのニュアンスも、実際に足を運んで感じてみてほしい点です。

「日本人墓地公園」の見どころ

どんなお墓、記念碑があるかについていですが、園内にわかりやすい絵図があります。これをしっかり見た後に回るといいかもしれません。

日本人墓地公園の地図
日本人墓地公園の地図

私が感慨深い気持ちになったのはやはり「からゆきさん」のお墓でした。ぽつぽつと、小さく質素な墓石が並んでいます。もともと多くは木標だったのを墓石に替えたそうです。貧しいまま異国で命を落とした女性たちの存在に思いをはせると、切ない気持ちになります。

からゆきさんの看板と墓石
からゆきさんの看板と墓石

また、戦争関係者のお墓・記念碑というのも、見ていて複雑な気持ちです。日本からしてみれば、日本のために戦って命を落とした人たちかもしれませんが、ここは日本が占領したシンガポール。日本でなくシンガポールで埋葬する意図や意義があったのでしょうか。

ちなみに、二葉亭四迷のお墓があるという記述を時々見かけますが、ここにあるのはお墓ではなく記念碑だそうです。

二葉亭四迷の記念碑
二葉亭四迷の記念碑

ぜひ帰国前リストに加えてほしい

シンガポールへの関心のポイントは、本当に人それぞれだと思います。歴史や文化より、「今のシンガポール」を楽しみたい人たちに「日本人墓地公園」訪問を勧めるのは、なにやら説教くさい感じもします。

ただ、ここを訪れたことで、シンガポール、シンガポールと日本との関係についての新たな関心や視点が生まれる気がいたします。

また、今まで「シンガポールにおける日本人の歴史」についてあまり関心を払ってこなかったことにも気づきました。私たちは、永住目的の移住ではありませんでしたが、在住中にシンガポール社会に受け入れてもらっていたのも、先住の日本人たちの築いてきた歴史のおかげだと思います。そんな先住の日本人の人たちの存在を改めて感じ、そして敬意を払いたくなる場所でした。

年明けもシンガポールネタを続けます

さて、日本はシンガポールより1時間早く新年を迎えます。

気持ちも新たに違う話を……とも思いますが、シンガポールの思い出話も私の人生の大事な一部。年明けももう少し、シンガポールネタを続けたいと思います。

それでは皆さま、どうぞよいお年をお迎えください!

本帰国前に行っておこう:在住者にお勧め「シンガポール・シティ・ギャラリー」。地理が分かると断然面白い

本帰国前に行っておこう:在住者にお勧め「シンガポール・シティ・ギャラリー」。地理が分かると断然面白い

シンガポール在住中に行っておいてよかったと思ったり、本帰国前に駆け込みで行った場所についてご紹介したいと思います。

第三弾は、URA(都市再開発庁)にある「シンガポール・シティ・ギャラリー(Singapore City Gallery)」です。

シンガポーリアンお勧め「シンガポール・シティ・ギャラリー」とは

HDBのモデルルームが面白かったことを、夫リサが会社で話したそうです。
→「本帰国前に行っておこう:シンガポールの公団(HDB)のモデルルームは興味深い

すると、シンガポール人の同僚が「それならここも面白いと思うよ」と教えてくれたのが今回ご紹介する「シンガポール・シティ・ギャラリー(Singapore City Gallery)」でした。URA(都市再開発庁)の中にある、またもや政府系機関の施設です。

URA「Urban Redevelopment Authority(都市再開発庁)」
URA「Urban Redevelopment Authority(都市再開発庁)」

URAは「Urban Redevelopment Authority(都市再開発庁)」の略で、シンガポール全体の開発を担っている機関です。周知のように、シンガポールは23区ほどの小さな国ですから、この限られた土地をいかに有効に使っていくかということに知恵を絞って実行していく機関です。「シンガポール・シティ・ギャラリー」はまさにそのURAの活動を分かりやすく公開している展示施設でした。

ギャラリーの外にもさまざまな都市計画の資料が展示公開されている
ギャラリーの外にもさまざまな都市計画の資料が展示公開されている

ビルの場所は、チャイナタウン駅とタンジョンパガー駅の間くらいです。有名ホーカーのマックスウェルのすぐ隣。チャイナタウン駅周辺はいつも観光客で混雑してるので、私たちはタンジョンパガー駅から行きました。


都市計画とは何か、シンガポールの戦略は

ざっくり言うと、ここは「都市計画とは何か」についてと、実際にシンガポールが実施してきたこと、そして今後の戦略についてわかりやすく説明している施設です。

URA内の「シンガポール・シティ・ギャラリー」入口
URA内の「シンガポール・シティ・ギャラリー」入口

HDBギャラリーに比べると、説明的でありながらも面白く感じる工夫がされていて、都市計画に関心がない人にも興味がわく内容でした。

開発コンセプト
開発コンセプト

例えば、なるほどと思ったのがシミュレーションゲーム。大画面にシンガポールの国土のイラストが映し出され、プレイヤーはそこに住宅、商業施設、工場、空港などのインフラを配置していきます。途中で都市計画のポイント解説を挟みつつ、最後に出来上がった国のスコアが出るゲームです。シムシティみたいなゲームで、「限られた国土」というシンガポール独自の課題と、それに取り組むことの重要性が、子どもにもわかりやすく仕上がっていました。

シンガポール国土にインフラを配置していくゲーム
シンガポール国土にインフラを配置していくゲーム

また、大きな映像でシンガポールの国土を映し出し、エリアごとの目的を見るのも面白かったです。例えば、西部のジュロンやトゥアスが工業地帯であることはご存知の方も多いと思います。小さな国だからこそ、どのエリアもそれなりに知っていて、在住者にとっては興味を引く絵でした。

各エリアの開発コンセプト
各エリアの開発コンセプト

戦略的な話では、地下の活用を検討している図が面白かったです。シンガポールだったら本気で、しかもすぐに実行に移しそうなだけに、未来絵図もリアルに見えるんですよね。数々の戦略が、実現性がありそうだというのも面白さの理由の一つかもしれません。

地下の開発のプラン
地下の開発のプラン

そして、圧巻なのが最後の巨大なシンガポールのジオラマです。世界最大級のジオラマだそうです。中心部だけなのですが、かなり細かく作られています。シンガポールの街並みを、まさに「bird’s eye view」、「鳥瞰」することができます。

巨大なシンガポール中心部のジオラマ
巨大なシンガポール中心部のジオラマ

これがまた、ただ地図を見るのとは違った面白さがあり、思わず張り付いて隅から隅まで見てしまいます。ミニチュアの建物としても面白いし、知っている場所はもちろん、そこから知らないエリアへどうつながっているかなども一望できるので、様々な場所に関心がわきます。そして知ったような気になって(笑)この街への親しみがわきました。

マリーナエリアは制作中?
マリーナエリアは制作中?

リピートしたくなる奥深さ

あまり細かく見て回ったわけではないのですが、それでもURAの活動の重要性がわかったし、シンガポールの都市計画に興味がわいたというのはやはり、展示が優れていたのだと思います。また、そういったことに関心がなくても、最後のジオラマだけでも一見の価値があります。

シンガポールにもっと詳しくなったり、少し自分で勉強したりしら、もう一度来てもいいかもと思える場所でした。

余談:マックスウェルでチキンライス

さて、以下は余談。

すぐ横に有名ホーカーセンターのマックスウェルがあるので、お昼はここで食べました。マックスウェルと言えば、5年前に「チキンライス戦争」が話題になったストール(お店)があります。「天天(ティエンティエン)海南鶏飯」と「阿仔(アータイ)海南鸡饭」です。

阿仔店頭に掲げられた「チキンライス戦争」の切り抜き
阿仔店頭に掲げられた「チキンライス戦争」の切り抜き

人気店「天天海南鶏飯」のベテラン料理人が、運営方針の食い違いで独立して作ったのが「阿仔海南鸡饭」で、古巣の天天のすぐ近くに似たような店構えで商売しています。

天天と阿仔はこんなに近くに店を並べている
天天と阿仔はこんなに近くに店を並べている

せっかくなので食べ比べてみようかと思ったのですが、天天の行列があまりにも長いので、あきらめて二人とも阿仔のチキンライスをいただきました。こちらは待っている人は3,4人ほどでした。

これが、すごく美味しかったです。チキンライスは文東記、ウィーナムキーのような有名店でも食べたことがありますが、一口目から「これ、うまい!」と思えたのはこの阿仔のチキンライスだけかもしれません。柔らかくしっとりしたチキン、味が十分にしみ込んだライス。食べ終わるまで思わず二人で無言になりました。

思わず後日再訪したくらい美味しかった阿仔のチキンライス
思わず後日再訪したくらい美味しかった阿仔のチキンライス

あまりにも美味しかったので、それを上回る行列の天天のお味も気になります。しかし、相対評価ではなく、絶対評価で阿仔は十分美味しかったと思います。

本帰国前に行っておこう:シンガポールの公団(HDB)のモデルルームは興味深い

本帰国前に行っておこう:シンガポールの公団(HDB)のモデルルームは興味深い

シンガポール在住中に行っておいてよかったと思ったり、本帰国前に駆け込みで行った場所についてご紹介したいと思います。

第二弾は、シンガポールの公団(以下、HDB)のモデルルームです。

HDBのジオラマ?
HDBのジオラマ?

シンガポールの住宅事情

シンガポール在住の日本人の多くはコンドミニアム(高価格帯のマンション)に賃貸に住んでいますが、シンガポール国民の約8割は購入したHDBに住んでいます(→HDB > Annual Report > Key Statistics 2016/2017)。つまり、多くのシンガポール人のとっての「家」とは、この「HDB」なのです。

シンガポールのHDB(公団)
シンガポールのHDB(公団)

そもそもHDBが何かというと、「Housing & Development Board」の略で、Wikiでは「住宅開発庁」と訳されているシンガポールの法定機関です。その名の通りシンガポールの住宅を開発しており、そこが開発・供給する住宅(日本人が呼ぶところの「公団」)もHDBと呼ばれています。

多くのHDBは高層で密集して建っており、コンクリートをペンキで塗ったような外壁です。日本の団地に比べると、建物によっては個性的な色に塗られていたり、1階に商店街やコーヒーショップと呼ばれる食事処が整備されているのが特徴的です。遊具や運動器具が設置されていたり、集会所のような広場が併設されていて、冠婚葬祭をそこで行います。また、民族構成が偏らないように住民の民族割合が調整されています。


トアパヨにあるHDBとHDBギャラリー

そんなHDB(公団)を開発しているHDB(住宅開発庁)ですが、トアパヨにあります。トアパヨはオーチャードから3つ目の駅ですから、そこそこ中心に近くてアクセスがいいです。さらに建物がトアパヨ駅から直結しているので、出口案内を辿れば迷うことなく行ける場所です。

HDBにようこそ!
HDBにようこそ!

ここはHDBフラット(公団の部屋)の購入を検討したり、何か手続きが限り行くことがない場所なので、多くの在星日本人には縁のない場所です。しかしある週末、夫リサが「観光客が行かないようなユニークな場所に行きたい」とネットで探し出したのが、「HDBギャラリー」だったのでした。

HDBギャラリー(2018年まで改装中)
HDBギャラリー(2018年まで改装中)

HDBギャラリーはHDBの歴史から、現在のHDBについてを学べる場所です。冒頭の昔のHDBを再現した展示などは、日本の昔の家とも似た雰囲気があり、ノスタルジックな雰囲気が良かったです。ただ、それ以外の展示は……正直あまり興味が持てないものでした。写真や映像など、見せる工夫はあるのですが、全体的に説明的な展示が多かったです。よっぽどシンガポールの住宅政策に興味がないと面白くない気がしました。退屈で、全体をざっとみてすぐに出てしまいました。

ノスタルジックな昔のHDB風景
ノスタルジックな昔のHDB風景

なお、このHDBギャラリー、2017年9月末から来年にかけてリノベーション中で閉鎖されているようです。再開後に面白くなればいいですが。。

HDBのモデルルーム「My Nice Home Gallery」でシンガポール人生活をのぞき見

トアパヨまで来たのに、HDBギャラリーは面白くなかった……とリサと二人、肩を落としていたところ、リサが案内板に「HDB Showflats」という文字を見つけました。これってモデルルームのこと? と二人で顔を見合わせましたが、確信は持てず。しかしこのままなんら楽しい思いもなくトアパヨを後にするのがもったいなかったので、案内板の方向に向かってみました。

モデルルームに続く渡り廊下
モデルルームに続く渡り廊下

そして、渡り廊下を歩いてたどり着いたのが「My Nice Home Gallery」。

「My Nice Home Gallery」
http://esales.hdb.gov.sg/hdbvsf/eamnhindex.nsf/html/index.html

まさにモデルルームでした。広いフロアに2部屋のタイプが2つ、3部屋、4部屋、5部屋のタイプが各1つずつ、再現されていました。

洒落た寝室
洒落た寝室

間取りが再現されているのはもちろんですが、インテリアをお洒落に整えたり、窓の外に眺めのいい写真を配置してみたりと、気分が上がる工夫がされていました。私は日本のモデルルームを知らないので、それとの比較はできないのですが、そこでの楽しい生活を十分イメージできるように作られていたと思います。

小さいけれど快適そうなリビング
小さいけれど快適そうなリビング

週末(土曜日に訪問。日曜日は閉まっているようです)とあってか、家族連れでかなり賑わっていました。3部屋以上のタイプは子供部屋が用意されており、そこで子どもたちがはしゃいでいるし、5部屋タイプになると3世帯同居をイメージしているので、おじいちゃん・おばあちゃんが興味津々のようでした。(ちなみに、不動産が高いシンガポールで3世帯同居はかなり一般的です。)

家族連れでにぎわってました
家族連れでにぎわってました

私たちにとっては、新しいHDBの部屋であるという点が興味深かったです。私たちは来星当時、HDBの賃貸も検討しています。しかし予算の関係でだいぶ古い部屋ばかりを見ており、正直HDBのイメージはよくありませんでした。それが、ここは最新の部屋の展示なので、設備は新しくてきれいだし、雰囲気も明るく、古いコンドミニアムよりむしろいいのです。まぁ、実際借りるとなると新しめのHDBはコンドミニアムに負けないくらい高いのだろうと思われるし、確か築5年以上経たないと賃貸には出せないのですが……。

5部屋タイプはキッチンも広々、アイランド型
5部屋タイプはキッチンも広々、アイランド型

また、HDBの室内の特徴を改めて知ることができます。日本と大きく異なるのは、バス・トイレが基本一緒であること。ベランダがなく、洗濯物は窓から竿を出して干すこと。ボム・シェルターがあることです。物件によって違うようですが、基本仕様は大体同じようです。

トイレとシャワーが隣同士
トイレとシャワーが隣同士

実際に住むことをイメージしたとき、厳しいと感じるのはバス・トイレでしょうか。シンガポール人はシャワーで済ませることが多く、基本的に浴槽は必要ないそうです。(あとから設置工事はできるようです。)モデルルームでびっくりしたのが便器のすぐ横や正面にシャワーがあったことで、シャワー浴びたらトイレがびしょびしょになる、とリサと話してました。後でシンガポール人に聞いたところ、普通は仕切りがあるそうです。

トイレとシャワーが向かい合っている
トイレとシャワーが向かい合っている

あと、窓から竿を突き出して洗濯物を干すのも、怖いのでやりたくないです。ベランダがないなら部屋に干すしかないかな。
→「とうとうHDBの物干し竿落下現場に遭遇。危ないです、本当に。

※(2018年10月追記)momoさんよりコメントいただきました。竿を突き出すのは古いHDBで、最近は室内の天井近くに物干しを設置している人が多かったり、自動で物干しが降りてくるシステムを導入しているHDBもあるそうです。

ボム・シェルターは……今までこのブログに詳しく書いたことがありませんが、シンガポールには敵の攻撃から身を守るためのシェルターが普通のマンションに存在します。窓はなく、分厚い鉄の扉で守られ、通信回線かなにかが引かれてると聞きます。私たちが住んでいた部屋にはなかったので、詳しい仕様や、どのようなルールで設置されているのかは知らないのですが、小国がゆえの危機対策で、HDBにも存在するようです。これ、あってもいいんですが、これで面積取られるのがもったいない気がします。多くの家庭で物置になっているらしいですけどね。

部屋の説明の案内板
部屋の説明の案内板

そんなわけで、このHDBモデルルーム「My Nice Home Gallery」は、シンガポールの生活スタイルを楽しく、かつ興味深くのぞき見できる場所でした。

モデルルームは面白いし、興味深かった

HDBギャラリーは今一つでしたが、モデルルームは堪能してきました。最後はモデルルームと合成写真が撮れる写真まで撮ってきました。

お気に入りの部屋と合成写真が撮れます
お気に入りの部屋と合成写真が撮れます

実際にHDB購入を検討しているご家庭に、楽しいイメージを残せる場所だったと思います。

本来はHDB購入者向けの場所なので、外国人が冷やかしで行くべき場所ではないと思います。ただ、シンガポールの人たちの「家」を見て、その生活を垣間見ることができる興味深い場所だったので、そのような観点でシンガポールを知りたいと思っている方たちにはお勧めの場所です。

本帰国前に行っておこう:シンガポールリバー・クルーズで川側からマリーナベイ・サンズのレーザーショーを見る

本帰国前に行っておこう:シンガポールリバー・クルーズで川側からマリーナベイ・サンズのレーザーショーを見る

シンガポール在住中に行っておいてよかったと思ったり、本帰国前に駆け込みで行った場所についてご紹介したいと思います。

1つ目に紹介するのは、「シンガポールリバー・クルーズ」。いきなりコテコテの観光ツアーですが、わが家のように、シンガポールの郊外に住んだがために中心部に出ないご家庭にも、「これは見ておいていいんじゃない?」とお勧めしたいものでした。

シンガポールリバー・クルーズとは

シンガポールリバーはシンガポールの中心部を流れ、マーライオンがいるマリーナベイに注ぐ川です。そしてその川を観光用水上バスでめぐるのがシンガポールリバー・クルーズです。乗船場所は川沿い8か所にあり、好きな場所から乗船できるようです。

川沿いにあるチケットブース
川沿いにあるチケットブース

初めてその存在を知った時から「隅田川の水上バスみたいだな」と思ってましたが、乗ってみたら大方はずれた表現でもありませんでした。いくつかの橋の下をくぐっていく感じとか、最後にマリーナベイ(東京湾)に出る雰囲気とか、デジャヴでした。なので隅田川の水上バスをご存知の方は、あれを想像していただければそれに近いものです。

そんなわけで、隅田川の水上バスみたいなもんだろうと思っていた私は、実はあまり興味が無かったんですよね。それが、知り合いの夫婦から「夜のリバークルーズは本当にきれい!」と強い推薦があり、リバークルーズというより夜景に興味がわいたのです。


「Laser Show Cruise」というプランがある!

シンガポール中心部の夜景がきれいなのは間違いないと思ってましたが、調べてみたところ、時間によってはマリーナベイ・サンズのレーザーショーが見られるというではないですか。私、サンズのレーザーショーは下見旅行の際、音楽も聞こえないような遠くの対岸から見ただけで、ちゃんと見たことがなかったんです。

さらに調べてみたところ、今年の6月からレーザーショーに合わせたプランが始まったとのこと。それまでは通常のクルーズ中に少し見られるだけだったのが、このプランではショーの時間に開催場所の前で船が止まってくれるのです。

レーザーショー・クルーズの案内
レーザーショー・クルーズの案内

通常のクルーズが25ドル(子供15ドル)に対し、レーザーショー・クルーズは38ドル(子供22ドル)と強気な値段設定。大人二人で76ドルは結構な出費でしたが、思い出作りと思えばその価値はあったかなと思います。

レーザーショー・クルーズのチケット
レーザーショー・クルーズのチケット

私たちが乗った2017年9月時点で、乗船場所および下船場所はクラークキーの船着き場のみでした。Fort Canning JettyとEu Tong Sen Jettyの2つがあり、私たちはセントラルがあるEu Tong Sen Jettyから乗ったところ、Fort Canning側から乗ったと思われる乗客がすでにいました。後ろの屋根のない場所の方がお好みの方は、Fort Canningで乗船したほうがいいかもしれません。(※最新の乗船場所はご確認ください。)

また、出発は19時半と20時半です。その時間より前にブースでチケットを購入します。

マーライオンとサンズに感動した

船はクラークキーを出発し、マリーナベイに向かって下っていきます。右手にはにぎやかな川沿いの飲み屋に続き金融街の摩天楼がそびえ立ち、左的には薄暗い中に古い建物がぼんやり見えていて、どちらもなかなかいい雰囲気です。

クラークキーの飲み屋たち
クラークキーの飲み屋たち

川べりには若者や家族連れがくつろいでいて、これは何というか、京都の鴨川みたいな光景でしょうか(←知らないのにすみません)。そちらに顔を向ければ思わず視線を交わしてしまいますし、気分が上がってたら手でも振ってしまいそうな平和な風景です。

私は夜景を楽しむべく、早々に席を立って船の後ろの屋根のない場所に行きました。昼間だと暑さと日差しでやられてしまいそうな場所でしたが、夜ならそんな心配もありません。むしろ柔らかな夜風に吹かれてとても気持ちがよかったです。

威風堂々なフラトンホテル
威風堂々なフラトンホテル

そうこうしているうちに船はマリーナベイに着き、右に見えるはマーライオン、左に見えるはマリーナベイ・サンズ、という、こってこてのエリアに入っていました。

お馴染みのマーライオン(夜、川から見たバージョン)
お馴染みのマーライオン(夜、川から見たバージョン)

どちらもきれいなんだろうな、とは思っていましたが、夜に水上から見ると雰囲気が違うというか、キラキラ度が増します。

マーライオンはいつもとは違う角度で見られるし、サンズは遠すぎず近すぎない絶妙な場所でそのたたずまいを眺めることができます。また、水の上に立つと視線の高さも変わり、これまた浮遊しているような不思議で新鮮な感覚を楽しめました。

なるほど、これは一度乗ってみる価値がある、と感じました。

レーザーショーにはもっと感動した

しばらくすると、船はサンズの前で止まります。そこはまさにレーザーショーの会場の反対側(川側)。真正面ではありませんが、十分に迫力を感じられる場所です。一部ですが、動画を撮ったのでその様子はこちらでご覧ください。

感動しました。最初から最後まで飽きずに見られました。本音を言うと、正面から見るように設計されたショーだと思われるので、音はあまりよくないし、裏から見ている感は否めなかったです。それでもやはり、水上から見ているということ、サンズの建物とコンボで見られるという点が、特別な景観だったと思います。

ちなみに、通常のクルーズ船もレーザーショーの時間に通りかかりましたが、とどまることなく去っていきました。ここが通常のクルーズとレーザーショー・クルーズの違いなんだと思いました。

全体的な感想

レーザーショーの後は、再び来た道を戻っていきます。ショーの後はあっという間に乗船場所のクラークキーに戻ってきました。行きより帰りの方が早い気がしたのですが、気のせいかどうかは不明です。

帰り道は、夜景の美しさの感動の余韻と、値段の高さへの若干の後悔が交錯する複雑な気分でしたが(笑)、シンガポールにいるうちに参加できて良かったと思えるツアーでした。

迫力のレーザーショー
迫力のレーザーショー

シンガポールの中心部のダイジェストを川から見られること、夜風の気持ちよさ、夜景の美しさ、マーライオンやサンズの迫力、そしてレーザーショーを十分に楽しめる点が良かったと思えた理由です。

観光にはもちろん、在住者の方でキラキラ☆シンガポール未体験の方にもぜひお勧めしたいと思います。

シンガポール生活2年超。私が買えばよかったと後悔したのは……複合機

シンガポール生活2年超。私が買えばよかったと後悔したのは……複合機

シンガポール生活を始めた時に買っておけば良かった……と本帰国直前まで後悔していたのがモノクロレーザーの複合機でした。どれだけ共感を得られるかは疑問ですが、似たシチュエーションの方の参考になれば嬉しいです。

モノクロレーザープリンターを長年愛用

私は自宅でモノクロレーザープリンターを10年以上愛用してきました。家庭用プリンターとして主流のインクジェットプリンターを、私も以前は使っていましたが、日常生活でカラー出力することが滅多にないことに気づき、スピードやランニングコストを重視して、モノクロレーザーに切り替えたのでした。さらに、スキャナーを時々使っていたので、スキャンとコピーもできる複合機を愛用してきました。

本帰国して買ったモノクロレーザー複合機
本帰国して買ったモノクロレーザー複合機

シンガポールに来る前にもともと持っていた複合機は、5年ほど使ってすでに調子が悪くなりかけてました。加えて電圧やトナーの入手に不安があり、シンガポールには持って行きませんでした。なので、シンガポールで生活を始める時、プリンターを買うかどうかについて非常に迷ったのです。

出力やスキャニングが必要なシチュエーションは、ビザや不動産契約の手続きなどでシンガポール到着後からすぐに結構な頻度でありました。(最初の一か月はサービスアパートメントで仮住まいしていたので、フロントでお願いしてました。)それに、シンガポールでも日系メーカーの複合機は売っているし、それほど値段も高くはなかったので、買ってもいいんじゃないかと思ったわけです。

ただ、やはり場所をとるものだし、壊れたら面倒くさそうだし、電圧の都合で日本には持ち帰れないものです。そしてどれだけプリンターが必要なシチュエーションがあるかわからなかったので、その時は諦めたのでした。


シンガポールの出力サービス事情

以前にも似た記事を書きましたが、シンガポールでの出力、スキャン、コピーなどのサービスは日本に比べると高いし、あまり便利ではありません。今となっては日本のコンビニのコピー機の便利さが異常に思えるくらいです。

データ出力が高い&面倒です
https://22plus.jp/blog/2016/05/13/190719.html

上記の記事時点では、インド人経営のネットカフェが最安でした。ただ、その後そのお店が閉店してしまい、またもやプリンター難民になってしまいました。

調べた限りだと、出力(スキャン、コピー)サービスは下記のようなお店でやっています。

  • 印刷屋さん(小ロットの出力も対応してくれるお店)
  • 写真屋さん(コダックなど)
  • インターネットカフェ
  • 一部の図書館(ただし対象は図書館の書籍のみ…意味なし)
  • その他(副業でプリンターを置いてる薬屋とか…謎)

私がシンガポール生活終盤で利用したのは、次の2例です。

英語のクラスで使うプリントの出力&人数分コピーが必要になりました。出力はコピーより高いので、1部出力してからコピーすることになります。隣駅にあるHDB街の小規模印刷屋さんに出向き、モノクロ出力1枚0.2ドル、6枚で1.2ドル。ここは安かったのですが、設備が古くて、スタッフもおばちゃん一人で切り盛りしており、PCがフリーズした途端に大行列になってしまいました。屋外で暑いし、周囲もイラついてる状況はストレスフルでした……。

また、私の就労許可申請用の出力&スキャニングが必要になったので別のお店を調べてみました。徒歩圏にあるのは地元の人に教えてもらった謎の薬屋だけだったのですが、大事な書類をよくわからないところでスキャンしたくありません。なので仕方なく電車に乗り、モール内にある印刷屋さんにまで行ってきました。カラー出力が2ドル、カラースキャンが2ドルで合計4ドル。高い上にスキャニングが薄くてゴミだらけで汚い。。

つくづく自宅に自分の複合機が欲しいと思いました。


複合機は買えばよかったと最後まで思ってた

そんなわけで、シンガポールで出力&スキャンをしようとすると、結構な手間とコストがかかります。たくさんコピーが必要な時はその費用が馬鹿にならないし、そもそもお店に出向くというのが面倒で仕方ありませんでした。お店も日本のコンビニのように24時間営業で近所にあるわけじゃないので、急な印刷もできません。

シンガポールの人たちは困ってないのかな、と思いましたが、恐らく使う機会が多い人はプリンターを持っているのだろうと思います。また、緩い会社なんかだと、私的利用(会社で印刷してしまう)がまだまだ大丈夫らしいので、会社のプリンターで十分とか。それに、日本以上にペーパーレス社会なので、そもそも紙の需要が少ないというのもあるかもしれません。

いずれにしても、私は英語クラスやら地元のサークルの活動準備やらで、そこそこの頻度で出力が必要でした。なのでシンガポール生活で、最後の最後まで複合機が欲しくて仕方なかったし、結果的に来星当初に買えばよかったと後悔しています。

もし、私と似たようなシチュエーションの方がいましたら、一度ご近所の出力センター事情をしっかり調べた後、購入を前向きに検討することをお勧めします。

ちなみに、帰国後の日本ではコンビニのコピー機でしばらくしのごうと思っていました。しかし、シンガポールで苦しんでいる姿を見たせいか、夫リサがあっさり買ってくれました。そんなリサも出力はもちろん、コピーやスキャンができるのが便利だと言ってくれています。

帰国直後限定!「シンガポールと日本の違い」をあれこれ書いてみた

帰国直後限定!「シンガポールと日本の違い」をあれこれ書いてみた

ブログに書きたいネタがとにかく山積みなんですが、とりあえず気持ちが冷めないうちに書いておきたい「本帰国後一か月の間に感じた、シンガポールと日本の違い」について記事にいたします。日星比較はこれまでもいくつかのテーマで執筆してきましたが、もっと雑多なテーマで、しかも帰ったばかりの今だからこそ気づいたことについてです。

銀座松屋のマネキン
銀座松屋のマネキン

シンガポールと日本、どちらのいいところも悪いところも書きます。気分を害されたら恐縮ですが、私なりの本音なのでご了承ください。

日本は割り込みが少ない

シンガポールで割り込みをされて、私が憤慨していたことは、これまで下記の記事で書いてきました。

5本も書いてる(笑)。おかげさまで「シンガポール 割り込み」というキーワードで私の記事が検索上位に出てきてしまう始末です。

日本に帰ってきて思うのは、やはり日本ではシンガポールほど割り込みはないということです。列のサインがある場所で並ぶのはもちろん、並ぶ場所が不明確な狭い駅のホームでも、日本人はなんとなく先にいた人たちの順番を尊重しているように見えます。

私は割り込みが、シンガポール生活のストレスのベスト5に入るくらい嫌いだったので、この点でのストレスはだいぶ軽減されました。ただ、シンガポール生活の後遺症で、割り込みを警戒する癖がついています。後ろに目を配ったり、前に入られないように距離を詰めたり……。これ、治るんでしょうか(笑)。

ちなみに、日本でも割り込みする輩はいます。前の記事に書いた野田琺瑯のセールでは、2時間も待った挙句売り場に着いた直後に後ろのおじさんに追い抜かれました。まぁ、こういう常識のない人はどこにでも一定の割合でいるものです。

日本はトイレがちゃんと流れる

(すみません、トイレのネタなので嫌な方は飛ばしてください。)

日本のトイレはちゃんと流れるのが幸せです。

こんなこと書いたら「シンガポールのトイレだってちゃんと流れるわ!」と怒られそうですが、私たちが住んでたマンション(コンド)のトイレは一度では流れませんでした。私たちの入居前にオーナーがタンクを替えてくれたようですが、問題は下水の配管にあったようで、二回分の水を流さないと汚水が送られないように見えました。

また、外のトイレでも、水洗ボタンを長押ししないと流れないトイレが多々ありました。そんな生活を送っていたので、日本でもついついトイレのレバーを長く回してしまいます。

さらに、シンガポールのトイレは、水流が激しすぎて便座が濡れるトイレもよく見かけました。正直、あまり気持ちのいいものではなかったです。

ただ、シンガポールのトイレの方が優れている点もあります。知り合いのケイさんが言っていたことなのですが、シンガポールのトイレは日本ほど匂わないです。主にショッピングモールのトイレなどのことなのですが、日本より設備が新しいのに加え、掃除の頻度が日本のそれより多いのではと推測します。日本の場合、場所によってはトレイが古くて、そして匂いが染みついている気がします。


日本は換気扇がちゃんと排気してくれる

シンガポール在住の方々にはお馴染みなのですが、シンガポールのキッチンの換気扇は外に排気しません。吸い上げた煙や匂いをフィルターを通してそのままキッチン内に戻すだけです。そもそも排気ダクトがなく、仕組みも変えようがないので、あるがままの状態を受け入れるしかありませんでした。

で、使い続けているうちになんだか意味があるのか分からなくなり、私は途中で使うのをやめてしまいました。煙や匂いが心配な調理をするときは、キッチンのドアだけでなく、部屋中の窓も開けて換気するようにしていました。

それが、本帰国して新生活を始め、換気扇をつけたところ、ちゃんと空気が外に出ていくではないですか。こんな当たり前のことになんだか妙に感動しました。

文化や生活習慣の違いなので、シンガポールを悪く言う意図はありませんが、これは日本のスタイルの方が私には馴染みます。

日本、年寄りがめっちゃ多くない?

日本が「高齢化先進国」であることはシンガポールに来る前から十分認識していたことですが、いざ本帰国して生活を再開してみると、街で見かけるお年寄りの多さに驚きます。

無職の私は平日の昼間に街をうろついているのですが、どこもかしこも年寄りがあふれているように見えます。特に強烈なのがチェーンのカフェで、平日の昼間は老人サロンと化しているお店があちこちにあります。かくいう私の父も、喫茶店やらファミレスやらをはしごするのが楽しいみたいです。(ちなみにお気に入りは珈琲館とジョナサン……。)

シンガポールも少子高齢化が進んでいる国です。ただ、人口の4割を占める外国人の多くは働き盛りの世代なので、全体として日本ほど老いている印象を受けません。それと比べると、日本の高齢化の風景は衝撃です。たぶん、訪日外国人も同じことを思っているに違いありません……。


日本、自転車めっちゃ多くない??

これもシンガポールに来る前から認識していたことですが……シンガポールから帰ってくると、日本の自転車の多さには驚愕します。

東京中心部の住宅街での足は車ではなく、自転車が多いし、昨今は車を持たない人も増えているので致し方ない状況です。私も帰国早々、自転車を買ってもらいました。

しかし、駅前や繁華街近くにあふれる違法駐輪自転車の山を見ると、かなりうんざりします。

運転に問題を感じることもあります。歩行者で混雑する道を無理やり走り抜けようとしたり、十字路で減速や一時停止をせずに突然前を横切る運転など、マナー違反を超えてルール違反と思われる人たちが多くいます。

また、これは前述の高齢化の話ともつながるのですが、高齢者でかなり危なっかしい運転をする人たちが多くて困ります。自転車用道路が整備されてるのに、歩行者用道路を走り抜けていくご老人。恐らくそういう道路の存在に対する認識が薄いのでしょう。車と同様に、自転車も一定の年になったら降りてほしいと思いました。私の母がまだ自転車に乗ってるので、あまり大声では言えませんが……。

下記の記事に書きましたが、シンガポールは政府の後押しもあり、シェアバイクを中心に自転車は今年くらいから普及し始めたばかりです。

→「夫がシンガポールの交番で自転車の防犯登録をしてきました。

なので、まだ違法駐輪の山や自転車の危険運転に悩まされることはそうありませんでした。(乱暴な電動スクーターには何度か危険な目に合わされましたが。)もしかすると、シンガポールはこれから日本(東京)と同様の問題を抱えるのかもしれませんが……。

日本のテレビは面白いがくだらない番組も多い

日本の地上波のテレビ番組が面白くて、ついつい見続けてしまいます。しかし、正直くだらないと感じるものも多く、テレビを見た後に妙に消耗している自分に気づきます。

シンガポールのテレビの特徴は、そもそも小さな国なので自国制作の番組が少ないことです。私はChannel News AsiaとChannel 5というチャンネルをよく見ていましたが、映画はもちろん、ドキュメンタリー、ドラマやバラエティは半分くらい海外のもののように見えました。そしてニュースやそれ以外のプログラムも、一日に何度か繰り返すことがあります。なのでずっと見てしまうことはありませんでした。

一方、日本のテレビは、NHK・民放ともに、一日中バラエティに富んだ番組を提供しています。再放送もあるはありますが、同じ日に同じ番組を流すのことは滅多にないと思います。そして、ついつい見続けてしまうような面白い番組が多いです。それは、シンガポールは英語だから……という言語の問題だけではなく、差はあれど、日本は一つ一つの番組に相当の手間とお金をかけているんだろうと察します。

昨今、日本のテレビ業界の凋落を感じますが、それでもまだ相当数の視聴者がいて影響力を持ち、そして相応の広告費が入るんだろうと感じる事象です。私自身はTVを見続けるのは生産的じゃない感じがしていて、TV視聴が習慣づいてしまうのは何だかまずいと思ってますが……。


日本の駅はまだまだホームドアが整備中

日本はシンガポールに比べれば歴史がある分、公共のインフラ設備が古いのはある程度仕方のないことだと思います。でも、改善してほしいものはどうしても目についてしまいます。

その一例が駅のホームドア。私の知ってる限りでは、シンガポールの駅はどこもホームドアがありました。一度それに慣れてしまうと、ホームドアのないホームに立ち、電車を待つというのはなかなか怖いものです。

他の都市はわかりませんが、東京は人口増加に伴い、混雑する時間帯のホームに人があふれるようになりました。ひどい駅は改札を出るのに行列ができており、その列の終わりがホームだったりします。こんな場所に自分で立つのはもちろん、見ているのも怖いです。

順次設置工事をしているのはわかるのですが、急いでほしいと思うのでした。

酔っ払いが放牧されてる日本

シンガポールで生活していて日本に一時帰国したとき、かなり不快だったこと一つに、電車の中での飲酒がありました。地下鉄車内の座席で、若い男性が一人でカップ酒をあおり、ほろ酔い加減で座っていたのです。その人が何か乱暴や狼藉を働いたわけでないのですが、公共の場でのお酒の匂い、理性が働いているのかわからないような見た目に、不快感と不安感を抱きました。

また、夜になると酔っ払いがあちこちに出現するのも日本らしい風景だと思います。飲み屋街に酔っ払いがいるのは当たり前ですが、その人たちが帰宅のために電車に乗っており、そして自宅がある住宅街にも当然現れます。

ひどいケースでは、朝早い電車の車内で倒れてる酔っ払い各位がおったりします。治安の良さを反映しているのかもしれませんが、いかがなものかと思います。

一方、シンガポールですが、まず、電車やバスの中での飲食は禁止です。時々飲み食いしている人がいますが、係員に見つかったら罰金を取られます。飲酒なんてとんでもないことです。

また、ムスリムはお酒を飲みません。ムスリム以外でも、そもそもお酒を飲まない人の割合が日本より多い印象です。

さらに、日本のサラリーマンのように仕事の後に飲みに行くことはなく、まっすぐ帰宅する人が多いので、電車や住宅街に酔っ払いが放出されることは少なかったです。

私はシンガポールの郊外に住んでいたので、もしかすると中心部はもっと状況が異なるかもしれません。しかし、少なくとも私の生活圏ではほとんど酔っ払いを見ることがなかったのです。

なので、日本で街中に放牧されてる酔っ払いを見ると、妙な緊張感を覚えます。日本で夜はあまり繁華街に出たくないと思うようになってしまいました。

2015年、シンガポールで日本人男性が酔っぱらって駅で喧嘩し、警官を平手打ちしてしまうというかなり恥ずかしい事件がありました。名前と顔を晒され、6,000ドル(48万くらい?)の罰金刑を受けたようです。

Japanese man who slapped three policemen at MRT station fined $6,000
http://www.straitstimes.com/singapore/courts-crime/japanese-man-who-slapped-three-policemen-at-mrt-station-fined-6000

日本だったらどの程度の罪なのかわかりませんが、酔っ払いに寛容なのは、日本くらいなんじゃないでしょうか……。


やはり海外生活は日本を知るチャンスだった

こうして書き出してみると、やはり海外生活って日本を知るいい機会だったんだなと思います。いい点も悪い点も、日本をこうして客観的に見られたのは、違う場所で生活していたからこそです。

日本での生活に慣れてくれば、このような視点は当然鈍ってくるでしょう。それはどうにもならないことなので、今後は他の海外生活をしている人たちの情報から「客観的に見た日本」をアップデートしていけたらと思っています。

余談

最後に冒頭の写真の説明なんですが、こちら銀座松屋で見たディスプレイです。左右のマネキンが着てる赤いワンピースが、すごくシンガポールっぽい感じがして思わず写真を撮りました。ファッションは、景気に左右されると聞きます。日本は景気が上向いているのか、この冬は明るい色が流行っているそうです。

さようなら、シンガポール生活。本帰国しました

さようなら、シンガポール生活。本帰国しました

先月、シンガポール生活を終えて日本に本帰国いたしました。

書き終えてないシンガポール・ネタが山盛りでして、本帰国したことはしばらく伏せてシンガポール記事の配信を企んでおりましたが、忙しすぎて一か月も更新が滞ってしまい、降参して近況報告を先にすることにしました。

三四郎池の紅葉
三四郎池の紅葉

本帰国は前後一か月が忙しい

本帰国の大変さはご家庭によって異なると思いますが、やはり前後一か月が忙しいのではと思います。出国前は引っ越しや思い出づくりに忙しいし、帰国したら帰国したで新生活の準備に追われます。

出国前は、2年超の生活で思いのほか増えていた物をひたすら処分しました。シンガポールは日本に比べ、とにかく物の処分が楽です。それが良いかどうかは別として。。なので、「持って帰る」より「処分する」ことを優先しました。物を捨てるのが苦手な私は、だいぶ気持ちをすり減らした一か月でした。

シンガポールで梱包した引っ越し荷物
シンガポールで梱包した引っ越し荷物

そして帰国後。わが家は賃貸生活なので、帰国後はすぐに部屋を探し始めました。しかし、なかなか理想の物件に出会えず、部屋探しは難航。さらに、部屋が決まったら決まったで、出国前にだいぶ処分してしまった家具家電を揃えるのに大忙し。そしてそれが落ち着いた頃にシンガポールから船便が届き、部屋に一気に物があふれて呆然としています(←いまココ)。

加えて夫リサは日本での仕事が始まっているし、私も私で仕事探しやら病院通いで予定が埋まることが多く、まだ本帰国の後遺症が抜けない慌ただしい状況が続いています。


日本帰国を楽しむ

なんて、忙しいと言いつつも、合間合間に本帰国を楽しんでいます。

披露宴をしたレストランに、久しぶりに訪れました。偶然、挙式と披露宴の担当者の方がお店におり、しかも私たちのことを覚えてくださっていて、盛り上がりました。さらにアニバーサリープレートまでご馳走になりました。こじんまりした静かなお店なのですが、ゆったりとした時間を過ごし、二人で思い出に浸りました。

アニバーサリープレート
アニバーサリープレート

リサ家一家が来京し、一泊二日の東京観光を楽しみました。スカイツリーの展望エリアに初めて行ったのですが、眺望が素晴らしく、思っていた以上に楽しめました。また、リサ方の姪っ子ちゃんがすっかり大きくなっており、たくさんおしゃべりできたのが、おじさん&おばさんにとって嬉しい出来事でした。

スカイツリー展望エリアの眺め
スカイツリー展望エリアの眺め
スカイツリーでの朝食
スカイツリーでの朝食

ディズニーランドにも行きました。修学旅行生の多さに驚きましたが、前回より外国人は少なかったです。寒いから?

ディズニーランドのクリスマスツリー
ディズニーランドのクリスマスツリー

野田琺瑯の地域還元セールに行ってきました。琺瑯はシンガポール生活だとすぐに割りそうだったので、日本に帰国したら買いたいと思っていたのです。そんな折、姉から砂町銀座で野田琺瑯のセールがあるとの情報が寄せられたのでした。砂町銀座に行くのは初めてで、思っていたより遠かったうえに2時間寒空で行列したのはこたえました……。でも、B級品ながらだいぶ安く買えて満足です。

野田琺瑯、地域還元セールの戦利品
野田琺瑯、地域還元セールの戦利品

リサと二人でよく居座っていたカフェに、2年以上ぶりに行ってきました。個人のお店なので、閉店してないか心配しつつ覗いてきたのですが、無事営業していました。オーナーの趣味全開のハイセンスなこのカフェ。相変わらず隙のないお洒落ぶりでした。オーナーさんが私たちの顔を覚えていてくれていたことに感激しました。

ケーキセット
ケーキセット
店内のクリスマスデコレーション
店内のクリスマスデコレーション

そのほか、シンガポールでは我慢していたうな重やら寿司やらを実家でご馳走になったり、外ではおいしいタイ料理にお店を見つけたりと、食生活がとても豊かになりました。ジャンクフードも日本の方が口に合います。リサは帰国直後から吉野家に何度も行っていたし、私は私でこちらのマックがおいしくて、何度かマックに通ってしまいました。

上野伊豆栄のうな重
上野伊豆栄のうな重
タイのチキンライス
タイのチキンライス

あっという間に馴染んだ日本の生活

2年の海外生活というのが長いのか短いのかはわかりませんが、日本の生活にはあっという間に馴染みました。

私がシンガポール生活をそれほど愛してなかった(笑)ことは、このブログではそこそこ明らかにしていましたが、本帰国してこの国に生活基盤を戻しつつある今、やはり日本の生活の方が好きということを強く自覚しています。

シンガポールの方がいいこと、優れていることはたくさんあるし、既にそれらを懐かしく思い出すこともあります。でも、いいとこどりの生活なんてできないわけですから、今は私にとって総合評価が高い母国での生活に幸せを感じています。シンガポールに住んだからこそ知った、日本のいいところ・悪いところ、全部ひっくるめてここでの生活が好きです。

日本の冬の寒さと乾燥が苦手で、この時期の本帰国に結構怯えていたリサも、時々思い出したように「やっぱり日本はいいね!」と呟いています。


シンガポール・ネタ、続けます

そんなわけで、すでに日本での生活も1か月以上になるのですが、いかんせん書き残しのシンガポールネタがたくさんあります。このブログは自分の思い出を残しておく場所でもあるので、可能な限り書き上げたいと思っています。もうしばらくお付き合いいただけたら嬉しいです。

そして、シンガポールネタが終わった後も、「シンガポールでは~」みたいな海外経験者みたいな発言を繰り返すかもしれませんが、どうぞ「シンガポールに執着してる」なんて思わず、限られた海外生活経験を自分なりに分析しようとしているのだと温かく見守っていただけたら嬉しいです。