「Former Ford Factory(旧フォード工場)」→「Surviving the Japanese Occupation(日本の占領を生き延びる)」に行ってきました

   

「Former Ford Factory」のままの門

「Former Ford Factory」のままの門

先週末、シンガポールでは5月1日がレイバーデイでお休みだったため、3連休でした。小旅行を楽しんだご家庭もあったかもしれませんが、わが家は夫リサが度重なる出張でヘトヘトでして、家でまったり過ごした3連休でした。

ただ、3連休ずっと家にいるとさすがに気分が凹むので、ちょっとお出かけしました。去年行ったら閉館中で入れなかった「旧フォード工場記念館」をリベンジしたのです。

※昨年、リノベーションで閉まっていたときの模様はこちら
ご注意!「旧フォード工場記念館」は2017年まで閉鎖中

シンガポールの戦争記念施設の一つ「旧フォード工場記念館」とは

ブキティマ地区にある元フォードの工場で、第二次大戦中の1942年2月15日、シンガポールを植民地支配していたイギリス軍が日本軍に降伏した場所です。日英の司令官である山下奉文中将とアーサー・パーシバル中将が降伏交渉を行い、正式にイギリス軍が日本軍に降伏をした舞台となりました。

建物の外観(奥に見える高い建物はコンド)

建物の外観(奥に見える高い建物はコンド)

工場として1941年10月に建築されたものの、その翌年には日本軍の手に落ち、陥落後は日本軍の軍本部がしばらくおかれていたそうです。そして戦後1947年には操業を再開し、1980年まで稼働していたそうです。

その後2006年に、シンガポールの戦争記念館として再びオープンして現在に至ります。

Wiki: Old Ford Motor Factory
https://en.wikipedia.org/wiki/Old_Ford_Motor_Factory

「旧フォード工場記念館」は「日本の占領を生き延びる」に名称が変わりました

在住者の人はよくご存知かと思いますが、この旧フォード工場は今年の2月に名称が変更になりました。新しい名前は「Surviving the Japanese Occupation」。直訳すれば「日本の占領を生き延びる」。……もっとすっきりした和訳名称があるかは見つけられず、不明です。

シンガポールで2月15日は、「トータルディフェンスデー」という名前がついています(祝日ではありません)。前述の通り、日本軍によりシンガポールが陥落した日です。当日は警報のテストが行われ、国内のあちこちでサイレンが鳴り響きます。この日はTVを見ているとサイレンを鳴らす旨のテロップが流れ、近所のHDB付近から鋭いサイレンの音が聞こえてきました。

そしてリノベーション後の再オープンはこの「トータルディフェンスデー」にあわせられたのですが、名称についてひと悶着ありました。

「Former Ford Factory(旧フォード工場)」が「Syonan Gallery(昭南ギャラリー)」に変わると発表されたのです。「昭南(しょうなん)」というのは日本軍が占領中にシンガポールにつけた「昭南島」という名称にちなむものです。この名称が、苦しかった日本占領時代を思い起こさせるといった反発を国民から招き、もめた挙句、名前が「Surviving the Japanese Occupation(日本の占領を生き延びる)」になったという騒ぎがありました。

"Syonan Gallery" renamed; Minister Yaacob Ibrahim apologises for pain that name caused
http://www.straitstimes.com/singapore/syonan-gallery-renamed-minister-yaacob-ibrahim-apologises-for-pain-that-name-caused

2月15日一日だけでもなんとなく肩身が狭いのに、この話題が尾を引いている間はずっと、シンガポールで日本人でいることが居心地が悪かったです……。そういった違和感を持つことだけでも大事なのかもしれませんが。

展示の感想

なにはともあれ、ようやく足を運んできました。

「Former Ford Factory」のままの看板

「Former Ford Factory」のままの看板

看板類は「Former Ford Factory」のままです。確か、一度昭南ギャラリーと貼ったものを直して戻したんだったと思います。

館内は、リノベーションしたとあって、綺麗で整っていました。

展示は、エントランスにあるこの場所近辺の空撮の展示から始まります。その後、時系列に沿って「シンガポールの陥落」「占領時代」「戦後」の3つにエリアを進むことになります。

「シンガポールの陥落」は山下奉文中将とアーサー・パーシバル中将の降伏交渉が行われたテーブルの再現がメインの展示です。ガラスで囲われた薄暗いエリアに設置されていて、臨場感がありました。

「占領時代」のエリアは、日本軍の占領によって粛清が行われたり、経済的に混乱する模様が展示されていました。シンガポールの陥落が日本とイギリスの戦争であったように感じたのですが、ここにきて一般市民の生活が戦争に巻き込まれその苦しみが伝わってきます。

「戦後」は、日本が戦争に負け、イギリス軍が戻ってきたものの、マレー半島の人たちの中に独立意識が高まってきた模様が描かれていました。

島内のその他の戦争記念碑

島内のその他の戦争記念碑

それぞれのエリアにそこそこのボリュームがあり、じっくり見れば相当な時間がかかりそうです。それだけ充実しているということです。そしてありがたいのが、英語がわりと平易という点。分からない単語はしばしば出てきますが、ゆっくり読めば私でもそれなりに理解できました。

全体的に、いい意味で淡々としていたという印象を受けました。私は、ここ以外の日本占領を扱った海外の戦争記念館には行ったことがないので比較はできないのですが、感情的ではないという点に安心感を覚えました。もちろん、日本の占領時代が過酷だったという展示しているわけで、日本人として考えさせられる内容ではあるのですが、冷静にその史実を受け止めることができた気がします。

在住者の方はぜひ一度ご訪問ください

前回来た際(ご注意!「旧フォード工場記念館」は2017年まで閉鎖中)にも書きましたが、ここはアクセスがよろしくありません。さらに周囲に何もないので、余ほど関心が強くない限り、観光で来るには厳しいところです。逆に、だからこそ在住者の方は住んでいるうちにぜひ一度足を運んでみてはと思います。

詳細は公式HPをご覧ください。
http://www.nas.gov.sg/formerfordfactory/

入館料は3ドルでした。また、英語の館内ガイドつきツアーは、本日時点で下記のようにHPに記載されていました。

  • Monday to Friday:2.30pm
  • Saturday:11am & 3.30pm
  • Sunday:2.30pm & 3.30pm

私は参加したかったのですが、リサが「そんな針の筵に……」と嫌がったのでわざと時間をずらして行きました。ところが私たちが入館した時、館内は少し前に始まったツアーのガイドさんの声が朗々と響き渡っていて、聞くつもりがないならちょっとうるさいかもしれません。

あと、シンガポールのお決まりかもしれませんが、空調の効きすぎでかなり冷えます。私は腰に巻いてたパーカーを、腹巻のようにお腹にあてるように巻きなおしました。防寒対策はしっかりしていってください。

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