Berchite:ベルチーテ(8/21)

   


■8/21(日):ベルチーテ編

主な内容)
・長距離バスでサラゴサからベルチーテに移動
・Ruinas(廃墟)見学
・バスでサラゴサに戻る
・AVEでバルセロナに戻る

朝、お金を持ってくるのを忘れたことに気付きました。今回の旅で持ってきたのは現金とカードのみで、現金は日付で袋わけしてました。で、どうやらその残りの現金をバルセロナのレジデンスに置いてきてしまったようなのです。

レジデンスで盗まれるとか、セキュリティのことはそれほど心配してなかったのですが、お金がないのは困ります。実は、カードでのキャッシングにすでに失敗していたので、買い物以外のお金は完全に現金に頼っていたのでした。数えたら今日使えるのは15ユーロくらい。交通費は支払い済みなので食事くらいしか使う予定はなかったものの、非常に心細かったです。つまらないことでいたずらにサバイバルな気分になりました。



さて、ホテルの朝食は一般的なブッフェだったのですが、野菜があってうれしかったです。バルセロナのレジデンスもブッフェですが、野菜が皆無なんですよね。トマトと葉っぱ程度でも大盛りにしました。ただ、なんだか他に団体客がいたみたいで、開始時間ちょうどくらいに行ったところ、一気にたくさんの人が食べ物にたかって軽くバトル状態だったのは大変でした。

アジア人一人でぽつんとしてると誰も近くに座ろうとしないのですが、突如ロシアのおばちゃんペアが私を囲むように着席。もりもり朝食を食べながら私に話しかけてきて、片言の英語でおしゃべり。sightseeing(観光)という単語が通じなくても、両手の指で丸を作って目に当てて、周囲を見渡すジェスチャーで通じたりして楽しかったです。おばちゃん、スパスィーバ!(ありがとう)

素敵なサラゴサのホテルは一泊だけでお別れです。同じホテルがバルセロナにあったら、お金の許す範囲で何泊かしたくなるようなホテルでした。惜しい。チェックアウトして、大きい荷物を預けられるところがないか聞いたところ、なんと今晩宿泊の予定が無いのにまたこのホテルが荷物を快く預かってくれました。いやー、本気で助かります。もう、このホテルは大好きになりました。またサラゴサに来たらここに泊まる!

ホテルを出たら駅&バスターミナルなので、本日の目的地ベルチーテ行きのバスを探しました。途中、カードでキャッシングを試みましたが、やっぱり失敗。キャッシングなんてまずしないので、もしかすると暗証番号間違ってるのかもなぁ。ともかく、結局今回の旅の間、一度もキャッシングは成功しませんでした。

バスは、中長距離バスです。いわゆる観光バスみたいな大きさで、乗車口は前のみ。バスの出発ターミナル番号は、電光掲示板に表示されるバスの発車時刻と最終目的地の名前で探します。つまり、ベルチーテ行きとは書いてません。同じ発車時刻のバスが3台くらいあったので、1階のカウンターで聞てベルチーテを経由するバスの最終目的地を教えてもらいました。実は日本でネットで調べた時刻表を印刷していったのですが、聞いた名前は印刷した時刻表と一致しないし、そもそも時刻表に書かれた場所を目的地にするバスの便が電光掲示板に表示されません。


ここかなぁ、と思われるターミナルでバスを待ちました。そしたら同じ時間に発車するバスが次々と到着。バスの発車時間が近づいたら、大きい荷物は下のトランクに預けて前の入り口から乗っていきます。ドライバーが検札するので、「ベルチーテ?」と聞きながら乗車券を見せたところ、見事に間違ってました(笑)。となりよー、と女性ドライバーに促されて、すぐ隣のバスへ移動です。遠くなくてよかった。

出発時刻を少し過ぎてバスはターミナルを出発しました。サラゴサ中心部のバス停で一、二度止まり、乗ってきたお客さんがいますが、乗客は10人もいなかったと思います。

私はベルチーテに着くまでの約一時間、じーっと静かな不安を抱えてバスの外と時計をひたすら眺めてました。というのも、ちゃんとベルチーテで降りられるか不安だったからです。このバスには、ローカルバスのように電光掲示板で停車場所を知らせるようなものはないし、地方に行くとバス停もバス停らしい恰好をしているか謎です。

運転手さんにベルチーテに着いたら教えて、と言っておけばよかったと後悔。(運転中は話しかけづらい。)しかし、サラゴサに来てからと言うものの、ほとんど英語ではなくスペイン語の世界になっていたので、言葉への不安がてんこ盛りだったのでした。

バスに乗るとき、列のすぐ後ろにいたおじさんが私の斜め前に座ったのですが、バスに乗ってる最中ときどき私の方をちらちら見ているのに気づきました。特別愛想のいい感じのおじさんではなかったのですが、このおじさん、実は私のことをずっと気にかけてくれてたのです。

おじさんは、ベルチーテの街が近づいてきたとき、私が手に持ったベルチーテの資料を指さし、ゆっくりと「次がベルチーテだよ」と言いました。ベルチーテにはRuinas(廃墟)を見に来たわけですが、おじさんはバスの前方を指さし、「あそこに見えるのが君の資料のこの写真の建物だよ」と、Ruinasのエリアの場所まで教えてくれたのです。実はバスを降りてからの地図が無く、右も左もわからない状況だったので、この情報は非常に助かりました。

おじさんと、運転手さんに「グラシアス!ムーチャス・グラシアス!」と叫んでバスを降りましたが、座ったままのおじさんは変わらずむすっとしていて、トキメキました(笑)。

さて、ベルチーテに着きました。この街(というか村?)をGoogleマップで見ると、周囲に何も表示されないのですが、それもそのはず。荒野の中にぽちっとある小さな村なのです。バス停も簡単なものが一つあるだけ。帰りもここからバスに乗るので、迷わないよう周辺の写真を撮りました。バス停の横にはバルがあったので、飲み物とトイレは困ったらここに入ろうと思いました。


目指すRuinasはバス停から20分くらい歩いた場所にあります。というのも、このRuinasこそがかつてのベルチーテの村であり、戦争によって破壊されたため、その隣に新しい村が作られたのです。

バスでおじさんが方向を教えてくれたおかげで、とりあえず目指す方向がわかり、そちらに向かって軽い上り坂を上って行きました。日曜日のためか、村全体は静かで人通りも少ないです。ですが平日や8月以外は意外と活気がある村なのではという印象でした。

途中、道が不安だったので、杖をついてゆっくりお散歩中だったおじいちゃんに道を聞きました。「キエロ・イール・ア・ラス・ルイナス。エスタ・ディレクシオン?(廃墟に行きたいんだけど、こっちでいいの?)」

そう聞いたらこのおじいちゃん、突如何かひらめいたようにだーっとしゃべりだし、私の資料を手に取って「こっち、こっち!」と突如早足で歩き始めました。しゃべってることをよーく注意深く聞いていると、どうやら有料でガイドを雇えるみたいなことを言ってるのです。

わー。お金ないです。
15ユーロでバルセロナまで帰らないといけないのに(笑)。

ノー、ノー、と言ってもおじいちゃんの歩みは止まらなかったのですが、ようやく花屋の前で止まりました。そしたら日曜日で閉まってる花屋に、ガイドの案内らしきチラシが貼ってあり、それを見ながら何かつぶやいてます。やっぱり有料のガイドだー。

ガイドさんがおじいちゃんの友達なのでしょうか?それとも好意なのか…。ともかく、ゆっくりと「ノ・プエド・パガール(お金は払えないの)」と伝えたら、わかったみたいで、なんとか切り抜けました。強引な売込みじゃなくてよかったです。まぁ、強引でも、杖をついたおじいちゃんだったんで、逃げようと思えば逃げられたけど。

歩いてきた方向は合ってるので、改めてそのおじいちゃんに道は合ってるのか教えてもらい、Ruinasを目指しました。

そして、着きました。ここがベルチーテのRuinasの入り口です。


中は想像以上に広かったのですが、入口はこじんまりとしています。門をくぐるとき、なんだかいたずらに緊張しました。何か、スペインという国のとても大事なところに足を踏み入れるような気がしたのです。でも、おそらくこの気持ちはとても大切なもので、そして勉強不足だった私にはまだまだ緊張感が足りないくらいだったかもしれません。

ここは、スペイン内戦の跡地を意図的に残したフリーミュージアムです。しかし、敷地内に説明するような看板や説明書きはほんとんどありません。赤茶けた廃墟が、ただ無言に並んでいました。しかしだからこそ、迫力があったように感じます。(それはこれからも変えてほしくないです。)

正直言うと、怒りや悲しみや痛みを感じることはできませんでした。スペインとなんの関わりもない一介の外国人がそれを感じてしまうのもおこがましい気がしますが、それでも、何か物足りないと感じたのも事実です。一生懸命、崩れた壁に弾痕を見つけては自分の心を確認しましたが、何か遠い。


別の記事に書きましたが、翌日学校の先生にベルチーテを訪れた話をしたところ、スペイン内戦はスペイン人にとってとても悲しい歴史であり、家族の間でもその話を避けている人たちがいるとのことです。多分、理解はできないから、少しでも知ろうとすることが大事なのかもしれない。

今回の一番の旅の目的だったこのRuinasを見て、私は何も知らなかったということを知りました。そして、これはもしかすると大収穫なのかもしれません。

ちなみに、私以外のお客さんもちらちら見かけました。恐らく国内のスペイン人観光客で、外国人観光客ではなかったと思います。(少なくともアジア人は皆無。)日本のガイドブックには載ってないし、バルセロナ出身のスペイン人も知らなかったような場所ですから…。

サラゴサに帰るバスが14時過ぎでした。2時間近く時間があったので、Ruinasの入り口近くにあったベンチでしばらくぼんやりしていました。気温は35~40度くらいあったと思いますが、湿度が低いので木陰に入って風が吹くと心地いいくらいです。人もまばらで、風の音を静かに聞いていたように思います。本当に気持ちのいい時間でした。

しばらくして、トイレが心配になりました。急務ではなかったのですが、サラゴサの駅まで行けないとなるとちょっと心配。休んで元気も出てきたので、とりあえず街を探検することにしました。

まずは来た道を戻ってバス停の場所を確認。地図無って本当に不安。そしてバス停のすぐ横にバル(Bar)があったので、いざとなったらこのバルに入ろうと思い、もう少し歩いてみることにしました。(このバルはオープンテラスがあって、地元の人たちで盛り上がっていたので入りづらかった。)

暑いし、日曜日ということでお店らしいお店はほとんど開いてません。人もまばらですが、でもいないわけでもないようで、時々家から人が出入りするのを見かけました。地元の人が目が合うとニコっと笑って「オラ!」と声をかけてくれるのがとてもうれしかったです。バルセロナじゃまずない光景。campo(田舎)っていいなぁ…。


と、歩いているうちにあっと言う間に街の端に着いてしまいました。歩いた方向がそうだったのか、とにかく街が終わってしまったので戻るしかありません。どうしようかなぁと思いながら歩いていたところ、横道の建物のドアから女の人が袋を持って一人で出てくるのを見かけました。

カフェ?雑貨屋さん?と思ってドアの前まで行ったところ、建物はきわめて普通の家に見えるのですが、どうやらバルっぽい。

ちょっと悩んだのですが、変な度胸がわいてきてバーンとドアを開けたところ、中にまたすぐドアが(笑)。それもバーンって開けたら、中にいたおじさんたちが一斉に私を見て、とてもびっくりしました。びっくりしたのは私も同じで、超ローカルなバルに飛び込んでしまったことに気付いたのです。

しかし、おじさんたちがすぐに「ここに日本人はいないけど、ビエン・ベニード(welcome)!」と言ってくれたのです。

嬉しかったです。心温まる一瞬でした。

昼間っからグラス片手に世間話に興じるおじさんたちの間を抜けて、カウンターの端っこでコーラを注文。お店の主人はマリアと呼ばれるおばさんで、てきぱきと一人でお店を切り盛りしていました。

私がスペイン語ができないために、おじさんたちともマリアおばさんともほとんど話はできなかったのですが(くやしい)、マリアおばさんが「あなたのスペイン語は発音がきれいね~」とか声をかけてくれました。

ここでトイレもお借りしました。掃除が行き届いてるとてもきれいなトイレで感激。外国人の私にも居心地のいい場所だったし、お店の名前がわかればここに書きておきたかったなぁ。

13時半くらいに、バスを待つためにお店を出ました。バス停は陽がしゃんしゃんと降り注ぐ場所だったので、少しずれた建物の陰でバスを待ちました。

しばらくしたら、ぽつぽつ同じバスに乗るらしき人が私の後ろに並び始めました。私のすぐ後ろ…というか、隣にいたおじいちゃんが、あれこれ話しかけてくれました。

私がわからなくても延々と話しかけてくれるおじいちゃん。ポケットから飴やらキャラメルやらを取り出しては私にくれます。ベルチーテとサラゴサ、週の半分ずつ住んでいるそうです。独身で女好きらしく、女性を見かけると「チコ!(女の子だ!)」と言って唇に指をあてて鳴らしてました(笑)。これが真性のラテン人なのでしょうか。かわいかったです。

14時過ぎ、時間通りバスが到着。ずらずらと乗り込みます。おじいちゃんは私の隣に座って、またあれこれ話をしました。途中、馬がいる家があって、「あれは僕の友達の家!」とか言ってました。

おじいちゃんは、サラゴサの中心部近くで先に降りたので、そこでお別れでした。言葉がわからない私にも根気よく話しかけてくれてうれしかったです。

そして私はサラゴサのデリシアス駅へ。途中、なぜかバスの外から若者の集団に手を振られました。自分じゃないかと思って周りを見た後、「私?」と顔を指さしたら、そうそう、という仕草をしてるので、窓越しに手の振り合い。なぞ(笑)だけど愉快な気持ちに。

デリシアス駅では、時間に余裕があったので、駅の中でのんびりしました。昨日朝食をとったカフェで今度はチューロスのおやつ。チューロスはスペインのお菓子なので、来たら食べようと思っていたのにバルセロナじゃ機会がなかったのよね。カウンターで一本ください、と言ったら3本セットでした。おお。ほんのり塩味?のあるチューロスに砂糖をかけて食べました。次の日学校で言われたのですが、本当はチョコラーテを付けて食べるものらしい。先生は「チョコラーテがないチューロスを出す店なんて閉めてしまえ!」とまで叫んでました。チョコラーテ、あったのかな??


あと、お土産を少々買いました。サラゴサでは「Frutas de Aragon」という、ドライフルーツのチョコレートがけのお菓子が有名なので、駅のお菓子屋さんで一袋買いました。サラゴサの中心部のスーパーでも見かけたのですが、高くて躊躇したのです。そしたら駅のお店の方が少し安かったという。あと、駅内の露店でセサミストリートのDVDを買いました。30分くらいのDVDだけど、なんと1.99ユーロ!私のスペイン語の勉強用!あと2枚くらい買ってもよかったかも。


そうそう、観光案内所でベルチーテの資料があるか聞いてみたら、Ruinasの案内があって驚きました。(部屋の奥から出してたので、メジャーではない模様。)あぁ、これを昨日のうちにもらっていればよかったなぁ、と後悔しましたが、まぁいいでしょう。

電車のチェックインの時間になったので、今度は待合室やホームで時間つぶし。時間通りバルセロナに戻る電車が到着しました。

さらばアラゴン。サラゴサも、ベルチーテも、充実したショートトリップでした。バルセロナは都会で便利だし、観光地としてとてもよく整備された街ですが、やっぱりcampoも素敵です。それを実感できました。

余談~

帰りのAVE車内でこの旅で二番目に不愉快なことがありました。電車乗ったら他の人が私の座席に座っていたのです。女の人が寝てたので、悪いけど起こして車両番号と座席番号を伝え、ここは私の席!と言ったところ、どうやら前の駅で他の人と交換したらしいのです。なのであなたはあっちに座って、と別の席を指さされました。

私は自分が好きな席を何十日も前に指定して買っていたのにも関わらず!ムッカー。乗客同士が勝手に席を交換するのはよくあることらしいですが、頭にきてそのあとバルセロナまでずっとむくれてました。

検札はなかったです。もしかすると抜き打ちであるのかもしれませんが、私は行きも帰りもあいませんでした。AVEは国鉄のRenfeの電車なのですが、結構いろんなところがいい加減らしく、チケットを取ったのに料金が引き落とされてなかったなんてラッキーなエピソードもあるそうです。

ちなみにこの旅で一番不愉快だったのは帰りのドイツ10時間足止め事件です。これは間違いなく一番のしんどかったこと。

■使ったお金(8/21)

・コーラ(2.00)
・セサミストリートのDVD(1.99)
・フルタス・デ・アラゴン(6.74)
・チュロスとカフェ(2.80)

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