公共交通機関で席を譲るか? in シンガポール

   

電車でお年寄りに席を譲っているシンガポールのマナーポスター

電車でお年寄りに席を譲っているシンガポールのマナーポスター

先日、日本の公共交通機関で「席を譲るべき」と考える人が減っている、というネット記事を読みました。その記事の一時ソースとなった調査結果はこちらです。

「優先席では席を譲るべき」が 3 年前から 17.1%減少、席を譲ろうとして断られた経験がある人は 9%増加!
http://www.val.co.jp/topics/2016/1128.pdf
(株式会社ヴァル研究所)

タイトルには「優先席では」と書かれていますが、本文を読むと優先席である如何を問わず、席を譲る意識が低下しているという調査結果になったそうです。

優先席である・ないに関わらず、3 年前と比べて席を譲る意識が低下していることがわかりました。

席を譲ろうとしたけど断られた経験をする人が増えたことから、その要因は断られたことがあることに拠るものではと推測されています。あぁ、わかるわかる、という日本社会のよくある風景です。

さて、シンガポール在住者なら、シンガポールが明らかに日本より公共交通機関での座席の譲り合いが普通なことを肌で感じていると思います。

以前にもブログに書きましたが(→「シンガポールと日本の電車内の違い」)、私はまず優先席には座りません。ここに座ると乗車中に「譲るべき人ウォッチング」をし続けることになり、落ち着かないからです。加えて、よほど疲れているとか、荷物が大量で身動きがとれない時以外は、積極的に席を譲っています。少なくとも、当社比(自分比)で日本の何倍も席を譲っています。

これって自慢とか、意識の高さをひけらかしているのではなく、シンガポールだと席の譲り合いって本当にそれくらい当たり前のことなんです。

もちろん、誰もが譲るわけでもなく、高齢者を目の前に立たせたままシレッと優先席でゲームに興じている若者もいます。しかし、そういう時は別の席からちゃんと席を譲る人が現れます。

私が思うシンガポールの特徴は、「座りたい人が席を探しているのがありありとわかる」点です。

座りたい人は、目で空席を探し、さらに歩き回ります。優先席に、譲ってもいいんじゃないか、という風貌の人がいると、あからさまにそこに向かっていく人もいます。

昨日も電車で座っていたら、乗ってきたおばあさんがきょろきょろと席を空席を探していたので、席を譲りました(優先席ではありません)。譲られたおばあさんは、それが当たり前なので、「フン」と鼻を鳴らすと笑顔も声掛けもなくそこにどかっと座りました。もちろん、シェイシェイ、と一言声をかけてくれるかわいいお年寄りもいます。

お年寄りだけでなく、家族連れで親子が隣に座れるように席を譲るのも日常です。特に、子どもの主張がはっきりしています。電車で小さな女の子を連れたお母さんが1つあった空席を娘に座らせようとしたところ、その子が「マミーの席がない!」と叫びました。そしたらその空席の隣に座っていた父子が、にっこり笑って気持ちよく席を譲った光景を見たことがあります。

また、「席を譲って断られても気にしません」。

これまた私が実際に見た光景なのですが、マレー系の若者(イケメン)が立ち上がり、立ってるおじいさんににこやかに声をかけたところ、無表情・無言で断られてました。端で見ていた私が気まずい気持ちになるような光景だったのですが、若者はまったく気にすることなく、そのまま立っていました。

ちなみにこの若者、電車が揺れたときに私が捕まる場所が無くてよろめいたとき、さっと吊り輪を譲ってくれました。吊り輪を譲られるなんて、ちょっとトキメキました(笑)。どこまでも自然に親切な人なんだと思います。

このように、シンガポールは座りたい人(席を譲ってほしい人)たちは態度や言葉で主張する人が多いように思います。また、譲ったのを断られても、それはそれでおしまいで気にすることではないのです。

私自身、日本人気質は抜けないので、シンガポールでも「座りたい!」という主張はできないですし、席を譲って断られたら凹みます。でも、席を譲れるようになったのはいい変化だし、もし、日本で座りたそうな素振りを見せてくれる高齢者や事情がある人を見かけたら、気持ちよく席を譲れる気がしています。

日本だと、「席を譲ってほしい」という主張や素振りは、どこか恥ずかしい空気があります。そして、席を譲るという行為も、どこか気恥ずかしい。そんな「主張しない・言葉にしない」文化が、公共の場でのコミュニケーションのミスマッチを生んでいるだけで、日本人が不親切な、底意地が悪い民族だとは私は思っていません。

日本にいい変化が訪れたらと、願っています。

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